メタバース旅行記:「Amebient」に真エンドはあるのか
みなさんこんにちは。VR役者をやっております、ともよろうと申します。
VR環境で演劇を始めて3年目になります。縁あってここにメタバース旅行記ぽいものを書いていきますのでよろしければお付き合いください。
「Amebient」VRChat
ここは有名なワールドなので、行かれた方も多いと思います。
ここを最初に書く理由は、私が「おそらくトゥルーエンドに辿り着けていない」からです。
(ご注意)以下、ワールドのネタバレを含みます。
雨の降り続ける世界に、水没しかけたビルが舞台となります。
入場したプレイヤーを、雨音と、鍵盤打楽器のBGMが迎えます。眠気を誘うようなその音色は、部屋の壁沿いに積まれたバケツやタライに雨が打つ音によるものだと気が付きます。
「少女終末旅行」にこれと似たシチュエーションがあって、もしやこれがワールドの元ネタ?と想像しますが、いつまでも聴いていられる落ち着いた音楽です。
(いわゆるAmbient Music(環境音楽)の「Ambient」が、ワールド名である「Am"e"bient」になっているのはおそらく「雨の環境」を意味しているのでしょう)
考えてみれば「少女終末旅行」もポストアポカリプス作品で、本ワールドの水没世界に通じるものがあります。
主人公の一人、チト(かわいい)は読書好きで本と日記を非常に大切にしている人で、相棒のユーリ(かわいい)と旅をする物語でおすすめです。
さて。
下階の部屋には謎の操作パネルがあります。何かをなにかしているうちに通電して、沈黙していたシステムが息を吹き返します。
プレイヤーがバケツおよびタライほかの金物類を降りしきる雨に差し掛けると、件の音楽は様々なテンポの雨だれの合奏に代わっていきます。
雨だれの音は空を覆う雲に吸い込まれるエフェクトに変化して、雨雲はいよいよ濃くなり、雷鳴が聞こえ始めます。
やがてある瞬間、世界の水位が急上昇してすべてが水没します。おわり。
私はこれを「水没エンド」と見て、世界が水没しない「トゥルーエンド」が存在すると考えています。
何故ならば、意味がありそうでなさそうな様々なギミックに埋もれて見落としそうになりながら……たぶん、私の希望としてトゥルーエンドはあるはず。という仮定で推論を試みました。(フレンドに考察を語ったときの模様。因みにフレの反応は「ほーん」でした…)
しかし、どこにも、誰もそれを見たという話を聞かないのです。
噂にもならない非常に短い(しかもそれも伝聞形式の)コメントとして目にしたのは「なにやら雨が止んで、世界は晴れるらしい」とのこと。
どなたか雨の止んだ世界に到達された方、私にこっそり教えていただけないでしょうか?
何故ならば、「明けない夜はない」とは戯曲「マクベス」の名台詞ですが、「やまない雨はない」と私は思いたいのです。
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