「家で出来る演劇と岸田國士」_日野あかりの話
#家で出来る演劇 ディレクターの日野あかりです。
本番まであと2週間となりました。
企画自体突貫で立てたので、毎日が矢のように過ぎていきます。ぴゅー。
今日から、出演する俳優さんたちにもご協力いただき、稽古場レポート的な文章を載せていきます。
各々素敵な写真付きです。こうご期待です。
上演に至るまで
さて、今回の企画を立てた趣旨は、概要のところにさらっと書きましたが、もう少しじっくり書いてみようと思います。
#家で出来る演劇 は、正直なんの計画もなしに、ただ演劇したい!オンラインでも何でもいいよ!という想いのもとにスタートしたものでして、最初は「別に上演とか大それたこと考えず、いまこの瞬間に演劇したいんだよー。コロナ禍で何にもしないと演劇勘が鈍るから稽古したいよー。」という気持ちでした。
そこに賛同して、面白がってくれた皆さんがいてくれたおかげで、いろんな戯曲を扱うことができたり、MUのハセガワアユムさんとの稽古場公開企画をできたりしました。
その中で、考えたことが主に3つ。
①せっかく演劇に対して前のめりな俳優さんのコミュニティが小規模ながら出来たのだから、
面白い作品が上演できるのでは?
②それとは別に、コロナ禍で上演が延期・中止になったカンパニーにおいて、
俳優の立場って弱いよなぁ、自分がやるならそのへんちゃんとしたいなぁと思ったこと。
(今回は出演者と契約書を交わし、上演が中止になった場合やその他トラブルに対して
事前に「決め方を決める」ことをしました)
③with コロナの期間がかなり長期化するであろうことが想定される中、
その期間全く演劇活動をしないことで、自分は(主に精神的な意味で)生きていけるのだろうか?
この状況を踏まえて出来る方法を探す方が、性に合っているのでは?
それらをごちゃごちゃっと混ぜた結果、何人かの演出家さんにもお声がけさせていただいたり、相談したり、を重ね、今回の公演に至ったというわけです。
とはいえ、的な話
今回の上演のポイントは
①コロナ禍に対して、少人数・短時間の作品選定。及び劇場ではなく換気可能な空間を使用。
②俳優だけで作品作りをする。
という2点です。この二つは実はそんなに関係ないのですが、うまく説明が出来ていませんでした。
①は、今この環境に対しての防御策みたいなものです。もちろん「家で出来る」というコンセプトにも沿った形で上演したかったので、結果的に攻め、みたいな部分もありますが。
実は②の方がだいぶ攻めの策でして、これそんなにコロナ関係ありません。
ただ、俳優ってなんだろう、俳優の力量って何だろう。と思った時に、自分で作品を立ち上げられる、って結構強い力だなと考えたところから、演出家という絶対の指針を出す存在がいなくても、戯曲の解釈や見え方諸々、自力で何とか作品の形にしてみることに挑戦したいなぁ、と考えました。
趣旨に賛同して出演してくださる俳優の皆さんには大感謝です。想定よりもいい感じで、お互いに意見を出し合ったり、相談したり、作品の方向性を見出すことに成功しているんじゃないかと思います。
ぜひ出来にご期待ください。
Photo by 保坂萌