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ふと気が付くと

H先輩が退職なさってから一週間。

どうしていらっしゃるかな?と思いつつも、新しいところで頑張っているのだからそっとしておこう・・とノー連絡でいたが。

何と就業2日目くらいで、新しい職場が嫌になったとのこと。

は、早いな。

とても綺麗な施設で、うちのような何十年も前のやり方をしている施設ではないことは確か。楽なはずだが。

こちらはこちらでスタートしてから一週間。本当に大変だった。何せ主力の欠員が一名出ていて、先輩方に訊いても「それは知らない。」と返って来るので手探りの連続。
そして、先輩方を差し置いて私を主任にした新施設長も苦労している。おそらくは私よりもずっと。

しかし彼女は言う。『古い人たちが分かんないって言うんだから、もう新しいルールでドンドンやっちゃって良いよ!』と。

まじか。
でも、同じ大変ならば変えちゃった方が良いよな、ほんと。

彼女は頑張っている人が報われない給料体制も嘆いている。それを変えようとしているのだから、途方もない。理事会という古い方々の会議を通さなければならないことばかり。

***

悪いことばかりではない。かつてぶつかったナースさんがH先輩無き後、意外にも活躍してくれている。ぶつかったっていうか、勘違いで私に対して勝手に威圧的になっていらしただけだけど。

彼女も黙々と前に進んでいる。
物腰も柔らかくなって仕事もしっかりして来た。
何だか、力を発揮できる状態になって来たのね。

問題山積みの中、忙しい一日が終わる頃、『なんだか、今日は動きが悪くてすみませんねー。』と謝った私。
ほんとに動きが悪かったのだ。頭が回転しなかった。

するとビックリしたような顔をして「そんな!」と声を張り上げる彼女。『そんなことないですよ!こちらのセリフです!すみません!』と。

明日もよろしくお願いしますと互いに言えるようになるとは夢にも思わなかったが、とにかくありがたい。これからも力をお借りしてしまうだろう。

ある方の褥瘡がまたしても小さくなっているのを発見して二人で喜び合えた。

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