自撰十二首(平成三十年・五月)
【第九首】「寂しい」がサーバに集まって流れる画面を閉じて迎える電車
【第十首】より安くより強い酒が流行る世界で続ける命の連鎖
【第十一首】取り零すあれもこれもを拾おうとかがんだ胸から全てが落ちた
【第十二首】まずいので今日の電源切らなくちゃ誰か誰かと言いながら寝る
【第十三首】人格は気が狂っても溺れてもスパムに乗っ取られてたにできない
【第十四首】ただ生まれいやいや生きて死ぬマシン 私は人生棒に振り機か
【第十五首】父の目を忍び煙草に出たとこへ一面の星でウェーンて泣いた
【第十六首】本当のところなどとても言えない箇所に理由をつけた履歴書
【第十七首】内側に着替え置くのに内開き?とボヤく気もなく共用シャワー
【第十八首】古文書と化した履歴を無限回 訓詁学者の如く眺める
【第十九首】お前らの愉しみのため咲くじゃない花の命に殴られている
【第二十首】「でも今がどん底なら〜」と言う人の語彙に「二番底」追加しとくね。
—— PLATONIC HOTEL™
番号は前回からの連番。
書き溜めた短歌を纏めている。 #短歌