PLAYER'S INTERVIEW #02|モリモト シンイチ
こんにちは!「一緒になってワクワクし、世の中の問題に立ち向かう」プロトタイピングチーム・PLAYERSです。
チームメンバーとして活躍するひとりひとりへのインタビューを通じてPLAYERSの原動力となる個性を紹介する「PLAYER'S INTERVIEW」の2人目は、理事メンバーのひとりモリモトです。「後悔をバネにしながら、世界に大きなインパクトを与える。」を個人理念に掲げる彼について深堀っていきます!
モリモト シンイチ
個人理念「後悔をバネにしながら、世界に大きなインパクトを与える。」
マーケティングコンサルティング会社にて地方自治体などのプロモーション企画や販路開拓のコンサルティング業務を経て、Omnicomグループの外資系PRエージェンシーであるブルーカレント・ジャパンに入社。一般消費財、アパレル、食品、美容、自動車、IoTなど国内外のクライアントに対して、主にBtoCの戦略PRプランニングおよびディレクションを実施。その後、クリエイティブ×PRを実行する株式会社神谷製作所や「PR戦略立案」に特化したブティックである株式会社本田事務所に参画し、生活者インサイトを起点としたデジタル・リアルを横断したコミュニケーションを手掛ける。本業の傍ら、社会が抱える様々な問題にコンセプトデザインやプロトタイプ開発で解決へと導く、一般社団法人PLAYERSの理事を務める。2020年、情報リノベーションユニットである合同会社Looupeを共同設立。
日本PRアワードグランプリ 上海国際広告賞ファイナリスト。
まず、これまでの経歴についてご紹介いただけますか︖
平成生まれ、横浜市出身。高校卒業まで約15年間、ボーイスカウトで活動をしていたことが、社会貢献に関心を持つ1つのきっかけになったと思います。高校では陸上部に所属。大学では体育会の自動車部に入りました。当時、関東地区最下位の弱小チームだったのですが、自分が部長をさせてもらって、最終的に全国入賞までするまでになりました。人を巻き込みながら、楽しみながら目標に向かっていく、ということを、ここで学んだと思います。
↑ 自動車部時代のモリモト(…!)
そして、もともと広告やマーケティングに関心があり、大学でも専攻していたので、新卒でマーケティングのコンサル会社に就職しました。東北の震災の直後で、社会貢献に対する意識が高まって時期。最初に関わったのが沖縄の島らっきょうやタコライスの素といった、県産品や現地でしか買えないものを東京で販売し、地元の人たちの所得をあげるための仕組みをつくるプロジェクトでした。
その後、外資系PR会社に転職し、メディアを使って商品に目をむけること、人を動かすことに関心を持つようになりました。2019年に神谷製作所に入社し、現在に至ります。
https://kamiya-seisakusho.co.jp/
PLAYERSに加入したきっかけは?
8年前に参加した、販促会議という宣伝会議系のコンペで、PLAYERSリーダーのタキザワがワークショップをやられていて。そこでPLAYERSの活動を知ったのですが、実際に加入したのは2019年の2月。HPの「メンバー募集エントリーフォーム」から普通に応募しました(笑)。加入するハードルがめちゃ高いと思っていたので、頑張って志望動機を書いたことを覚えています(笑)。
というのも、ちょうどその頃、カンヌライオンズという広告賞に応募をしていて、まわりのエントリーと比べて、自分の社会課題への向き合い方が中途半端だと感じていたんです。
クライアントワークで身につけたPRやマーケティングの能力を、仕事と離れたところで社会のために生かしたいとずっと思っていたので、いいタイミングでした。
PLAYERS加入の前と後で、印象は変わりましたか?
外から見ていた時は、Google「Android Experiments OBJECT」や、LINE「LINE BOT AWARDS」など、アワードの受賞も多く、活動的な人がたくさんいる、アクティブな団体だと思っていました。
実際に活動をはじめて見ると、社会課題を使って自分たちをプロモーションするのではなく、知見やネットワークを使って、視覚障害をはじめとする社会課題に真摯に向き合い、社会実装を目指している団体だと分かりました。
↑ 先日あらためて策定したPLAYERSの理念
PLAYERSで印象に残っている活動や出来事は?
まずは2019年7月に行われた「ブラインドサッカー日本選手権」での「&HANDボランティア」体験会ですね。それまでイメージでしかなったものが実際に動いている瞬間に立ち会えたこと、そして困っている人がサポートを受け、楽しく過ごす経験を提供できたことが実感できて、PLAYERSに参加してよかったと心から思いました。
次に2019年9月に羽田空港で行った、ANAとの実証実験もよく覚えています。空港で困っている人とお手伝いしたい人をLINEでつなぐチャットボットである「&HAND」を筐体にしてロビーに設置したのですが、利用したい人が並んでいるのにシステムが動かないというトラブルに見舞われました。
↑ 羽田空港での「&HAND」実証実験の様子
しかし、大きな企業と一緒に社会課題解決に取り組む際には、企業側の視点からの発信の調整が必要であることなど、PR担当としても多くの学びがありました。おかげ様でこの時もかなりの数のメディアを集めることができたのですが、ちょうど同じタイミングで京急の脱線事故あり、あまり取り上げられなかったということもあわせて、印象的でした。
もう一つは昨年「視覚障害者からの問いかけ」をはじめたころ、よく聞いているラジオ番組のアナウンサーの方にワークショップに参加していただき、体験の様子をオンエアしてくれたことでしょうか。視覚障害者にとってラジオが一番身近なメディアなので、そこでワークショップの魅力を伝えられたことは、プロジェクトにおけるひとつの目標を達成できたという気がします。
PLAYERSでは具体的に何をしているのですか?
理事という立場でPRコンサルティングを担当しています。本業と同様に情報発信の戦略をたて、実行する役割です。2020年に「視覚障害者からの問いかけ」ワークショップのベータ版を、点字の日である11月1日にあわせてローンチしたのですが、ただのプレスリリースだと面白くないし、当事者の方にも参加してもらいたいという思いから、点字で作成しました。
ボランティアサークル「点訳きつつき」さんに協力してもらったのですが、点訳するとどうしても分量が多くなってしまうので、文章の要素を抜き出し、同音異義語がないように工夫したりと、いい経験になりました。点字新聞をはじめとする、関連メディアの記者にバイネームで50通ほどリリースを送ったところ、多数のメディアに取り上げていただきましたし、またワークショップに参加してくれる方もいました。
これをきっかけにPLAYERSの過去のプレスリリースへのアクセスも伸び、そうやって自分たちの活動にスペシャリティがあるということを、一番伝えたい人に伝えることができたのは、大きな成功体験でした。
PLAYERSでの活動が、本業にどういった影響を与えていますか?
ここ最近のSDGsのムーブメントの中で、本質を理解せず、ファッション的に社会課題を扱おうとするケースも業界では多く見受けられます。(環境問題となるとまた別かもしれませんが)もしPLAYERSに関わっていなかったら、自分もそういった危険な方向へ走っていたかもしれません。SDGsウォッシュと呼ばれるこういった行為が公になると、通常よりも大きな反感が生まれ、ステークホルダーからの信頼を失ったり、炎上リスクもあります。
PLAYERSでは、当事者の方たちと実証実験に取り組む機会も多くあります。どういう発信の方法がいいのか、どうしたら人を傷つけずにすむのかといったことを、例えば同じ理事メンバーで視覚障がい者でもあるナカガワから当事者としてのリアルな声を聞けることで説得力を持てます。
↑理事メンバーのひとり・ナカガワ テルヒロ(近日登場予定!)
メンバー同士で、時にはせっかくの楽しい気持ちに横やりを入れるようなことになったとしても、本質的で建設的な対話を通じて、ぶれずに真摯に社会課題に向き合っていく。そうやって備わったリテラシーの高さは、本業における自分の強みになっていると感じています。
本業とプロボノ、どうやってうまく時間を使い分けているのですか?
業種によるのかもしれませんが、僕は本業とプライベート、オンとオフの切り替えは特に意識していません。しいていえば、その日の体力や気分によって、タスクの大きさで作業を割り振るというやり方をしているくらいでしょうか。
例えば新しいアイデアを考えるという作業と、文章を書く作業があるとすれば、アイデアは先にやって、文章は夜やるとか。あまり深く考えていないのがいいのかもしれません(笑)
↑モリモトの働き方については、こちらも是非!
PLAYERSの現在の課題は?
やはり人手不足を感じるところですね。
よく誤解されるのですが、PLAYERSは何か特別な才能がある人が集まっているわけではなく、それぞれが自分のやりたいことを、自分のペースでかかわることができる場です。
「NASAの清掃員が掃除を通じて、人類が月に到達するプロジェクトを手伝っている」という話ではありませんが、どんな小さな作業や役割でもいいので、できるだけ多くの人に関わってもらいたいんです。
とはいえ、今いるメンバーたちのリソースをすべて使い切れているか、ということも疑問ではあります。メンバーひとりひとりの心にどう火をつけていくか。どうやって多くの人に共感してもらえるかを、考えていかなくてはならないと思っています。
今後やっていきたいのはどんなこと?(個人でもPLAYERSでも)
PLAYERSの活動では、世の中にもっと発信して、構想を形にしてちゃんとアウトプットしていきたいと思っています。自分たちだけでなく、企業や他団体と組んで、実装の数を増やしていきたいですね。そして本業とも何らかの関わりを持たせていきたい。カンヌにも出したい。皆で考える力を含めて、そのポテンシャルは十分にあると思ってます。
↑ イケノウエ同様にSOLIT!に参画するなど、活動の幅も広げている
個人としては、現在は1つの会社に属してはいますが、いろんな人や組織と仕事をすることが増えてきているので、新たに一緒に大きくしていく会社をみつけてもいいし、フリーランスにまた戻るということもあり得ると思います。
↑ そんなモリモトの思考が垣間見れるTwitterはこちら
未来のPLAYERSメンバーに対してメッセージをどうぞ
事業会社ではできないような、チャレンジが歓迎される場です。本当の意味でのPR(Public Relations)をやってみたい人。どういう情報発信をしたらステークホルダーにファンになってもらえるのか?一緒にゴールを目指していけるのか?を考えたいという人に、PLAYERSの活動はすごく向いているんじゃないかと思います。
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以上、理事でもあるモリモトのインタビューをお届けしました。インタビューをさせていただく身としても、いつも着実に自らの役割を高いレベルで遂行する彼の動機や考え方をあらためて知るとても良い機会になりました。
もし、彼の想いやPLAYERSの活動に共感した方がいらっしゃればこちらのフォームから気軽にご連絡もいただけると嬉しく思います!それでは、次回のPLAYER'S INTERVIEWでお会いしましょう!
また、PLAYERSではこのようなメンバー紹介ならびに、最新の活動内容や進行中のプロジェクトを中心に、ぜひ注目して欲しい世の中のニュースやトレンドなど、皆さまが「PLAYER」としてワクワクしながら生きていくために役立つ情報をお届けるメールマガジン『PLAYERS Journal』を定期配信しています。よろしければ以下より購読のご登録をお願いします!