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『Tempalay・21世紀より愛をこめて』アルバムレビュー【音楽】
↓↓動画はこちらから↓↓
https://m.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=BixQ19QMUn0
**Tempalay **
**21世紀より愛を込めて **
はいということで本日は日本を代表するサイケバンド
Templalay
にて
21世記より愛を込めてをレビューさせていただければと思いますが、
今作は去年の6月にリリースされていたアルバムではあるのですが、
この度、Vynil盤が発表されたということでレビューさせて頂きます!
Templayは埼玉で結成されたローファイ・サイケ系統を奏でるバンドです。
個人的には西海岸やイングランド・オージー様々なサイケ音楽を想起させられます。
特にサンフランシスコ出身のFoxygenやオクラハマ出身のFlaming Lips、
Pink FloydやPond等々を想起させられるサウンドもありながら
独特なテンポと間、音使いは日本的な独自の世界観で摑みどころがなく
これまで聴いたことない唯一無二のサウンドです。
SXSWやアジア等々の海外でも人気の日本が誇るバンドです。
そんな彼らのアルバム
21世紀より愛を込めて
をどんどんレビューしていければと思います!
このアルバム
**何よりもタイトルが素敵ですよね。 **
**21世紀より愛を込めて **
Foxygenのアルバムにも
We Are the 21st Century Ambassadors of Peace & Magic
というアルバムがありましたが、
平成という時代に幕が閉じ
自分たちが生きた時代の雰囲気を音に閉じ込めて
それを誰かに感じてもらいたい
とボーカルの小原さんも語っています。
「21世紀より愛を込めて」
表題曲で始まることで
アルバムのふんわりとしたテーマを
リスナーの頭の中に留め
本編の
**「のめりこめ、震えろ」 **
がスタートしていくのですが、
音楽理論どうこうは置いておいて
**とにかく強烈に頭に残るイントロサビと **
**曲全編を通してつかみどころのない **
各楽器のサウンドが少しずつずれてなっているのにも関わらず
曲を通してまとまりがあり
それでいて
**頭で聴いていては絶対に追いつけないアンサンブルは **
**ただただ体で「感じる」ことでしか **
曲の全体像を掴むことができません。
岡本太郎さんへのラブレターみたいな曲とボーカルの小原さんが述べている様に
「芸術は爆発」だという言葉とてもマッチする
多種多様の芸術要素が盛り込まれた楽曲ですので、
聴いて確かめていただきたいです。
**「そなちね」 **
この曲を初めて聴いた時、
何故か分からないんですけど
**北野武の菊次郎の夏という映画を想起されました。 **
で調べてみたら、
**北野映画の"SONATINE"のオマージュとのこと **
音楽で人に何かを想像させる楽曲の凄さに本当にびっくりしました。
聴いていて凄く夏の思い出が駆け巡るの曲になっているのですが、
奇妙なシンセで始まるんですが、
サビは急に転調をして心地よいサウンドに
そのサビでもさらに転調して、更に心地よいサウンドに
一つの曲で何度も階段を登り下りしている様な気分になります。
特に AAAMYYYさんのパートは声サウンド共に美しすぎて
涙が出てきそうになります。
**奇妙という名のパンに **
**夏の美しさという具をサンドイッチした様な楽曲です。 **
ソナチネ 産まれたての愛が
育ち目を開き 声放ち
いつかは消えてしまうらしいが
そなたは美しい 光あれ
という歌詞は
**生命の美しさと儚さを同時に表現した **
**詩的で映画的にとても美しい詩で余韻として **
**聴いた後もとても頭にぼんやりと残ります。 **
**「どうしよう」 **
**世にも奇妙な話を音楽にしたら **
**この曲が生まれるなと思いました。 **
**凄く浮世離れした曲でありながら **
**超現実的な曲でもあり **
**その表裏の中に現代の若者の感情が垣間見えてきます。 **
現代の日本人の家と職場を行き来する生活を綴った歌詞と
同時に現実逃避願望の頭の中を
凄く短い歌詞で表現し
あとは本当に奇妙でありながら
サイケで心地よい音楽に身を任してください
と言わんばかりのフワフワしたサウンドに
ただただ身を任せるしかなくなります。
奇妙でありながら気持ちよく
幽体離脱を繰り返す様な曲です。
**「Queen」 **
この曲はマリオを題材にした曲になっていて
曲はかなりダウンチル系で
マリオのステージに合わせた展開になっているので
実はマリオはサイケなゲームなのではないかと疑いました。笑
ちゃんとボーナスステージの音楽もあって
頭の中でマリオが駆け巡ります。
**「美しい」 **
後半は結構サイケやエレキ要素が見受けられたのですが、
この曲は非常に優しく安らぐユーミンや竹内まりやさん等々を想起させる
シティポップ要素を含んだ曲になっており、
都会的でありながらどこか寂れた景色で
夏の東京の路地裏のバーに向かう独身の男性を想像させられます。
儚さはあるのですが、同時に希望もあり
最後に響くトランペットは
暗い未来を照らしてくれます。
**「おつかれ、平成」 **
**アルバムの最後の曲でありながら、 **
**平成最後の曲の様にも感じます。 **
**アルバムで一番オーケストレーション要素が強い曲で、 **
**平成に起きた数々の出来事を内包し、 **
**平成の痛みや悲しみ、喜びを全て背負いながら **
**令和という時代に進んでいく意思が歌われていて **
**時代は新しい方向に向かっていくのですが、 **
**時代に取り残された人々や出来事の痛みは **
**時代が変わってもそこに残されていて、 **
**僕たちはそこに蓋をして進んでいってます。 **
**しかし、確かに痛みの跡は残っていて、 **
**私たちに起きた数々の出来事を忘れてはいけないといっている様な気がしました。 **
**そして残された人たち、 **
**また私たちに **
**「それでも人は進み続けなければいけない」 **
**といっているかの様なとてつもないパワーを持った曲で **
**アルバム・そして平成という時代に幕を下ろします。 **
**全体的にみると **
**コンセプトが凄くしっかりしているにも関わらず、 **
**各々の曲はコンセプトとは関係ない独立した力を持って届けられています。 **
**しかしそれが一つになった時に、 **
**一つのコンセプトアルバムの様な **
**不思議な感覚を持ったアルバムでした。 **
**頭では絶対に掴めない **
**聴く人の感性によってのみ **
**追いつくことは出来ないのですが、 **
**追いかけることの出来る音楽だと思います。 **
今作のPVはミレニアムパレードのPVも手掛けてる
Perimetronによって制作されていて、
彼らのMVも非常に魅力の要素だと思うのでみていない方は是非チェックしてみてください!