ホステルで、難民支援。STAY FOR TWOプロジェクト第2期
こんにちは!PRの小泉です。
PLAY&coでは、STAY FOR TWOという社会貢献プログラムを行っています。
STAY FOR TWOとは、弊社社員からの発案で開始した、1回の予約につき10円を寄付金とし、様々な社会貢献団体への支援を継続的に行っていく、「泊まること」が誰かのためになるプロジェクトです。第1期支援先には認定NPO法人 難民支援協会を指定し、寄付金は難民の方々の宿泊費や生活費として活用されました。
STAY FOR TWOを開始した際の記事はこちらからお読みいただけます。
第2期となる今回は、難民として日本に逃れてきていた方を2ヶ月間受け入れ、一時的なシェルターとしてベッドを提供しました。
名前の由来
STAY FOR TWOは、”2人のための宿泊”を意味します。
1人は実際に宿泊をするご宿泊者ご自身、もう1人は、宿泊料金を通じて支援を受ける1人。宿泊施設として、「泊まること」が誰かのためになる、社会貢献に繋がることで幸せが増える仕組みを作りたいという想いが込められています。
▪︎対象施設
STAY FOR TWOの対象施設は、以下の通りです。
Cocts Akihabara
住所:東京都台東区浅草橋5−2−7
FOCUS KURAMAE
住所:東京都台東区蔵前4-21-2
Glamping Tokyo 浅草
住所:東京都台東区浅草2-24-8
第2期では、難民の方にベッドを提供しました
今回は、第1期で寄付を行った認定NPO法人 難民支援協会より1名を紹介していただき、2022年12月から2ヶ月間、東京・秋葉原にある弊社運営施設Cocts Akihabaraで受け入れを行いました。
「難民」とは、「紛争に巻き込まれたり、宗教や人種、政治的意見といったさまざまな理由で迫害を受けるなど、生命の安全を脅かされ、故郷を越えて他国に逃れなければならなかった人々のこと」(UNHCR HPより)をいいます。
そして、日本にも難民として逃れてきている人々がいます。しかし日本での難民申請のプロセスは非常に長く、その中で住む場所に困ることも少なくありません。
PLAY&coのVISIONは、「世界とつながる場を作り、世界を変える出会いを創る」です。本来は出会わないであろう様々な人の人生が交差する場所、ごちゃまぜでボーダレスな空間から生まれる出会いが世界をより良くすると信じ、ホステル等の運営を行っています。
そんな私たちだからできる難民支援の形があるのではないか。そこで思いついたのが、Cocts Akihabaraでのベッドの提供でした。
Cocts Akihabaraはこんな施設です
Cocts Akihabaraは、「誰かのために、を日常に」をコンセプトとする施設です。
私たちの日々の選択は、思いもよらぬところで社会と繋がっています。環境に優しいアメニティの販売や、オールジェンダートイレの設置、イベントの開催等を通して、そんな一つひとつの選択を、自分だけでなく「誰かのために」できるようになるきっかけを提供しています。
Cocts Akihabaraでの生活
今回ホストしたのはRさん。
Cocts Akihabaraに所属している筆者は、2023年1月に彼女と出会いました。ジンバブエの出身で、日本に到着したばかり。ジンバブエの公用語は英語ですが、日本では思ったよりも英語を話せる人が少なく、言語の壁に戸惑っている様子でした。「友達作るの難しいね。」と悲しそうに言っていた姿は今でも忘れられません。
しかし、私たちスタッフが英語が話せるとわかるとホッとしたようで、その日から毎日一緒に過ごすようになりました。
「おはよう、今日は何してるの?」「家族と電話してるんだよ。話してみる?」といった会話に始まり、「明日は日本語教室に行くから、もう寝るよ、おやすみ。」と、夜寝るまで。
一緒に暮らす中で見えてきたのは、彼女の明るさ、そして皆を包み込む温かさでした。
ホステルには、色々な人が集まります。
共有ラウンジで過ごす事の多かったRさんは、ゲストにも積極的に話しかけ、あっという間に仲良くなっていきました。一人ひとりの個性をそのまま受け入れるRさんを、スタッフもゲストも次第に家族のように慕うようになりました。Rさんも「日本でこんなに子どもができるなんて(笑)」と冗談を飛ばしながら、優しく、時に(ちょっとだけ)厳しく接してくれました。
ホステルでの生活が始まってしばらくした頃、Rさんから「ちょっと相談をしたいんだけど、」と声をかけられました。
「与えられるだけではなく、私も何かしたい。」
彼女は母国では仕事があり、子育てもしていました。しかし、日本では難民申請を待つ間、支援を受けながら暮らすだけ。彼女自身の能力を発揮したり、自分から「与える」ことができないことに悩んでいたのです。そこで生まれたのが、ディナーイベント「ZIMBABWE NIGHT」でした。
食事をすることは、人が生きていく上で大切な要素の一つです。世界のそれぞれの地域に、多様な食文化が存在します。その土地の食べ物を知ることは、その人の人生を知る最初の一歩になるのではないか、と考えました。
そして、食卓を囲み、食べ物を、そして幸せを共有することでできる話があります。
「まずは、一緒にご飯を食べよう。」
みんなでお腹いっぱいになって、心を開いて話す、そんな会を企画しました。
ここからはイベント当日の様子をお送りします。(腹ペコの方は、美味しすぎる料理の写真に注意!)
ZIMBABWE NIGHT
開催日時:2023年2月2日
開催場所:Cocts Akihabara
当日は、ディナーに向けて料理を作るところからスタート。
サザ(本来はメイズ粉ですが、買えなかったためとうもろこし粉で代用)
チキンのシチュー
ほうれん草の炒め物
の3点を用意しました。事前に試作も行っていたのですが、この料理、かなり時間がかかります。
まず水の中に肉を入れ、水を足しながら長時間茹でます。その後に炒め、最後に水を入れてもう一度煮込みます。「焦げない?!もういいんじゃない?」と焦りがちな筆者に、「大丈夫、大丈夫、感覚でわかるんだよ〜」とのんびり答えるRさん。
「ジンバブエでは、手で食べるんだよ」というRさんに教わった通り、器用に食べるゲストとスタッフ。手で食べると料理の味も変わっていきます。手が料理に馴染んでいく感覚が面白くて、ついつい食べ過ぎてしまいました。
ここからはRさんの出番です。出身のジンバブエの文化や観光スポットについて、写真を交えて語ります。皆、行ったことのない国を想像し興味津々。美味しい食事と陽気な音楽で、ジンバブエやRさんについて理解を深めました。
そして、ここでRさんが本題に入ります。
全員の前で彼女が語り始めたことは、彼女の太陽のような明るい性格からは耳を疑うような話でした。
「私は、ジンバブエ出身です。夫と、美しい娘たちがいて、家族仲良く暮らしていました。しかし、家族を失い、私も命を狙われたため、日本に逃れてきました。」
参加者の表情が一変しました。皆にとって母親のような存在のRさん。誰も、彼女にそんな過去があったとは思いもしなかったのです。
「国を離れたくはありませんでしたが、苦渋の選択でした。また、日本とジンバブエは遠く離れています。なんで日本に来たのと聞かれることもありますが、実はきっかけがありました。
子どものころ、通っていた学校に日本からの団体がソフトボールを教えにきていて、そこで初めて日本という国を知ったんです。「日本は安全で、優しい人々が暮らす国なんだ」と思ったのを今でも覚えています。
ただ、日本に来てからは苦労の連続でした。
安全な国ではありますが、自分の居場所を見つけるのが本当に難しかった。東京でも英語を話せる人はあまりいないし、文化も何もかも違う。その中でCocts Akihabaraと出会ったのです。
ここでは、皆が家族のように接してくれました。想像もしていなかったけれど、ここが日本での私の『家』になりました。心から安心できる場所です。毎日がとても楽しかったのは皆のおかげです。本当にありがとう。」
勇気をもって彼女自身の人生について話してくれたRさん。参加者にとっても、どこか遠くに感じていた「難民問題」が、自分ごとになった瞬間でした。
「Rさん、話してくれてありがとう。あなたは勇気があって、強い人だ。みんなあなたのことが大好きだよ。」と目に涙を浮かべながら伝えた参加者も。
イベントの後も「でも日本で難民の話ってほとんど聞かないよね」「実際はたくさんいるんだね」「日本で難民の方たちはちゃんと守られているのかな、」「もっと勉強したいし、自分でも何かしたいな」と、参加者同士で話し合う姿が見られました。
「お金を渡すだけではなく、私たちも何かしたい」という思いから始まったSTAY FOR TWOプロジェクト第2期。ゲストもスタッフも巻き込んで多くの気づき、そして情熱が生まれた2ヶ月となりました。
最後に、イベントに参加された方の感想を紹介します。
執筆後記
現在、私は正社員として働いていますが、このイベントは、当時アルバイトとして企画したものでした。
Cocts Akihabaraには、「誰かのために、を日常に」というコンセプトに共感した、様々な社会問題に関心を持つスタッフが集まっています。そして、私自身も大学時代から難民支援を行っていたため、その経験を別の形でも活かすことができたことを嬉しく思っています。
アルバイト・社員に関わらず、自分の得意なこと、熱意を持っていることを活かすことができるのが、PLAY&coの面白いところでもあります。
あなたが情熱を持っていることはなんですか?
PLAY&coは、STAY FOR TWOによる支援を継続的に行い、より多くの人を巻き込んだプロジェクトを目指して活動していきます。
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