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『Mr.Children・turn over ?』トラックレビュー【音楽】

ミスチル

Turn over?

はいということで本日はミスチルで、

Turn over?をレビューさせて頂ければと思うのですが、

今作は配信限定リリースにて

TBSドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』の主題歌ともなっております。

前回リリースの「Birthday / 君と重ねたモノローグ」から約半年ぶりの今作は

前作に続いて世界的に有名なアーティストのエンジニアを数々手掛けてきたSteve Fitzmauriceを迎え入れ制作されています。

曲タイトルになっているturn overは回る、転がる、ひっくり返ると言った意味を持っており、ドラマのテーマに沿った形で物事が好転するという意味が込められています。それは主人公の気持ちも同様で最初は懐疑的だった自分の気持ちが曲の中で確信に変わっていく姿が描かれています。

このturn overの横にクエスチョンマークがあることがこの曲に大きな意味を持つと思っていて、物事は続いていくけど好転するかはわからない。でも、好転するかな?とちょっとお茶目な題名に見えます。

曲調は初期のミスチルの雰囲気を感じることができ、

最初聴いた時は「運命」という曲を想起させられました。

軽やかなアコギとドラムパーカションで始まって、

そこに途中シンセオルガン的なサウンドが入り曲を盛り上げていくんですけど

聴いていてとても印象的だったのは、

バースとバースの間にはっきりとした展開はなく緩やかに移ろいで行くんですが、 確かにバースが変わったことが感じられるんですね。

その理由の一つとして、ドラムパーカッションはかなり重厚にどっしりはっきり響いているのに対して、ギターベースはとてもまろやかに緩やかに優しく響いていて

そのギャップと調和が不思議で軽やかな感覚を生み出している要因の一つだと思います。

明け方の東京はしらけた表情で眠れないボクのことを見下ろしてる
こんなスタートで今日を迎えてしまうのは「誰のせいなんだ!?」って言いたくもなる
キミは今どう思っているの?すれ違いの日々を

という最初の歌詞で

君と僕の間の関係で未だ不確かな感情を抱いていて、

そのモヤモヤな気持ちを誰にぶつけて良いか分からず東京の街さえも自分を見下している様な気分になっています。

頭の中 妄想が渦を巻いている
悪いことばかりを考えてしまう

という歌詞では恋愛に起こりがちな悪い方向に向かうことばかりを考えるのですが、

キミに必要な理解者
今こそなろうと思います

という次の歌詞で悩んでいても仕方ないと自分の中で決意をします。

forever love I’ll make your smile
叫びたいくらいだダーリン
我が人生で最愛の人は そう キミ一人

最終的に自分の気持ちに確信を最後の歌詞で持ちます。

この曲で非常に面白いなと思ったのは、

恋愛の曲って自分と相手の関係性を歌うことが多いとは思うのですが、

この曲は自分と自分の心の間で起きていることを歌っていて、

相手との関係性の結末については述べられていないのですね。

更に題名に?をつけることで自分の気持ちに整理はついているかもしれないが、

それがこれからも変わっていくことを指していて、

終わることのない自分と自分の心の関係性を

恋愛関係に付随した形で歌うことで

それが、非常にミスチルらしさを表現していると感じました。

全体的に見ると、

恋愛でモヤモヤしている貴方や、

憂鬱で自分の気持ちを整理できないでいる貴方の気持ちを少しだけ前向きにしてくれる曲だと思います。

特別なキャッチーさはないのですが、

重く響くドラムと優しいサウンドの間で

上手に主人公の心の葛藤を描いた曲になっていると思うので、

気になる方は是非是非聴いてみてください。

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