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とりあえず落ち着こう
また一企業が、一個人に大変失礼なことをしでかした。
事の発端というか、その原因を遡ると、もはやそれは、ずっと以前から芽を出していることだった。非常によろしくない芽だ。
”目先の利益ばかり追い求めていると、こんなことやあんなことになりますよ。その上、現場の第一線で働いている子たちの心や身体が傷つきますよ。”と、簡単に言うとこういったことを口を酸っぱくして言い続けて来たが、どーも、糠に釘、馬耳東風。
過去、怒り心頭のあまり、ちょっと、話がありますけん!というのを上司にやって来たのだけど、ここはぐっと堪えて、当人と話してみた。『ちょっと、耳に入って来たんだけど、大丈夫?』と。
すると、この若い女の子は、『大丈夫。私、自分で言ってみます。』と。
よし、分かった。頑張れ。
数日後、ステーションでボスとその子がガチンコしていて、しかし、日本国籍でないため、さらには激昂するあまり、ますます言葉がわけ分からんことになっていたけれど、必要あれば通訳しようと思いつつ黙って聴いていた。
でも、ちゃんと論理的に話していた。
なんだかんだ言いつつヒエラルキーな企業で、自分の名誉や尊厳を守るためにきちんとモノを言うというは中々難しいところがあるのだろう。
でも、必要だ。でないと、集団というのは、古いままでいようとして、ただそれだけで、どんどん歪んで来ちゃうんだよね。
私は私で別の意味で頑張った。普段一生懸命頑張っている子が不遜な扱いを受けると、すぐ口を出してしまいたくなるものの、これは彼女の戦いだから、手出し無用。
結果、何も言わなかった場合の3分の1くらいは伝わったという状態。これは、もう、しょうがないよ。彼女は頑張ったけれど、あとは、受け取る側の容量や理解力の問題。そして、あちらが想像する以上に大きな問題だというのに、小さく見過ぎて、あとから騒ぐのが好きな人って、世の中には山ほど居るものだ。
”居るものだ”ってことは、この先も似たようなことが起こる可能性大なので、こちらがスタンバイしておくしかない。そう、いたずらに傷つくばかりじゃ、それもアホだ。
再三だが、腹が立つので本当は私も言ってやりたい。でも、彼女の戦いだ。敬意を持って引っ込んでいるんだぞ、私!どー、どー、どー。
とは言うものの、聴き耳を立てるだけでは落ち着かない。
二人がガチンコしているステーションの窓ガラスを、外側から、誰ーーーにも頼まれていないのに『はー、はー。』と息をかけ、丹精込めて磨いている私だった。多分、鋭い眼光で。
やっぱ、気が散って邪魔だったみたい。