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『Gorillaz・SONG MACHINE: Season One - Strange Timez』アルバムレビュー【音楽】


Gorillaz

SONG MACHINE: Season One - Strange Timez

はいということで本日は世界一売れいるバーチャルバンドgorillazでsong machine, season one strange thingzをレビューさせていただければと思うのですが、

今作はヴァーチャルな彼らが現実空間からアーティストを迎え、コラボレーションするプロジェクトで今作はエピソード1つまり第1作目となります。

これまでゴリラズはアルバムを通して独自の世界観を提示し続けてきたのに対し今作は1曲1曲が誰かとのコラボでシングルトラックの集合体のようなアルバムになっております。

このアルバムを一言で表すと

音楽界のアベンジャーズ

各トラックのフィーチャリングとそのコラボから生まれる楽曲はとてもユニークで各々かが全く全く違う特性を持ちつつ最大限に表現している点から過去のアルバムよりカラフルなイメージを感じ取れると思います。

サウンドクオリティと構成の仕方も息を飲むほどのシネマティックさを兼ね備えており、 歌詞を聞き取れなかったとしてもその没入感は音楽界のクリストファーノーランと言っても過言ではありません。

1. Strange Timez (feat. Robert Smith)

プライマルスクリームの2013という曲を想起させるピアノイントロに

映画テネット のような不安を掻き立てるシンセの音

The cureのロバートスミスの声がこれまでほどに引き立てられているの久々に感じました。

初めてキュアを聴いた時の新鮮さをこの曲で取り戻せるほど曲の構成と声がマッチしています。

奇妙なテンポで奇妙な音が独自の自由意志を持って鳴り響いているのに完全にそれがマッチしている点には感服の一言です。

2. The Valley of The Pagans (feat. Beck)

久々のファンキーだった2006年頃のベックが顔を見出します。

聴いているだけで体が揺れるこの曲はあつ森の仮想空間でも披露されたことでも有名です。

どこかデラソウルのマジックナンバーのようなバイブスを持ちながら、

東京スカパラのようなアンサンブルも体感できる

アルバムの中で個人的に一番好きな曲です。

一人で聴いていて勝手にロボットダンスをしてしまいました。

5. Chalk Tablet Towers (feat. St Vincent)

ヴィンセントとのコラボのこの曲は

デーモンアルバーンのローボイスとヴィンセントの高い声が対比しつつも高次元では重なりあって響いてきます。

鋭いシンセサイザーが頭の中を駆け巡りますが、

曲は一貫して統一されたビートで変化球はなく単調に感じてしまう方もいらっしゃるとは思いますので、セイントヴィンセントがフィチャーされているという理由で聞くと、

彼女のエッセンスが少なく少しガッカリしてしますかもしれます。

6. The Pink Phantom (feat. Elton John and 6LACK)

エルトンジョンとブラックの対比はこのアルバムの中で一番際立っていて、

決して混ぜてはいけない二つの化学物質を混ぜた時に生まれる儚い夢のバラードはシンプルに美しくエルトンの力強い声とブラックのハスキーボイスがお互いのボイスと歌詞を際立たせ、その壮大さは宇宙を連想させます。

7. Aries (feat. Peter Hook and Georgia)

ニューオーダーのピーターフックがいることで

80年代にタイムスリップできます。

音楽の構成も複雑に絡み合っていて、

コーラスに入るドラムサウンド

ギターソロのエフェクトはニューオーダーそのもの、

もしかしたらそれ以上に美しく響いております。

10. Désolé (feat. Fatoumata Diawara)

「デソレ」フランス語でごめんなさいという言葉が頻発されるこの曲は

小さな重厚感というのでしょうか

同じ言葉が繰り返されているだけなのに聴き終わった後に

でソレを何度も口ずさんでしまいたくなります。

高揚感のあるシンセとソレを下支えするドラムビート

クライマックスで響くディワラの声が ペルーあたりの山の頂上に連れていいてくれます。

11. Momentary Bliss (feat. Slowthai and Slaves)

この曲はこのプロジェクトの始まりの曲であり、

キレッキレのギターサウンドとリリックは

若き日のビースティボイズをマリオのゲームの中に落とし込んだ雰囲気を持ち合わせ、

怒りと同時に燃え上がる炎は同時に光をも放ちます。

全体的にみると、

個人的には各曲で各コラボレーターの特性を最大限に引き出し

ゴリラズのサウンドと交わることでとてつもない化学反応を起こしているのは間違い無いのですが、

今作を聴いて感じたのは

ゴリラズにはコラボする人間の新たな顔を生み出す能力を持っていると思います。

このアルバムはコラボしている全てのアーティストの新たな一面を見つけ出し

その特徴をゴリラズのサウンドと共に最高潮に引き出しているのは

火をみるより明らかです。

最初から最後までジェットコースターのように

緩急のついたトラックリストは全く飽きずに聞くことができますし、

全ての曲が全く違う特性を持っているので

非常にカラフルな映像が頭の中で鳴り響きます。

控えめにいって今年トップクラスのアルバムでした。

まだ聴いていない人は是非是非聴いてみてください。

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