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イベント「鈍行を捕まえてくれ」の開催
2020/02/02(Sun.)
先月、神戸の元町高架下で開催した展覧会「元町芸術高架下大学2020」のスピンオフ企画として、大阪でのパフォーマンスイベント「鈍行を捕まえてくれ」を開催しました。今日はパフォーマンス中心のイベントだったので、自分が今までやったことのない技を中心に構成しました。
▲メインビジュアル
鈍行の3人でのパフォーマンスではギターをメイン機材として使用してノーウェーヴのイメージでパフォーマンスしましたが音量バランスが悪く、僕の演奏はほとんど聞こえませんでした。途中で各々の担当装置をシャッフルするアイデアはパフォーマンスに良い緊張感を与えていました。装置の個性と操縦者の個性の組み合わせが変化することで、先の読めないパフォーマンスとなったのです。楽器のシャッフルはn夙川BOY’Sなどを参考にしました。
杉山さんとのインスタ実況では、東京にいる杉山さんとのネット中継でのパフォーマンスを実施しました。今までパフォーマンスの中でネット環境を使ったことがなかったのですが、前日までに東京ー京都間で事前に実験したので当日も自信を持ってパフォーマンスできました。杉山さんとのネット中継を使った活動は今後も展開していきたいです。
鈍行での2回目のパフォーマンスでは滑琴を持って会場の外へ飛び出し、LINEの通話機能を使ってギターアンプの音を会場に中継しました。これまでの滑琴のパフォーマンスでは、観客も野外に飛び出して一緒に町歩きをしながら滑琴のパフォーマンスを提示するか、ギャラリー空間の中で観客に座ってもらった状態で滑琴の弦を指で弾いてパフォーマンスしていました。
前者のパフォーマンススタイルでは、野外パフォーマンスによるダイナミクスは取り込めるものの滑琴で移動しすぎると歩行している鑑賞者から離れすぎて音が聞こえない問題があり、滑琴に乗って少し滑っては降りて鑑賞者が追いつくのを待っていました。これでは滑琴の積極的な演奏が難しいです。また後者のパフォーマンススタイルでは指で弦を弾いて発音するという構造が通常のエレキギターと同じになってしまい、滑琴の特徴を活かしきれていません。その点で今回挑戦した通話による中継では、鑑賞者はギャラリー内で音の情報を頼りに演走者の動きを想像することになり、通常の音楽とは異なる体験を提示できたと思います。
イベント終了後は鈍行のメンバーと反省会を開きましたが、今後のグループ活動の方向性について議論しました。まだ確実に歩みを揃えきれていませんが、共通の認識となったのがお互いの活動を充実させたのちにたまに合流するくらいの活動ペースにするということです。鈍行の活動でキャリアをあげようと考えるのでなく、それぞれが個人活動を通してキャリアをあげたのちに好き勝手に実験的な試みを混ぜ合わせる場として鈍行が機能すれば良いと思います。その点で今回の滑琴のパフォーマンス中継はまさに自分だけでは実現できない、鈍行ならではの試みが実施できたと思います。
FIGYAオーナーのmizutamaさんからも「鈍行では1人でできないことを実験する場として気楽に考えれば良い」とアドバイスをいただきました。最近真面目に活動しすぎていたので肩の力を抜いていきたいです〜