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猫に蛮行をはたらいた
一か月ほど前、白猫ブランカの顎の下に黒い点があった。
???
顎の下、口元のすぐ近くだから自分では汚れが落としにくいのかも知れない。そう思って蒸しタオルで拭いても取れない。
それからしばらくすると1㎝ほどの大きさの黒い染みになっていたので驚愕。何?これ。
毎日よく食べるし、野生さながらの大運動会を繰り広げていて非常に元気そうなのだが、この黒い染みが気になって毎日確認していたが消えることはなかった。
皮膚がんだろうか?
うちのマンションの3軒隣の一階に「動物病院、四月末にオープン」と書かれたテナントが出現。こんなに近かったら抱っこしてすぐにでも連れて行けるじゃないか。早くオープンして。
しかし、今月末までなんて待てない。
と言いつつ、今日まで躊躇していたのは、スヤスヤと幸せそうに眠っていたり、トイレもお風呂もついて来て寝食を共にして、ご機嫌そうな甘えん坊を見ていると、怖がらせたくない、病院にはなるべく連れて行きたくないという思いから。
でもまあ、そんなことも言っていられないので抱っこしてキャリーへ入れてパタンと蓋を閉める。ああ、これで当分抱っこさせてくれないだろうなあと思った。
野良猫時代に捕獲されたことを思い出すのか?あるいは避妊手術に連れて行かれたことを思い出すのか?ブルブル震えていて可哀そうだった。
そして1キロほど離れた動物病院への初診。優しい美人の女医さんだった。
結果は、皮膚がんなどではなく、やはり顎の下は自分で綺麗にしにくいため汚れが取れにくいのだとのこと。黒ニキビのようなものが白い毛を染めていたのだ。
お薬をつけてコーミングして割と綺麗になった。
本当は診察室でそれを聴いたとき、その場で後ろに倒れたいくらいだった。良かったー!と叫んで。
帰宅してからのブランカは当然瞳孔が開きっぱなし。まあ、そうでしょうね。うちに来てから二か月半。初めてのお出かけが獣医さん。しかも信頼しきってくれていた私がキャリーに閉じ込めたのだから。
寝室の方へ走って引き籠るのは分かる。しかし、そこはベッドの引き出しの中。ベッドの奥から回り込むと私の下着が入っている引き出しの中に入ることが出来ることを最近覚えた。
風呂に入る前に下着を取ろうとすると普通に猫が丸まっていて、下着を取ろうとした手が柔らかに突き指。
「何勝手に開けてんだよ。」という顔をよくされる。
しかし、今日は開けないことにした。そっとしておいてあげなくては。
嫌われちゃったのは悲しいが、君が辛い病気じゃなくて本当に良かった。
そう言えば、保護されるまでの生まれてからの4か月間。君は外に居たんだよね。怖いこともいっぱいあったことだろう。今でもカラスの鳴き声だけには反応しているほどだ。
小さな事件だったのだが、色んなことを考えた。ブランカには申し訳ないがこちらも凄く疲れてしまったよ。
君が安心して日常に戻れますように。今日はごめんね。