
シングルから見るダブルバトル① ダブルバトル編
どうも~ポケモンのWCS2024のゲーム部門でシングル勢が世界一になったと聞いて今年はダブルを触ってみようかなって人が例年よりも増えそうだったのでなんとなく記事を書いてみました。
WCSとか対戦オフ会に出るような者ではありませんが、ダブルバトル(以下ダブル)の対戦観を漠然と掴めるようなものをまとめてみました。何らかの道しるべになれたら幸いです。それじゃあレッツゴー!
ダブルバトルとは
シングルバトルとの共通点
対戦の流れ
対戦の流れは、シングルバトルと同じく最初に選出を決めて、ポケモンを繰り出して対戦が始まります。
序盤は目の前の相手を攻撃したり、場に影響を及ぼす技で味方を有利にしたり、手持ちのポケモンに交換しつつ中盤、終盤へと進み勝敗が決するかどちらかが降参するまで戦います。
ポケモンでは交代では消耗してしまうため敢えて相手にこちらのポケモンを倒して無傷でポケモンを出す動き(死に出し)も、ダブルでも行われております。
さらに、4体で戦うルールなので勝ちを狙っても多くても3回はポケモンは瀕死状態になるので死に出しを狙えるチャンスが1回増えます!お得ですね~
手持ちのポケモンに交代して盤面を打開する
シングルバトルにおいてこちらに不利なポケモンが場に来たときにそのポケモンに強いポケモンへ交代することはダブルバトルでも行われてます。
ただ、ダブルバトルでは1ターン中に相手のポケモン2体から攻撃を受けることもあってか思ったよりもHPが減ってしまい、シングルに比べて交代できる回数が少ないポケモンが多いことは知ってほしいです。また、シングルバトルでは交代の回数を増やすために回復技を採用する場合がよくありますがダブルバトルではそれ目的では採用されておりません。
ですが、ダブルバトルでは交代する際の消耗を抑えることができるタイプのポケモンや道具、技を採用した、いわゆる”サイクル構築”のような構築もちゃんとあります。流行に強い基本選出を構築に落とし込むことで対応域が広くなるタイプもあってか、ランクマッチや過去のWCSのbio3戦で交代戦を仕掛ける構築が結果を出すことがあったりします。
状態異常によるからめ手や場に及ぼす状態を活用する
相手の行動を封じたり、弱体化する、天候やフィールドを変えて特定のタイプのポケモンを強くする、リフレクターや光の壁でダメージを軽減する戦術がありますが、ダブルバトルでももちろん採用されています。
ただダブルバトルでは、それらを戦術を主軸にしたものだけではなく基本選出におけるサブプランや対策として採用されたものも現れております。
メインプランとして採用されている戦術の代表例
晴れパ、雨パ、キラフロルの毒化粧やキラースピンを活用した毒状態活用の戦術(毒寿司)、壁パ、砂パ、雪パ、サイコフィールドパ(イエアルマ)、ステルスロック(ディンルーやバサギリが使用)
ダブルバトルの構築も基本選出+対策枠
ダブルバトルの構築もシングルバトルでやってることと変わりません。
基本選出!対策枠!対策枠!って感じです。
選出するポケモン数が多いため基本選出の4体のうち1体か2体を対策枠に差し替えたりすることが特色でしょうか。
またシングルバトル同様にある程度形になった構築へ新しく趣味要素をねじ込もうとしたら構築にならなかったり思ったのと違う…ってこともよくあります。ダブルバトルで構築を自分で組みたいと思った時が来た際はシングル同様に強さは抜きにしてもちゃんと動きが機能する構築を目指しましょう。
シングルバトルと異なる点
1ターンでポケモン2体に指示できる
1ターン中にポケモン1体に指示するのとポケモン2体に指示するとではゲームスピードが断然違います。
例えば、光の壁リフレクターを採用したオーロンゲを擁する積み構築を思い浮かべてください。
シングルバトルで光の壁とリフレクターの両方を準備したとします。この後オーロンゲを倒して貰って積みエースを出してから積み技を使うことになります。ですが相手はそれを分かっていますから中々倒して貰えず、交代の際の急所のリスクを背負うか、壁のターン数を消費されて後半壁がなくなった状態で戦うことになってしまいます。
しかしながらダブルバトルの場合はオーロンゲの隣に積みエースを出すことができるのでオーロンゲがリフレクター光の壁を使っている間に積み技を使うことができます
ごく一部の例をあげましたがこのように場に出せるモンスターが増えることでゲームスピードが速まるのがダブルバトルの特徴です。
2体がかりで1体を攻撃できる
2体がかりで1体攻撃できる恩恵としてはダメージレースを加速することができる点です。シングルバトルで目の前のポケモンを攻撃したり交代することを想定した配分によって、1、2ターンで倒し切れない場合も良くありますが、ダブルバトルでは1ターンに別のタイプの攻撃を受ける可能性がありダメージをより与えやすいことが多いです。
また、相手の交代を想定して攻撃する際も2種類のタイプの攻撃技を重ねることで相手のポケモンの撃ち合いと交代両方を想定しつつ相手のポケモンを倒すプレイングを組み立てることも可能です。
2体がかりで1体を攻撃できる恩恵は他にもありまして、シングルバトルではこちらを2ターンかけて倒してくるような苦手なポケモンをもう片方のポケモンであらかじめ弱点を突いて弱らせてから次のターンで倒せるようにして味方のポケモンを生存させることもできます。
相手のポケモンに先制してあいてを倒したときに起こる大きな恩恵
シングルでは相手が行動する前に相手をひんし状態にすることで相手が企てていたプランを封じるプレイングがありますが、ダブルバトルでは相手の行動の前にひんし状態にすると味方に対して発動しようとした技が不発となり味方を安全に動くターンを疑似的に作り出すことができます。
例えば…
こちらにはガオガエンとハバタクカミがいて、相手に連撃ウーラオスがいてハッサムが死にだしされたとします。
行動順は、ハッサム(バレットパンチ)→ハバタクカミ→ウーラオス→ガオガエンです。
ここでウーラオスとガオガエンの関係を見ます。ウーラオスはガオガエンに弱点をつける技があり大きなダメージを与えることができますが、ガオガエンはウーラオスへ大きなダメージを与えられず素早さとダメージ面でも大きく不利を取っています。
ここでハバタクカミが出てくるのですが、ハバタクカミはウーラオスを先制してかつ一撃で瀕死状態にすることができます。ウーラオスが行動する前に瀕死状態になった場合、技を発動できないまま倒れることになります。これによってガオガエンはこのターンにウーラオスからのダメージを受け無くなった上にウーラオスがいない状態になります。
しかし、ハバタクカミを先制してかつ一撃で倒すことができるハッサムがいると状況が変化します。ハバタクカミが行動する前に一撃で倒された場合、本来ウーラオスを倒してガオガエンの損害を無かったことにできた状況が発生しないのでハバタクカミが作り出した関係が崩壊して最初のウーラオス有利の状態に戻ります。
このようにこのターン中にポケモンに先制して倒せる状態である場合、自分や相手のやりたかった行動がスキップされます。
相手に先制してかつ一撃で倒せる状態にして味方を守るパターンをダブル勢は「縛り」といった言い回しで表現したりします。縛りって何だよって人やダブルバトルの構築記事にこの言葉が出た際は、味方を安全に動かしたり相手のやりたい妨害を止めるための作戦や関係性の一つでもあるんだなぁ位に思っておくといいです。
攻撃の対象を選ぶ
シングルバトルでは相手への技の対象は選ばないですが、場にポケモンが増えるので必然的に対象を選ぶことになります。ポケモン1体を対象とした技を相手のどちらかを選ぶことになるということです。この対象を選択して技を使うことがダブルバトルにおける駆け引きの一つになっています。例えば終盤お互いが消耗した際、単体攻撃をどっちのポケモンに当てるのかいう局面がよく起こったりします。
また、対象を自身に引き寄せる『このゆびとまれ』や『いかりのこな』、自身と味方の位置を入れ替える『サイドチェンジ』があり1体を対象にした攻撃を使った際に駆け引きの起こる技が存在します。
因みにですが1体へ対象とした技は味方にも使えます。特殊な立ち回りで使われることがあるので頭の片隅に置いておきましょう。
攻撃対象が2体以上になる技がある
ダブルでは攻撃技の中には攻撃対象が相手2体になったり、自分以外のポケモン3体になるものがあります。これらの技を“範囲技”と呼んでいます。
範囲技の大きな特徴としては
・1度に相手2体攻撃できる、また味方毎巻き込む攻撃がある
・攻撃をした際に攻撃の対象になったポケモンが2体以上いた時、技のダメージが75%になる(『ダブルバトル補正』と呼ばれる)
・『ダブルバトル補正』があるにも関わらずダメージ効率がいい
・攻撃対象が何らかの理由で1体になっている場合は『ダブルバトル補正』がなくなりシングルバトルと同じ状態になる
って点です。
先程ポケモン1体を対象にした技を使う際は対象を選ぶ必要があると話をしましたが、範囲技は対象を選ばないので確実性があり裏目を作りにくい強みがあります。また追加効果のある範囲技も攻撃のあたったポケモン全てに追加効果が発生するのも強みです。ただ対象が2体以上いるとその代わりにダメージが減りますよというのが範囲技です。
ですが、ダメージが75%になるもののポケモン1体に攻撃する単体技と相手2体を攻撃する範囲技を威力80の技として単純に計算して比較すると
単体技:80×1
範囲技:80×0.75×2=80×1.5
となるのでダブルバトル補正があってもダメージ効率がいいと言うメリットもあります。
範囲攻撃技の例としては
相手2体:ゴールドラッシュ、こがらしあらし、こごえるかぜ、ハイパーボイス、エレキネット、バークアウト、ねっぷう、だくりゅう、ワイドフォース(サイコフィールド状態)、等…
自分以外:じしん、じならし、だいばくはつ、ほうでん、ふんえん、なみのり等…があります。
味方を攻撃してしまう範囲技は構築単位で工夫しないといけないことには注意です。
ターン中に行動順が変化することがある
実はポケモンの対戦システムは、ターン中に素早さが変化すると行動順が変化する仕様があります。ダブル勢の間では”素早さの即時反映”と呼ばれており、ポケモン対戦をスピーディーにしています。
例えば…
素早さが137のサーフゴーがいたとします。あいては、素早さが214の最速ドラパルトです。
この素早さ関係の場合、素早さの高さはドラパルト>サーフゴーとなり、行動順はドラパルト→サーフゴーとなります。よってドラパルトにシャドーボールやゴーストダイブを先んじて使われてしまいます。
もし、サーフゴーの隣に悪戯心のヤミカラスがいた場合を考えます。ヤミカラスは優先度+1で味方の素早さを2倍にする場の状態を発生させる(おいかぜ)を発動できます。
この際の本来の行動順は
ヤミカラス(優先度+1)→ドラパルト→サーフゴー
ですが、追い風状態によりサーフゴーの素早さが137→274に変化したのでドラパルトの素早さを上回ることで行動順は
ヤミカラス(優先度+1)→サーフゴー→ドラパルト
に変化します。これでサーフゴーがドラパルトに先制して攻撃できるのです。
他には素早さの即時反映は、素早さのランクの変化や麻痺状態、『すいすい』のような特定の天候で素早さが変化する特性が効力を発揮した際に発生します。
シングルバトルでは機能しない特性や技が力を発揮する
これまでダブルバトルについて少し触れてみましたがポケモンが2体並んだりすることで真価を発揮する技があります。
最後に検索用として少し例を列挙してみます。
・相手が使用した1体を対象とした技の対象を自身に移し替える『このゆびとまれ』、『いかりのこな』
・優先度が高く味方の攻撃技のダメージを1.5倍にする『てだすけ』
・味方を対象にした回復技『いやしのはどう』『かふんだんご』、味方全体を対象とした回復技『いのちのしずく』『みかづきのいのり』
・範囲攻撃技から味方を守る『ワイドガード』
・ヘイラッシャがいると自身が場からいなくなりヘイラッシャのステータスランクが全て2段階アップするシャリタツの特性『しれいとう』
最後に
少し長くなってしまいましたが、レギュHでダブルを始める方には漠然と頭に入ったらありがたいなぁと思います。
今後もシングル勢向けのダブルバトルの記事を出していこうと思ってるのでもしnoteでたまたま見かけたらお願いします。
(こちらも頑張って書いて出します)