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【東京五輪をも動かした】マイノリティが社会を変えるには?|PLAYER's File #003

こんにちは!「一緒になってワクワクし、世の中の問題に立ち向かう」プロトタイピングチーム・PLAYERSです。

この連載では、世の中の問題に対して傍観せず、解決に向けて自ら取り組む「PLAYER」が集まった「PLAYERだらけの世界」を目指すわたしたちが、いま活躍中のPLAYERをご紹介していきます。

第3回のPLAYERは、NPO法人インフォメーションギャップバスターの理事長として活動している伊藤芳浩さんです。
伊藤さんはNPOで、聞こえる人と聞こえにくい人、聞こえない人をつなぐ電話リレーサービスの公的サービス化などに取り組んだ経験があります。
また、世の中に存在するマイノリティ自身が、マーケティング手法を活用して社会問題を解決する手法を解説した話題の著書『マイノリティ・マーケティング ──少数者が社会を変える』(ちくま新書)を出版しました。

今回は、PLAYERSメンバーの平岡(聴者※)と中川(視覚障害者)が、手話通訳を介して伊藤さんに貴重なお話をうかがった模様をお送りします。

聴者(ちょうしゃ)...聴覚に障害のない人のこと


写真:伊藤芳浩さん

伊藤 芳浩(いとう よしひろ)
手話を第一言語とするろう者・コミュニケーションバリアフリーエバンジェリスト。NPO法人インフォメーションギャップバスター理事長、認定NPO法人DPI日本会議 特別常任委員、一般社団法人遠隔手話通訳協会理事、デジタル庁認定 デジタル推進委員、ICTアクセシビリティアドバイザーを務めている。電話リレーサービスの公的サービス化や、東京オリンピック・パラリンピック開閉会式放送への手話通訳導入など、聴覚障害者のアクセシビリティ向上に取り組んでいる。


NPO法人インフォメーションギャップバスターのはじまり


平岡:NPO法人インフォメーションギャップバスター(以下「IGB」)を立ち上げたきっかけを教えてください。

伊藤:IGBは、主に聴覚障害者が中心で、全国各地に会員が約100名ぐらいいる団体です。
本団体は、聴覚障害者などの当事者の団体というよりは、情報格差やコミュニケーションが上手くいかなくて、仕事や生活に支障が出ているというような問題に特化して活動することを目的に設立しました。コミュニケーションが上手くいかない原因は色々あるのですが、大抵、相手の無理解・無意識・思い込みがバリアとなっています。聴覚障害に対する無理解や無関心だったり、コミュニケーション手段に対する無理解だったり、あるいは、思い込みとか誤解があったりです。これらのことを【コミュニケーションバリア】と呼び、それを解消するために活動をしています。
団体設立時から、当事者の意見だけでなく、社会全体の視点から考え、社会問題に対して解決策を提案するため、「マイノリティ・マーケティング」という考え方を持って活動してきました。そういった方法で、実際に様々な社会問題に対してチャレンジをしてきて、いくつか達成できたことがありました。

平岡:書籍を執筆されたのはそこからですか?

伊藤:はい、マイノリティの人が、自分たちだけでは社会に声が届かなくて、なかなか解決が難しく壁にぶつかってしまうような問題に対して何か役に立つ方法を提示することができればという思いから、書籍※の執筆に至りました。

※2023年3月発売 『マイノリティ・マーケティング ──少数者が社会を変える』(ちくま新書)


小さなつながりからモチベーションが燃えはじめた


平岡:政治に関わって法律や制度を変えていくことで社会を変える、という行動のきっかけや熱量の持ち方について教えてください。

伊藤:IGBでは、初めは政治家のかたとの関わりは考えていませんでした。
NPO法人AlonAlonの理事長で「障がい者の自立のために所得向上をめざす議員連盟」の事務局を務めている那部智史さんとお会いし、お話をしたことがありました。
那部さんの経験談を通して、当事者のスキルアップと周りに対する理解促進だけでは社会の本質的な部分は変わらず、社会問題の根本的な解決というのは難しいと気づくことができました。
ただ、わたしたちは政治の素人です。政治家のかたとの関わり方もわかりません。そこで、まず那部さんに紹介していただいた方と繋がって、そこから少しずつ関係を広げました。

わたしたちは政治に対して疎いところもあります。その分政治家のかたにいろいろとお話を聞いていただき、当事者としての気持ちを受け止めていただきました。そして、そういった話を聞いてくださる政治家のかたに対して感動を覚えました。
わたしたちは小さい団体かもしれませんが、きっちりと意見を出して交渉していけることは大きな自信となりました。

平岡:那部さんとのご縁が、いろいろな方につながったのですね。

伊藤:そうなんです。
繋がりが広がる中で感じたのは、当事者自身が、解決策を具体的に提示していくことの大切さだと思います。議員さんと繋がるとき、わたしたちは困っているんです!という問題を訴えるだけでなく、解決策を提案して一緒に考えていくことで、政治家のかたもより話を聞いてくれるのではないかと思っています。

平岡:全く繋がりのない状態からもう一度始めるとしたら、どうしますか。

伊藤:Facebook、LinkedIn、Twitterといった様々なSNSを使用して積極的に人との繋がりを作ったり、イベントや異業種交流会に参加したりすることで広がっていくのかなと思います。わたしも那部さんとはFacebookの友達申請がきっかけでお会いすることができました。


役に立つサービスを公的インフラに

電話リレーサービスとは?
電話リレーサービスとは、聴覚障害者、難聴者、発話困難者(以下、きこえない人)と、きこえる人(聴覚障害者等以外の人)との会話を通訳オペレータが「手話」または「文字」と「音声」を通訳することにより、電話で即時双方向につながることができるサービスです。
https://nftrs.or.jp/

平岡:電話リレーサービスの公的サービス化に向けた活動は、どういったきっかけで始められたのでしょうか。

伊藤:聴覚障害者は、職場でのコミュニケーションの問題で昇進が難しかったり、会社で孤立してしまい退職や転職に繋がったりという話が聴者に比べて多くあります。
そういった問題を解決したいというのが団体設立のきっかけとしてありました。当初は、職場におけるコミュニケーションバリアだけを扱っていたのですが、会員の声を聞くと、本当に様々な場面において、コミュニケーションバリアがあることに気付きました。その1つに、電話をかけて、用件を伝えたり、相談したり、手続きをしたりすることができないことがありました。それで、友人や家族に代わりに電話をお願いしたりしていたのですが、微妙なニュアンスが伝えられなかったり、必要な時にすぐ電話してもらえなかったりともどかしい思いをしていました。そんな中、日本財団の電話リレーサービスモデルプロジェクトが始まりました。これは、聴覚障害者の電話リレーサービスのニーズを調査することを目的とした試行サービスだったんですが、実際に使ってみたところ、素晴らしく役に立つサービスだということを実感できました。

しかし、そのときはまだ公的なインフラではありませんでした。例えば、24時間365日は使えませんでした。そういった状況を知り、電話リレーサービスの公的サービス化という活動を開始しました。その中で、「マイノリティ・マーケティング」を活用し、実現につなげることができました。


視覚障害者と聴覚障害者が感じる働きにくさの違い


平岡:書籍に書かれていた「聴覚障害者の給与額は他の障害種別に比べて低い」ということをまったく知らなかったので衝撃的でした。

伊藤:聴覚障害者はコミュニケーションが難しいことで、なかなか仕事の機会を作ることができないことがあります。周りの話がリアルタイムでわからないと、自分の意見を伝えたり、提案をすることができず、PRしたり仕事をとったりするチャンスを逃してしまいやすくなります。
その結果、評価の機会を失い、積み重なると聞こえる人と差が開き、給料の差が生まれてしまいます。

平岡:視覚に障害のある中川さん自身も、コミュニケーションの問題とは違った面で働く上でのストレスを感じているところはあるかと思います。この点に関して疑問に思うことなどありますか。

中川:視覚障害の当事者である自分自身や周囲の視覚障害当事者の状況に関してばかり耳にしていると、聴覚障害者は目が見えるから仕事はできるだろうという思い込みがあるとすごく感じました。書籍を読んだときに、自分が知っていることと現実との違いに驚きました。

平岡:視覚障害者と聴覚障害者はそれぞれ異なるポイントで働きにくさを感じているのかなと思います。やはりコミュニケーションがお仕事のうえでは一番大きいのでしょうか。

伊藤:そうですね。わたしの会社にも視覚障害のある社員がいます。
例えば、ホームページや文章、資料といった形での情報共有に関しては、アクセシビリティが足りていない場合に情報を得られないことが大きな問題かなと思います。
一方、聴覚障害のある社員は、ホームページや文章、資料といった視覚的な情報は自分で見つけて読むことができる人が多いものの、会話やコミュニケーションの中でリアルタイムに得られる情報は少ないです。

情報を得る方法やタイミングに両者の違いがあるかなと思います。もちろん働く上ではどちらも重要なポイントです。ただ、仕事を進める上では、やはりコミュニケーションが特に大事なのかなと思います。

平岡:働いたり生活したりする上でコミュニケーションは重要ですよね。

伊藤:聴覚障害者にとってコミュニケーションの一番大きな問題は、自分が伝えたい情報量と相手が実際に受け取れる情報量とに差があることです。
情報を目で見ることができないので、伝えたいと思った情報量が伝わっているのか確認することができません。逆に、伝えたい情報量を全て受け取っているか、言っていることをきちんと理解できているかどうか、判断が難しいわけです。
なので、聴覚障害者に限らず、コミュニケーションはすごく難しい問題と言えます。


活動の熱量が生まれたターニングポイント


平岡:IGBの活動の中で「これはいけるぞ」と思われた瞬間やターニングポイントはありましたか。

伊藤:以前、わたしの友人がボートの事故にあい、転覆してしまいました。そのときまだ電話リレーサービスは正式なサービスとして始まっていない段階だったので、本来であれば緊急通報は対象外でした。当時は、先ほども話した、日本財団の電話リレーサービスモデルプロジェクトが試行でサービス提供をしていたので、緊急通報まで責任もって提供が難しいという状況でした。

しかし、人命優先のため特別に対応していただき、電話リレーサービスを通して海保を呼び、無事救助できました。救助された人がわたしの友人だったということもあり、そのきっかけからも大きな熱量が生まれ、活動を後押しした大きな要因となったと言えます。

平岡:必要なインフラが整っているということは素晴らしいですね。

伊藤:はい。わたし自身は緊急通報の経験はありませんが、急ぎの要件があったとき深夜2時半に電話リレーサービスを使用したことがあります。
深夜であるにもかかわらずオペレーターが対応してくれたのには、感動を覚えました。「いつでも連絡することができること」はわたし自身の経験を踏まえて、とても安心だと思いました。


目に見えないことを「伝える」難しさ


平岡:社会全体を巻き込んでの世論形成にあたって苦労されているポイントはありますか。

伊藤:マイノリティの問題や障壁があることを社会に気づかせることが「マイノリティ・マーケティング」で一番のポイントになります。そして、それを社会にアピールするためのコンテンツは、社会全体に共感していただける内容である必要があると思っているんです。
みなさんが興味を持ってくれないと、気づきも与えられません。

みなさんに共感していただくために、様々な努力をして今現在も活動を進めています。その中でも特に苦労するのが、わたしたちの困りごとの1つである「受け取っている情報量が少ないこと」を理解してもらうのが難しいということです。

言葉を文字に変えることができれば、情報量がわかりますが、会話音声だけではわかりません。すると、どのくらい受け取った情報量が減っているのかがわかりづらいです。
自分は100%伝わっていると思っていたけれど、実際は50%しか伝わっていなかったという例もあります。

これを社会に理解してもらい、共感してもらうためにはどのような方法がいいのか。
例えば、先ほどの電話リレーサービスの場合のように、命に関わることだとみなさん共感できると思うんですよね。このように共感していただけるコンテンツを生み出すのにとても苦労しました。

平岡:「情報がどのくらい伝わっているかわからない」というのは、例えばコミュニケーション方法に配慮がなかったりすることが原因なのでしょうか。

伊藤:そうですね。これは聴覚障害者の特徴だと思うのですが、困りごとが可視化されづらいので、理解してもらうことがとても難しいんです。
そのため、どのように社会にわかってもらえるのか模索しながら発信しています。

平岡:聞こえない・聞こえにくいことを「見せる」のはとても難しいですね。
視覚に障害があると相手の表情が見えず、また違った意味でどれくらい情報量が伝わっているかわかりづらいかなと思ったのですが、中川さんはいかがでしょうか。

中川:そうですね。Webカメラ越しにオンラインで話していると、僕の表情は相手から見えているのに、僕から相手の表情が見えません。
今、僕の声は伊藤さんに聞こえていなくて、伊藤さんからの言葉は、手話通訳を通しているのが不思議な感覚です。
普段から見られていることを意識して話すのは、カメラにちゃんと向かう意識をもちつつも、どう映ってるのか自分ではわからない。
ちゃんとできてるのかなっていう気持ちになったりしますね。

平岡:なるほど。伊藤さんは、手話通訳者の方を通して情報をやり取りすると、ちゃんと言葉が伝わっているのか、情報は欠落していないか、意図した通りの内容に通訳されているか、といった不安な点があるんですね。

伊藤:そうですね。不安は多少あるものの、手話通訳者を信頼するようにしています。
しかし、いつでも手話通訳がついているわけではありません。例えば、電車で人身事故があったときには、駅や車内でアナウンスが流れると思いますが、手話も文字情報もないことが多い。すると情報ギャップが起き、タイムラグも生まれてしまう。
この辺りも一般の方々に理解していただくのが難しい面ではありますね。
そういう困りごとを説明すると、「なるほど」とその時は理解はしていただけるのですが、その後は、すっかり忘れてしまって、再度説明しないといけないこともたびたびあります。動機付け、意識付けが難しいです。

平岡:情報格差について、効果的だと感じたアプローチや、あまり響いていないな、と感じていることはありますでしょうか。

伊藤:そうですね。先程も少し触れましたが、命に関わることはわかりやすい内容かと思います。聴者の日常生活の中で、気がつくような身近なテーマに結びつけられたら通じやすいのでしょう。

平岡:一般の方へ広く認知拡大というのはどのように行おうと考えていますか。
先日、Twitterで「電話リレーサービスを使ってお店を予約しようとしたが、お店の方が電話リレーサービスを知らず、営業と思われてすぐ切られてしまった」というつぶやきが投稿されていました。同じようなことは結構起こってしまっているのかなと思っています。

伊藤:これまで、電話リレーサービスのCMや新聞広告はありました。
しかし、聴者は自分ごとでないから頭に入ってこない。見たとしても、記憶には残らないのだと思います。

自分ごととして受け止めてもらうには、まず世間に興味を持ってもらう必要があります。例えば、テレビドラマの中で実際に電話リレーサービスを使用してお店を予約するシーンを出すとか。実際使っている場面を見せることは、良いアピールになるのではないでしょうか。


平岡:書籍の中で、「世論を盛り上げるために言葉を生み出す」というお話がありました。1人1人にフォーカスを当てることと、言葉を作って象徴化することのバランスの取り方についてお考えを教えてください。

伊藤:象徴化することを、わたしたちの団体では「ラベル化」と呼んでいます。
ラベル化によりその人のことを捉えやすくなる面はありますが、そのラベルに含まれない人たちが、「自分たちは関係ないんだ」と感じてしまい、分断を生み出すリスクもあります。
人間に対してラベル化するのではなく、現象や出来事に対してラベル化をするのがいいのかなと思うようになりました。

似たような考え方として、「ペルソナ・スペクトラム」というものがあります。Microsoft社でインクルーシブデザインを担当しているMargaret Price氏が提唱したものです。これは、対象となる人の属性でなく、動機やコンテクスト、能力、事情などをグラデーションのように捉え、考えていく手法です。
このようにバランス良くコンテンツを作っていくことが、世論に訴えるために大切なアプローチとなると考えています。

平岡:聴覚障害当事者として、自分に聴覚障害があることをどのように社会に知ってもらいたいですか。

伊藤:わたしはいつも自分個人のことは話さずに、社会側の視点に立って話すように努めています。
個人的な事情を説明すると、どうしてもその人固有の問題になってしまいます。社会全体として考えて説明していければ、多くの人を巻き込むのに非常に効果的だと思います。

平岡:聴者側に期待することや、やってほしいアクションはありますか。

伊藤:相手に通じているかどうか常に気を配ること、発言する機会を常に作ることです。
言い方を変えると、マイノリティに対する思い込みを持たないで、関心を持って、理解するように努めて欲しいと思っています。


デフリンピック2025 日本開催に向けて

デフリンピックとは?
身体障害者のオリンピック「パラリンピック」に対し「デフリンピック(Deaflympics)」は、ろう者のオリンピックとして、夏季大会は1924年にフランスで、冬季大会は1949年にオーストリアで初めて開催されています。障害当事者であるろう者自身が運営する、ろう者のための国際的なスポーツ大会であり、また参加者が国際手話によるコミュニケーションで友好を深められるところに大きな特徴があります。
https://www.jfd.or.jp/sc/deaflympics

平岡:2025年にデフリンピックが日本で開催されますね。何かアクションのご予定などありますか。

伊藤:はい。Panasonic社が挑戦している「アイ ワンネス(eye oneness)※」というプロジェクトのプロトタイプ開発に参加し、自分自身の体験を元にレビューをしたことがありました。
当事者としてデフリンピックに貢献する方法のひとつかなと思っています。

平岡:「アイ ワンネス(eye oneness)」とはどのようなプロジェクトですか。

伊藤:聴者と聴覚障害者とが協働して、新規事業創出に挑戦しているプロジェクトです。
一緒にスポーツ観戦などのエンターテイメントを楽しむことができるよう、社内外のさまざまなビジネスコンテストに挑戦しているそうです。

平岡:素敵な取り組みですね。

伊藤:わたしもそう思います。特に素晴らしいと思ったことは、このプロジェクトには聴覚障害当事者も参加しているところです。
このプロジェクトで目指すべき姿は、聴者と聴覚障害者とが共にエンターティメントを公平に楽しむことができることです。このプロジェクトは、インクルーシブ社会の実現に一歩近付く、大きなきっかけとなるでしょう。
2025年に東京で開催されるデフリンピックでもこの取り組みが活用されることを期待しています。

平岡:2025年のデフリンピックで活躍を見られるのが楽しみですね。

アイ ワンネス(eye oneness)...パナソニック株式会社 ゲームチェンジャー・カタパルトが検討を進める「耳が聞こえない人/聞こえる人が一緒にスポーツ観戦を楽しめるサービス」
https://spready.jp/projects/1913


伊藤さんが目指す理想的な社会の状態


平岡:最後に、伊藤さんにとっての理想的な社会はどんな状態ですか。

伊藤:マジョリティとマイノリティがお互いに歩み寄り、社会を変えていけるような状態です。

今の「インクルージョン」は、どちらかというとマイノリティをマジョリティの中に入れるという考え方が多いと思います。
そういった考え方から抜け出し「お互い歩み寄ろう」という考え方が主流になってほしいです。マイノリティもマジョリティも関係なく、アイデンティティや関係性を良いものに変えていく、社会全体のさらなる成長を目指す「トランスクルージョン」が理想の社会と考えています。

写真:参加者全員がIGBポーズを取っている集合写真
IGBポーズの集合写真


・ ・ ・ ・ ・

以上、伊藤芳浩さんのインタビューをお届けしました。
もし、「PLAYERだらけの世界」を目指す私たちの活動に共感した方がいらっしゃればこちらのフォームから気軽にご連絡もいただけると嬉しく思います。それでは、次回のPLAYER’s Fileでお会いしましょう!

また、PLAYERSではこのような紹介記事ならびに、最新の活動内容や進行中のプロジェクトを中心に、ぜひ注目して欲しい世の中のニュースやトレンドなど、皆さまが「PLAYER」としてワクワクしながら生きていくために役立つ情報をお届けるメールマガジン『PLAYERS Journal』を定期配信しています。よろしければ以下より購読のご登録をお願いします!


Writer:本間 あや
Editor:大平 文音
Interviewer:平岡 美樹・中川 テルヒロ
Coordinator:本間 あや
A11y Dircotr:上田 昂輝
Text corrector:池之上 智子・本間 あや



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