【レポート】和歌浦合宿「潮みちくれば」を開催いたしました!
こんにちは!
株式会社プレイバック・シアター研究所の向坂くじらです。
去る5/3~5/5、和歌浦合宿「潮みちくれば」無事終了いたしました!
もともと、2020年のゴールデンウィークに企画したこの企画。コロナ禍に見舞われて二度の延期を経ながら、2022年、ついに実施することができました!
もともとゴールデンウィーク恒例であったプレイバック・シアター研究所の合宿ワークショップ。じつは、筆者含め、現行のワークショップ事業部での合宿企画はこれがはじめてでした。それがいきなり延期になってしまい、二年越しでの開催。わたしたちスタッフにとっても特別な合宿になりました。
コロナ禍にあったこの二年間、わたしたちは主にオンラインワークショップの開発に力を注いできました。じつは、それまではまったく未知数だった領域でした。はじめは想像もできなかったことでしたが、いまでは平日はほぼ毎朝オンラインワークショップ「あさらぼ」から一日がスタート。新しいワークショップも毎月のように生まれています。
オンラインのワークショップのいいところは、住んでいる地域に関係なく参加していただけること。和歌山で開催した今回の合宿には、関東からのお客様と同じくらい、関西のお客様が集まってくださいました。二年前の合宿を企画し、そして延期になったときには、まだ一度もお会いしたことのなかった皆さんです。
その皆さんが、昔から(わたしが研究所に入るよりずっと前から)研究所と関わってくださっている皆さんと一緒に表現をし、寝食を共にし、オンラインを飛び出した肉体でもって同じ空気を吸っている。その光景は、まだまだ研究所に入ってそんなに経っていないわたしにとってさえ、なにかじんと胸に迫るものがありました。
おかげさまで、久しぶりの合宿ワークショップでありながら、満員御礼での開催となりました。心よりお礼申し上げます。
もともとゴールデンウィークは羽地朝和によるプレイバック・シアターの合宿でした。今回はそこに、岩橋由莉(表現教育家)・五味ウララ(即興パフォーマー)・向坂くじら(詩人、筆者です)という別ジャンルの講師が加わったことも、新しい試みでした!
今回の合宿の隠しテーマは、「場と出逢う、人と出逢う」。初日には、お互いに知りあうワークをしたあとプレイバック・シアターを楽しみました。
翌日は「和歌浦ぶらぶら歩き」を実に三時間も!
風光明媚なお参りアミューズメント・ゾーン(参加者談)和歌浦の自然と歴史を堪能しました。
そのあとは詩と朗読のワーク。これまでオンラインでやってきた、わたしが詩作のワークをしたあとに岩橋由莉さんにバトンタッチして朗読で発表する……という流れをついに対面でできて、感動でした!
オンラインで書くこと、声を聞くことに慣れつつありましたが、やはり身体があり、間合いがあり、息づかいや体温まで聞こえてくることの説得力といったら!(個人的には、もともと羽地さんとゆりさんのファシリテーションの熱烈なファンでもあり、その三次元的な魅力を久しぶりにじっくり味わえたのもまた! 大変贅沢! でした!)
そして、三日目の最終日には「和歌浦芸術区」へ。
木村屋さんからほど近いこちらの施設は、廣瀬茂之さんという方がおひとりで元高級料亭の建物を改装して造られ、運営されているんだそう。
ふだんは映画の上映などをされているらしい立派な劇場があり、今回はなんと、ここで最後にプレイバック・シアターを行いました!
さまざまな表現の領域を横断しながら、初日にもやったプレイバック・シアターにもう一度帰ってきます。羽地さんのコンダクター(プレイバック・シアターの進行役)は、「こういう(ex.楽しかった話、家族の話、泣ける話、など)話をしてください」と指定することはありません。どんな話をするのかはまったく語り手に任されているのですが、語られる話はみな、出るべくしてその場に出てきている、というような存在感のある話ばかり。
同じ空間に居る以上、そして今回は特に三日に渡って同じものを食べ、同じ経験をし、同じ時間を過ごした以上、わたしたちはなにか言葉でないものを互いに読みあっているのだろう、と考えざるをえないような時間でした。語られるストーリーどうしは接触しながらすれ違い、誰かの話を聞いて「そういえば」と自分の人生を連想する。他人に対して耳を澄ませ、どうにか想像しようとすること、どうにかなにかを共有しようとすることのすごみを感じた三日間でした!
三日間の合宿、本当にありがとうございました!
引きつづき、対面・オンラインともにワークショップを企画していきますので、どうぞよろしくお願いいたします!
(向坂くじら)