やつあたり

暑いので、出来る事なら涼しい自宅に籠っていたいが、今日も約束があり街に出る。
そして、この殺人的な暑さだというのに、凄い人混み。何で皆さんこんな暑い日に街に出るのか。って、私もそうだけど。

その灼熱下の人混みの街で、前方からおかしな人が歩いて来ていた。

おじさんというよりはお爺さんかな。さほど大柄でもない人なのだが、肘関節のあたりを軸に腕を左右に振って速足で歩いている。
20メートルくらい前から気が付いていたのでなるべく避けて歩いていたが、そいつが、振り回した腕で周辺の人を叩きながら速足で通り過ぎている。数秒で悟ったのだけど、女性ばかりを狙っていることに気が付いて余計に気持ち悪っ！と思っていたのだけど、案の定すれ違いざまに脇腹あたりをドン！と叩かれた。
行儀が悪い質なので、つい反射的に口をついて出てしまう汚い言葉。怒号してしまう。はい、私です。
そこから先は爺さんの歩調はほとんど走り去るかのように速くなった。

言葉が出てしまっただけでなく衝動的に追いかけたくなるくらいだったのだけど、もとい、口に出した時点でもう一人の自分が「ダメだから。」と制止している。

そうなんだよね。思うよりもやばいやつだよね。

街行く人たちは大抵カップルだったり家族連れの人が多いせいで余計にその爺さんの奇行が目立っていた。
くさくさした様子で腕を振り回して人混みを縫って来るその姿が。
何が面白くないのかうまくいかないのか知らないが、ライラしつつ見ず知らずの、しかも自分より弱そうな女性に叩くという奇行を働く。
と書いていて気が付くけど、そういうことする人だから上手くいかない。やっぱ全部自分のせいだろ。

そういう人は本当に自分が腹を立てている相手には向かっていく勇気はない。それで奇妙な姿になっているわけだが、「よしなさい」と自分自身を制する方の私が「ああいうのがそのうち手に刃物を持って同じ行動をする。」と自分を諭す。

そう言えば小さな職場という世界でも、変なことをして意地悪したり批判ばかりしている人って何も勉強しないし本当の意味で考えない人だなと思い出す。

それはともかく気を付けよう。世の中にはしばしばそういう人も居る。

そしてわざわざ報復せずともそれ相応の結果が待っている。そりゃ他人のせいじゃない。

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酷暑でもビールはうまし。
何があっても自分の面倒は見る。って、飲んでるだけだけど。