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後悔したくない

新しく陽性になった人はいない。4日目の夕日。確か、この方向に富士山があるはず。

土曜日だというのに先生も診に来て下さった。クリニックの方ではドンドン陽性の方々が出ているそうで、発生届を出すだけでも疲弊されているとのこと。

先生は、この一週間、ろくに寝ていないし食べていない。チョコレートやお菓子で繋いでいるとのこと。

あたかも、ランナーが走行中に受け取るかのようにプロティンバーを握っていらした。違う点と言えば、マラソンランナーとは違って『ありがとうっ!』と仰るところ。

一人や二人が陽性だなんてこの界隈の施設の状況からすれば驚異的に少ない発生率だそうだ。でも、私は出したくなかった。

『無理だよ。一人出れば、次々と出るんだよ。凄い感染率なんだから。』と先生方は、皆さんそう仰る。でも、増やしたくない。一人でも二人でも、それは人間であり、命なのだから。

今日も1フロアーという孤島に閉じこもり、足がパンパンになった。

全然関係のない話なのだけど、大変な局面になるほど、大きな気づきがポン!と湧いて来る。

そうだ。無理なことは無理だと言おう。ダメなことはダメだと言おう。奴隷になるのは、もう止めよう。私の弱さが人命を奪ってしまうこともあるのだから。

後悔したくない。だから、危険因子をしらみつぶしに潰して行こう。

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