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自由とは、自分の中にある

以前、クラウンの合宿をやった時、参加者の1人が書いてくれた感想です。

今回の私の目標は、舞台上で自由に動けるようになる。失敗を恐れずにチャレンジできるようになるだった。ここ3ヶ月くらいはずっとこの目標に向かってやっているくらい、これを達成するのに大きな壁を感じていた。

そんな状態で始まった合宿1日目はもちろんいつも通りの私で、正解を求めて行動をしていた。猫の鳴き声を使って笑わせるワークでは、頭の中で、「猫の鳴き声を上手にやらねば」「これは猫の鳴き声ではないのでは」なんて考えてた。
それでも色々やるうちにウケる瞬間があった。それは、作った音じゃなくて、自分の感情がそのまま乗った声を出せた時。その状態を長く続けることはできなかったんだけど、本当に心からの声が出せた感覚は確かにあった。また、その時の頭の空っぽ具合も感じることができて、自分の枠のキワに居る方法を少し掴めた気がした。フィードバックでは「完璧な状態でないと舞台に上がってはいけないわけではない。扉を閉めて控え室に戻らずにそのままそこに居ること」と言ってもらった意味が腑に落ちていた。
そこから1日、2日と少しずつ、自分のキワに立つこと、今の自分の音を出すこと、頭を空っぽにすることができるようになっていった。それに連れて、どんどんどんどん舞台に上がることが楽しくなったし、みんなからも「どんどん常識から外れてきたねー」なんて言われるようになった。

でも今思うと、まだ「何とかこの場をこなすことができた」ていう感覚が残っていたと思う。なぜなら、3日目でうまくいかなかった時に、これまでと同じように自分の頭の中に逃げてしまったから。
2日目までは、自分のいいところや次の行動を忍翔さんが指示してくれて、それにある程度従って動くことができた。言うなれば私にとっての正解が提示されているようなもので、安心感がかなりあった。
でも、3日目のワークはレベルが上がって、自分でお客さんの反応をキャッチして自分で次の行動を選択していく必要があった。その瞬間私は頭で考えてしまったし、その場に生きることができなかった。

そんな状態の私を見かねた忍翔さんが、遂に私を一人で舞台に上げた。
「何もしなくていいから、お前のままそこに立て」と。
めちゃくちゃ怖かった。それは自分をさらけ出さなくてはいけないことがわかっていたから。自分を提示することがとてつもなく怖かった。普通の自分、本当の自分、それは提示するものじゃなくて隠すものだった。だから初めは、泣きそうな自分を堪えたし、自分の話をすることにも抵抗があった。
でも、泣き方を始め表現の仕方を工夫する中で、こんな私を笑ってくれる瞬間があった。その瞬間不安もあったけど、笑われた後の私はすごく落ち着いていて、心が軽くなってた。そのまま少しずつ前に進んで、ある線を超えたらめろのステージだから扉を開けて入ってくるように言われた。ずっと行きたかった場所、欲しかった自由が手に入るんだと思って、意を決して扉を開けて中に入った。
入ってすぐに不安になった。それは、私のステージに入るための扉がすごく軽かったから。そして私のステージは、きらびやかでも夢の国でもなく、何というか、ただ私がいるだけの、私のステージって感じだったから。私はこのワークをきちんと遂行できているのか、リアリティを持って私のステージを感じ取れているのだろうか。そんな不安がよぎった。それでも何とかみんなの顔を見て、自分の話をして、不器用で真面目じゃない私を愛して欲しいって伝えた。そしたら、みんなが私をハグしてくれた。全員が味方だった。
その瞬間、3日間やってきた、自分の枠の外に出ることとか笑われることが一気に繋がった。突拍子もないことをやるんじゃなくて、奇抜な発想を提示するわけでもなくて、自分が知らない「自分」を知っていくことが枠を超えていくってことなんだと。自分の枠から飛び出した自分も、自分でしかないんだと。今の自分をありのままの自分が理想の自分なんだと。

だから、私が夢に見た自由の国は、夢の国でも異世界でもなくて、私が私でいるだけで成立するものだった。
この事実に気付くのに、随分長くかかった気がするけど、ゆーてまだ24歳。人生これから。全力で生きていきたい。

そんな彼女は会社を辞め、独立し、今では様々なカンパニーを裏で支える敏腕アシスタントになりました。

彼女がいうように、皆が求める「自由」というのは、どこか果てしない遠い国にあるのではなく、既に自分の中にあるものなのです。
でも、皆それに気付かない。うまくならなきゃ(自分には何もないから)、何かにならなきゃ(自分には何もないから)、頑張らなきゃ(自分には何もないから)…と、常に自分が思っているから。

自分は既に持っている。十分である。そのままで、ありのままで愛されるし、輝くことが出来る。

クラウンとは、そのことを体感出来るワークなのです。

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