見出し画像

シングルバトルから見るダブルバトル② まもる編

こんにちは!シングルバトルからダブルバトルを見ていくシリーズ第2弾です。今回は「まもる」についてです。
ダブルバトルと言えばという技の一つなのですが、ダブルのプレイヤーの間では使われてて当たり前の技になってしまってあまり初歩的な話が語られにくい技でもあります。
「まもる」の性質に関して見聞きしたことをまとめてみました。使い方を見ていきましょう~


そもそも「まもる」という技を振り返る


「まもる」

あいての こうげきを まったく うけない。れんぞくで だすと しっぱい しやすい。
(漢字) 相手の 攻撃を まったく 受けない。連続で だすと 失敗しやすい。

「ポケモン スカーレット・バイオレット」より

※ゲーム内の仕様
まもる タイプ:ノーマル PP10 対象:自分 
優先度+4の技。まもる状態になり、このターン受ける技を無効化する。
2回連続で発動すると成功率が1/3になり、さらに連続して発動しようとすると1回に付き成功率がさらに1/3になっていく。このターンの行動順の最後にまもるを使った場合、失敗する。(※交代→まもる→まもる→まもるのパターンや優先度+5以上の技があると発生することがある)

(ポケモンwiki一部抜粋)

シングルバトルの「まもる」を振り返る

実は「まもる」の技を性質を知るうえで分かりやすい例はシングルバトルにおける「まもる」です。思い返してみましょう。

シングルバトルで守るが採用されたポケモンはこのような例が過去にあります。

・宿り木の種、食べ残し、ポイズンヒールのようなターンの終わりに回復する手段を持つポケモン

昔から守るが候補の一つになる型です。ポケモンSVではグライオンやチオンジェンが有名だと思います。スリップダメージや回復によって確定数がずれて対面の攻撃が耐えられる様になったり、交代戦が有利になる局面で交代をせずに場に残れると次のターンの択が増えて強いので採用されます。

・1ターンさえ守れば致命的な攻撃をいなせる、次のターンから盤面が一変する可能性がポケモン

特性『かそく』や『ムラっけ』を持つポケモンの守る、滅びの歌を主軸にしたポケモンが代表的です。また過去の作品では1ターンだけ技の威力が160以上になる『Zわざ』や3ターン間技威力が120以上になりHPが倍になる『ダイマックス』への時間稼ぎ、『メガシンカ』のようにターン中に種族値が変化するが素早さの即時反映がされない作品では守るが採用されてるケースもありました。

これらの例から『まもる』の採用から1つある性質が見えてきます。

そう『まもる』は盤面に残って現状維持をするための技であると。


まもるとは場に残りながらなにも起きない状態にする技である

先ほどの例の通りまもるは発動したターンは、攻撃はできなくなりますが外部の技の大半を受け付けなくする技といえます。ダブルバトルでは相手から攻撃の受ける頻度が増え、味方からも受ける場合もあってこの性質を持つ技は自然と出番が増えている状態になっています。
また、妨害の質や種類もシングルバトルに比べたら1ターンに受ける内容が多彩なので、一層まもるの価値が高まっています。

「まもる」を扱う際の注意点 守り続けては勝てない

「まもる」という技は安全で万能な技ではありますがそれ相応の対価を支払って行使しています。それはまもるを使えば、このターン相手に干渉できなくなってしまう点です。
いつかダブルバトルをやってるとまもるを活用する時は来るものの、タイプ相性を交えて先制したり耐えたり相手を倒すことで戦いが進んでいくことは忘れないように気を付けましょう。打開する際には解決したい相手へ後出して、先制して倒し切るかタイプ相性で上回るポケモンを用意するか隣のポケモンで倒すか眠り状態にするなどして動きを封じる手段は用意しましょう。選出単位で対策を作る考え方はシングルと同じです。
まもるを使うことが目的にならないように状況を好転させるプランを準備する時間稼ぎの技として活用していきましょう。

例えばですが、初手有利で比較的安全に行動できた、攻撃に参加して倒されても問題なくて攻撃していれば状況が好転していた、そもそも相手が動き出すのが遅いパーティであった場合にこのターンの守るは相手にとってはボーナス行動であったなみたいなこともあります。更にどちらを守って動かすのかという2択を迫られて択に負けるなんてこともよくあります。

あくまでまもるは相手と自分のポケモンの関係を比べつつ自分のやりたい試合の流れに持ち込むために要所で使用することは忘れないようにしましょう。
初心者の頃まもるを使うのが苦手だった自分的にはダブルバトルをゼロから始めた頃はまもるをうつタイミングがマニュアル化されてる所謂ギミック構築やコンボ特化のパーティ、まもるが採用されてない構築でちょっと試してみる程度で戦うのをおすすめします。

まもるのアレコレ

ダブルバトルの技スペース

まもるを採用すると技スペースが狭まることについて話しておきます。ダブルバトルは、「まもる」がある程度評価されてることもあってまもるを入れたくなり結果として技スペースが狭くなるケースがあります。

特に
・攻撃技1個で完結できず複数の攻撃技が必要なポケモン
・相方のサポートの準備を想定してまもるを採用しているポケモン
・先制技や補助技を採用した攻撃役のポケモン
・ねこだましを採用したポケモン
で頻発します。

シングルバトルではこちらに不利なポケモンへのカウンター技を採用して返り討ちにしたり強引に削ったりする「役割破壊」がよくありますが、ダブルバトルではこの「役割破壊」をするためのコストが「まもる」のようなダブルで需要のある技によって高くなっているのは覚えておくといいです。

「まもる」を採用しないことがあるケース

最後に「まもる」を採用しない例をあげておきます。技スペースを最大限に活かすことが目的で「まもる」を採用していないことが特徴です。シングルと同じ話なのでなんとなく察している人もいますがとりあえずあげておきます。

・突撃チョッキを採用している、攻撃や変化技の出力を最大限に高めているもしくは「こだわり○○」を持った型
・攻撃能力が低いもののサポートや妨害に秀でて技構成をそれらに特化させているポケモン(エルフーンやモロバレル等)
・替えの効かない性能があり「まもる」よりも優先したい強力な技が多くあるポケモン(威嚇ガオガエン、エルフーン、モロバレル等)

これらの型に関して一つ注意点があり、100%まもるを切っているって訳ではないことです。
「あのポケモンはまもるを採用しない」という先入観を利用したり、他の技やプランを組み合わせてまもるを使う型、サポートや妨害役が2体並ぶ盤面から交代をするために場に残したいサポーターに守るを採用しているケースがあったりします。また「ほろびのうた」を活用した構築では3ターンを上手く稼ぐことが勝ち筋になる構築では一般的にはまもるを使わないポケモンにも採用されます。
これらは特定のレート帯で対戦していくことで経験的に分かりますが、「ポケモンhome」のランクマッチの統計でトレーナー全体でまもるの採用率を見ることができるのでお勧めです。 

守るの活用例 ダブル基本編

相方が相手に攻撃や妨害をして次のターン動きやすくしてくれる間、場に待機させる

頻出の動きですが、相方に攻撃してもらって苦手な相手を一撃で倒してもらったり次のターンの攻撃で倒せるようにしたり搦手で動きを封じてる間にまもります。簡単な例をあげます。

サーフゴー&エルレイドVSサザンドラ
※素早さ関係 サザンドラ→サーフゴー→エルレイド
技選択(→技の対象)
サーフゴー:まもる エルレイド:聖なるつるぎ→サザンドラ
サザンドラ:あくのはどう→サーフゴー

1ターン目
サーフゴーのまもる。まもる状態に
サザンドラのあくのはどう。サーフゴーまもる状態によりダメージ0
エルレイドの聖なるつるぎ。サザンドラが倒れた。
結果:サーフゴーを無傷で盤面に残しながら、苦手なサザンドラを倒した

サーフゴー&モロバレルVSガブリアス
※素早さ関係 ガブリアス→サーフゴー→モロバレル
技選択(→技の対象)
サーフゴー:まもる モロバレル:きのこほうし→ガブリアス
ガブリアス:じしん
1ターン目
サーフゴーのまもる。まもる状態に
ガブリアスのじしん→サーフゴーとモロバレル(じしんがダブルバトル補正がつく)
サーフゴーまもる状態によりダメージ0
モロバレル最大HPの40%のダメージ
モロバレルのきのこのほうし。ガブリアスが眠り状態になる。
結果:サーフゴーを無傷で盤面に残しながら、ガブリアスを1ターンは確定で行動不能になった。
味方のモロバレルの残りHPは60%程

この行動の注意点としては守らなかったもう片方の味方が行動前に一撃で倒されたり動けなくなると大きく損することです。盤面の状況を鑑みて何が起こるのか予想して行動を決めましょう。

ちなみにこの片方がまもってる間にもう片方が行動するプランがぶつかりあうと擬似的にシングルバトルになったりします。

場を整える準備をする間にエースを場に待機させる

これはダブルバトルでもそこそこ頻出する動きですが、代表的なのは素早さの低いポケモンで固めているトリックルーム軸で起きます。

代表的な並び ガチグマ(2種類)+トリックルーム役
ガチグマ:まもる トリックルーム役:トリックルーム
ガチグマをそのまま場に残しつつトリックルームを起動させたいために取られる代表的な選択肢の一つ。耐性が少なく素早さの低いポケモンは攻撃に晒された際に幾ら数値が高くとも倒される危険性があるので先発も想定した低速ポケモンは次のターンから動くための待機手段としてまもるが採用されるケースが多い。

交代+守る=シングルバトルにおける交代の一つ

ダブルバトルの『ポケモンの交代』は、味方において片方のポケモンが行動できない状態になるため、「1VS2」になる行動です。交代するターンに片方の味方のポケモンが弱点を突かれて倒されてしまい、せっかくタイプ相性と素早さ面でも有利なポケモンで打開しようとして出てきたのに盤面が既に崩壊してた憂き目にあう状況もあります。このような不安定な状況で安全に交代するためにまもるを使うパターンです。
やり方は簡単です。
交代したいポケモン→交代 もう片方のポケモン→まもる です。これで対策の対策を仕掛けていきましょう。
ちなみに、捨て台詞やとんぼ返り、ボルトチェンジでもこの動きは可能です。

次のターンに死にだしをしたい時に守るを使うパターンがある

死に出しはポケモンを安全に繰り出すときに相手に倒してもらって安全にポケモンを場に出すテクニックですが、ダブルバトルではポケモンが2体いるので意外とそうはいきません。倒して貰う際にもう片方のポケモンへの攻撃や妨害が飛んでくることもよくあります。倒して貰いたいけどこのターン隣のポケモンを無傷で盤面に残したい時に活躍するのが守るです。片方のポケモンは守るで待機させることで、安全に死に出しをもくろむことができます。

ターン経過で消滅する場の状態を1ターン消費するために時間を稼ぐ

これはもっぱらおいかぜやトリックルーム、天候やフィールド、壁のターンを消費するために使われます。特に素早さ順に影響を及ぼす場の状態はこちらがタイプ相性上不利だとポケモンを安全に動かすターン数を増やされてしまいますし、守る無しだとそのままゲームエンドという展開になりがちです。
また、ねこだましと併用するとより時間を稼ぐことが可能です。

特性でサポートするポケモンが1ターンでも生存するとお得なのでまもる

特性:フレンドガードを持つピッピやイッカネズミのように、特性で味方の耐久を上げるようなポケモンは場に存在するだけでもアドバンテージを得ることができるので生存させるためにまもる動きが強力です。
代表例ですが環境クラスを経験していた袋叩きイッカネズミ+コノヨザルの『コノヨイッカ』です。

まもるを絡めた定番の動きとしては、
イッカネズミ:まもる コノヨザル:ビルドアップ です
この動き単体で見るとあくまでコノヨザルを強化するだけの動きに見えますがコノヨイッカには
イッカネズミ:味方袋叩き コノヨザル:ふんどのこぶし(威力250)相手1体ワンパン
(次のターン)
イッカネズミ:この指とまれ コノヨザル:ふんどのこぶし(威力250)
の強力な筋があり相手側はイッカネズミの行動より先に動いて阻止する前提があります。この際にイッカネズミへの集中攻撃を想定してまもるを切る動きが光ります。またフレンドガードは味方のダメージを75%に軽減する効果を持っておりコノヨザルが倒されにくくなってます。更にふんどのこぶしの強化もできるので守るを切ってもまぁまぁ損をしない選択肢にはなっています。

タイプ相性や盤面の状況が悪すぎるといくらまもっても好転しない

ここまでまもるの基本について紹介しましたが、最後に一つ。
対戦をやっていると偶に相手が強すぎて守るを押し続けて負けることがあったりします。対戦後に振り返ってみるといやあの選出良くなかったな!ってなりがちです()
まもるを使っても数ターン何も起こせず負けてしまったといった対戦はタイプ相性上覆すのが困難な組み合わせだった、そもそも選出が良くなかった、マッチングの相性が悪かったってことであるのでそこは対戦外での苦手な点の整理のヒントにはなると思います。そこはシングルバトルのランクマと1シーズン中の試行錯誤と同じ流れじゃないかなぁ~って思ってます。深刻にとらえずに対戦をやっていきましょう。


守るの活用例 応用編

テクニック:相手の「まもる」を浪費させる

実は、まもるには裏技的な使い方があります。相手の守るを浪費させることです。あまり遭遇しないと思いますが知らないとそこそこの勝ちを取りこぼすことになるので紹介しておきます。

やり方は相手が守るを押すターンに場にいる味方で守るを押すだけです

これは逆転するためというかは終盤有利な局面で勝ち確定に近づけるシーンで使われているテクニックです。相手としてはまもるを切って味方に攻撃するのが唯一の逆転手だったのに守られる状況にはなります。注意点としては最後に守るを使うと失敗するという点です。(相手が素早さ関係上不利な時点でこちらが有利なのですが)

因みにですが、このまもるの使い方は今までは説明した状況打開のまもるではなく、現状維持を目的としたまもるであります。現状維持のまもるの例としては、自分が展開した天候やおいかぜといった場の状態が解除されるターンに守ることでもう一度天候やおいかぜを展開する準備をするような使い方があります。
個人的には、一応まもるミラーの際にはこういうことが起こせるんだよ〜とか打開以外でも守るを使えるんだよ〜ってことで紹介した次第です。

まもるのメタ技?

まもるもちゃんと対策になる技や特性があります。正直言うと技スペースの兼ね合いで採用しにくかったり覚えるポケモンが限られてる技ではありますが、最後に例をあげて終わりにします。

・まもるしていない時にちょうはつをあてる(場持ちを意識してまもるを覚えたフレンドガード持ちやこの指とまれを採用したサポーターに特に刺さる)
・まもるをした後のポケモンに先制してアンコールをあてる(まもるをアンコールされてしまうと最短でも2ターン無防備になる可能性がある)
・ふういん(ふういんを使ったポケモンがいる限り使い手が覚えている技が発動できなくする技。まもるを封じる際にまもるとふういんが必須で技スペースを多く使うのが難点)
・フェイント(まもる状態を解除する技としては優先度が高い。過去トリル特化や超高火力を出力できる相方がいる構築において採用されるケースがあった)
・ゴーストダイブ(一部のゴーストタイプが消去法で使っている。まもる状態を解除できるものとしては高火力技。)
・ウーラオス(ふかしのこぶしで接触技でまもる状態を無視できる。まもるで盤面を組み立てるプランを壊したポケモン。レギュHでは使用不可)

最後に

まもるに関して素人ながら知ってる範囲でダラダラ話してきました。こういう自分もまもるの使い方はまずまずで裏目を引いて負けるなんてことはよくある身の上です。まもるの使い方に関しては大会の映像を見ると結構参考になるかなとおもいます。

個人としては『ダブルバトル=まもる』のイメージが強いのかなぁという印象があって第二弾としてまず「まもる」の話を出してみました。よく分からなかった人でもシングルバトルのように全体的な対戦の本流があってその応酬を組み立てるためにまもるを活用した動きもあるんだな程度に捉えてくれると嬉しいなぁとおもっております。

次回の第3弾までは何を書くかは考えていまして次は「ねこだまし」について話す予定です。筆が若干遅いので首を長くして待っていただけると幸いです。ではでは🙌

いいなと思ったら応援しよう!