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No Time To Cry
子供達の前で放送を教えるようになって何年か経つ中で、とても気にかけていることがある。
2年前に2年生で高校を辞めていった女の子が2人いて、うち一人は入院先まで数回見舞いに行っていた。複雑な事情から家に帰らずに友人宅を泊まり歩いていた事を悪びれなく僕にも話していたし、その危なっかしさに注意は幾度もしたけども、そんな事もいわゆる自傷の一つだったんだろう。今、彼女はボディピアスをあちこちに開けている。
部活動には積極的だったし、入院先には少し難しい本を持って行ったり、思考に少し負荷をかけるようなやりとりをラインでしたりもしていた。
でも彼女を、学校に戻す事はできなかった。
転校先が決まると、前向きな気持ちを綴ったラインをくれた。
穴だらけでまるで面影がなくなった容姿も、ゴシックパンクなお人形さんのようで可愛らしい。
僕が顔を合わせていた頃の自分自身への精一杯の抵抗は、成功したんじゃない?と軽く褒めたいくらいだ。
とりあえず僕よりは長生きして欲しいな、と思った。
写真は本文とは関係ない、僕が通っていた母校・中学です。
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