自撰八首(平成三十年・四月)
【第一首】からっぽでいるとこにまたやってくる春を迎え撃つ震えている手
【第二首】体温を護る居場所のあるひとが「明けぬ夜は無い」とか言ってくる
【第三首】ゼロ円で真冬の夜も生かす街 死んだ彼奴の建てていたビル
【第四首】貘さえもお腹を壊す白日夢 消化するのが人間という
【第五首】「疲れにはこれ一本!」と書いた瓶(※開ける力はある前提で)
【第六首】何もかもわからずポスト一杯の書類の山に責められている
【第七首】目に入る番号をがむしゃらに押し 保留が不意にやさしくて泣く
【第八首】酔狂や伊達で手を出す訳じゃない 煙りでやっと確かめる呼吸
—— PLATONIC HOTEL™
書き溜めた短歌を少し纏めた。 #短歌