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第4回 子供たちの「小さなサイン」
今回は「成長期のスポーツ障害」についてお話ししたいと思います。
成長期のスポーツ障害をお話しする前に、まず成長期の骨の特徴についてお話を始めたいと思います。
成長期の骨では、骨と骨を結びつけるように軟骨が存在します。
(成人になると軟骨は骨に変わり、ひとつの塊になります)
この部分は「骨端線(こったんせん)」といい、成長期にはこの骨端線の軟骨から骨が作られ、骨の成長が起こるわけです。
しかし、このような特徴のために、成長期の骨は大変もろくなっています。
簡単に言えば、固い骨を柔らかい軟骨が結びつけているわけです。
そのため、スポーツなどで圧力が加わったり牽引力が加わったりすると容易にこの軟骨の部分が傷ついてしまいます。
膝のオスグット・シュラッター病
肘の内側側副靱帯損傷
踵のシーバー病(踵骨骨端炎)
など、代表的な疾患ですが、他にも様々な成長期の障害があります。
これらは、早期診断・早期治療で予後がかなり良好となります。
例えば、オスグット病は骨片が完全に遊離(離れてしまうこと)してしまい、時間が経つと(オスクル形成)痛みが残存しやすく、成長期が止まってから手術というケースにもなります。
他の疾患も同様に、早期の発見が遅れてしまうと痛みの残存や重症障害の原因にもなります。
スポーツをしている子供たちは、「小さなサイン」を発してます。
「大丈夫」
「まだできる」
「痛くない」
など、様々なことを我慢して続けてる子どもがいます。
そして、子どもは小さいながらも親の期待に応えようと無理をして頑張ります。
私も整骨院勤務の際、親に隠して練習・試合を続ける子どもたちを見てきました。
・親の期待に応えようと頑張ってる子どもを止めていいのか
・医療人としてケガのリスクを最小限にするために練習を止めるのか
すごく悩んだ時期もありました。
指導者や親御さまは、そのサインを見逃さず注意深く見守ってあげて下さい。
ひとりでも多くの子どもたちが楽しくスポーツができるように!
「止める勇気」も必要です
未来ある子どもたちのためにできることを
次回は「成長期のスポーツ障害」についてお話ししたいと思います。
広崎 哲也/Tetsuya Hirosaki
鍼師・灸師・あんま・マッサージ・指圧師
明治大学柔道部トレーナー(2002)
NTT -G Fukuokaラグビー部トレーナー(2003〜2013)
日野RedDolphinsラグビー部トレーナー(2014〜2016)
SuperFormula トレーナー(2013〜)
ボディケアマネジメント講師