乗り越え(かけている)
とうとう無断欠勤した人に施設のボスが電話を何度もかける。やっと出たかと思ったら『寝てました。』とのこと。
『明日は来ます。』と言っていたそうだが、一週間以上の欠勤。日々変化している利用者さんの様子が分からないと思う。
なので、もう自分が出た方が良いと思い、新しく勤務表を作り直して持って行った。
しかし、ボスの案は、私にどうしても月に10休を取らせようする方法だった。
ボス曰く『私も主任や課長をやっていた頃に正当ではない理由で足を引っ張る人がいたし、へそを曲げる人もいた。それなら自分が何倍も働けば良いや!と思っていたの。で、Ohzaさんもそれで出来てしまう人なんだろうけど、身体が疲れて来ると段々この野郎!って気持ちになっちゃうのよ。』
なるほど、確かにそうだ。
『きちんとやらなくても今はいいです。だから、せめて半休とかを何回か取って欲しい。潰れないで欲しい。』
経験者の言葉は重い。
少ないナースで回すにはきつきつという状況は変わりないのだが、ボスが一緒に考えてくれた勤務表では私が10休取れていた。
大丈夫とは言えないが、『いい、いい。そんなにきちんとやらなくて大丈夫。今日は空いた時間で他のナースにも話をしたい。』と言って、わざわざ夕方に医務課にあがって来て下さった。
その間にずる休みのナースさんからまた電話がかかって来たらしい。『明日は出ますので。』と、繰り返し。
多分、雰囲気的にまずいと思ったのだろう。(いや、ずいぶん前から既にまずいよ。)
好きなルールで自分の休みを決めている彼女にボスは言った。『申し訳ないけれど、本当に来るかどうか信じられない。でも、来てくれたら今後のことを話し合いたい。』と告げたのだと。
元々はボスと仲が良い人なので、言うのも辛かったことだろうと思う。
しかし、昔から居る職員の中には遅刻をしても「10分遅刻したら10分多く働けばいいんだよ。」という人もいる。(誰もそんなルール作っていないのに。
話せば良い人たちばかりが居るというのも事実だが、今後はそこから治して行かなければならないと若き女性であるボスは言った。
事態はさほど変わっていないのだが、私は少し嬉しかった。これまで何度も窮地に立たされたことがあるのだけど、上の人が一緒に勤務表作りをしてくれたことなんて初めてだったから。
改めて、ここで少し頑張ってみようと思えた。