フリーランスクリエイター シズ - インタビュー #01|turning point
今月から始まる、インタビューメディア「turning point」。
デザイナーの上司ニシグチ&カメラマンのUNOが、様々なクリエイターのこれまでのいきさつについて探っていき、今につながる「鍵となるできごと」を中心にお話いただく内容になります。
今回のゲストは、web制作やブログの運営をしているフリーランスクリエイターのシズさん。ブログやTwitterにおける情報発信の方法や、クリエイターとして成功する秘訣、これからの働き方について伺いました。
今回お話を伺った方
シズさん:web制作やブログ運営をしているフリーランスクリエイター
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<シズさんのターニングポイント>
29歳:このままパチンコ屋に勤めていたらヤバイ!と気づいて事務系の仕事へ。
37歳:離婚、うつ、ブログ開始、職業訓練校でWEBデザインを学ぶ。
38歳:フリーランスに。twitter上で師匠のような人に出会う。
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ニシグチ:まず、10代の頃の話から聞いていきたいと思うんですが・・・
シズさん:私は大学には行ってなくて、高校卒業後は就職せずにフリーターになりました。勉強が嫌いだったのと、「とりあえずフリーターをやって、やりたいことが見つかったら就職なり進学なりすればいい」と思っていたんですよ。
ニシグチ:で、見つかったんですか?
シズさん:それが見つからなくて(笑)
18歳から5年くらいバイトを転々としました。コンビニとかカラオケボックスとか。飽きっぽいのと人からの紹介も多くて、色々なところで働きました。
そして23歳からはパチンコ屋で働き始めたんです。そこは手取り20万はあったし、残業もないので、就職する意味が無いと思っていました。でも29歳の時に「30代になってもこのままパチンコ屋って・・やばくない?」と感じたんです。体力的にもきつかったですしね。
そこで、デスクワークがしたいと思って派遣会社に登録し、コールセンターに派遣されました。そこは自動車保険を扱う会社だったので、保険の資格も取れたし、パソコンを覚えられたので結果として良かったです。
ニシグチ:もしやこの辺りが1つ目の・・
シズさん: ターニングポイントですね(笑)
29歳で「このままではやばい」と気づき、30歳で軌道修正したのが良かったと思います。
その後、英語を勉強したかったので、英語を使う仕事がしたくて大阪市の就職支援セミナーを受けました。観光関連の研修を受けながら、お金をもらえて英語の勉強もできて最高でしたね。そこの紹介で留学カウンセラーの仕事を受けて合格しました。留学保険を扱わなければいけないので、保険の資格を持っているのが有利になったんです。何が役立つかわからないなと思いました。
ニシグチ:留学カウンセラーの仕事ってどういうことをされていたんですか?
シズさん:留学の斡旋です。留学を検討されている方の相談に乗って、その方に適した語学学校をおすすめする営業業務と、申込み後の留学手続きに関する事務業務が主な仕事内容でした。今までの仕事で1番と言っていいくらい楽しかったです。
でもその会社が、入って2年くらいで倒産してしまいまして。
なので、今度はテレビ局に派遣事務として入りました。雑用的な仕事が多かったんですが、そこが暇で暇で・・。
その頃に元夫が日本に来ることになって、ビザの申請で身元保証人にならなければいけなくなったんですね。仕事も暇すぎて辛かったし、派遣社員だと身元保証人として経済力の面でちょっと弱いから、正社員として就職したいというのが重なって辞めました。
ニシグチ:元旦那さんは外国の方なんですね?
どうやって知り合ったか・・聞いてもいいですか?
シズさん:はい、アメリカの人でした。
Lang-8(ラングエイト)という言語交換サイトで知り合いました。そのうちskypeでやりとりするようになって、1年くらい毎週skypeで話したり、会ったりして。結婚を機に相手の方が日本に来てくれたんです。35歳で結婚しました。
ニシグチさん:へぇ〜!そういうきっかけだったんですね。
そして、正社員として就職も・・?
シズさん:はい。某クレジットカード会社のコールセンター部門に入りました。
でも、仕事と結婚生活のストレスでうつになってしまって・・。1年半くらいで離婚し、退職もしました。
で、離婚の1ヶ月くらい前にブログを始めたんです。
ニシグチ:それも2つ目のターニングポイントですね!
でもなぜ急にブログが出てくるんですか?!
シズさん:前々からアメブロとかをやってはいて、ブログだったら家でできるし、これで収益化できたらいいなと安易に思ったんです。外で働くのが嫌になってしまって。
とにかく稼ぎたかったので、まずはオンラインサロンに入りました。そのおかげで本質的なことがわかったので、書き方などが変わって収益も発生するようになりました。休職期間中に暮らせるくらいは稼ぎたいと思ってめちゃめちゃ書きました!
ニシグチ:そこからどうやってデザインの道へ?
シズさん:数ヶ月間、失業保険で暮らしていたんですが、その手続きに行った時に職業訓練校のWEBデザインのチラシを見たんです。それも家でできる仕事だし、ブログのカスタマイズができるようになりたくて職業訓練校に入りました。フォトショップ、イラストレーター、コーディングを学んで、特にコーディングが面白かったですね。
これを仕事にしたいと思って、座学だけ受けてすぐに制作会社に就職しました。ブラックではなく割と自由で楽な会社だったんですが、スキルが学べるような場所ではなくて。社員全員が職業訓練校上がりの未経験者WEBデザイナーばかりだったんですね。コーディングばかりでデザインもできなかったですし。他にもいろいろ気になるところがあって、3ヶ月ですぐに退職しました。
ニシグチ:それ以降はすぐフリーランスになったんですか?
シズさん:そうです。その頃twitterで「チームで仕事をしませんか」と誘われて、一緒に仕事をすることになっていたので。その人には裏切られてしまったんでお仕事は続かなかったんですが・・。
その前にもtwitterで「師匠がいたらいいのにな」というようなつぶやきをしたら名乗り出てくれた人がいて。仕事をいただいたり、いろいろ教えていただきました。その人には今もお世話になっていて、だから営業もしていないのにやっていけているんです。ありがたいですね。このtwitterでの出会いもターニングポイントと言えると思います。
ニシグチ:なるほど。シズさんはtwitterのフォロワーも多いですが、どんな感じで始めたんですか?
シズさん:Twitterはだいぶ前からアカウントはあったのですが、ずっと放置していてブログをやり出した頃にまた始めました。
私は30代から花が咲いたので「今20代でくすぶっている人も大丈夫だよ」というようなつぶやきで、一気に2,000人くらいフォロワーが増えました。
フリーランスになれた理由、なんてのもちょっとバズりましたね。
ニシグチ:へぇ~。面白いですね。
今、twitter上で注目している人とかいますか?
シズさん:ブロガーのマナブさん(@manabubannai)です 。
お会いしたこともあるんですが、話していてすごいと思ったし、それから私もアフィリエイトに力を入れるようになりました。プログラミングのスキルもあってお金を稼ぐことに注力していて、実績も出されています。若いのに達観しているし、文章もすごく読みやすい。ブログのことやプログラミングのことを中心に書かれているのですが、面白いですよ。(マナブログ)
最近は若い世代にすごい人が多いと思いますね。考えていることも話も面白くて。若い人からインスピレーションを受けることが多いです。
ニシグチ:マナブさんはタイに住まれているということですが、シズさんも海外に住みたいですか?あと、今後もフリーランスでい続けたいですか?
シズさん:住みたいとは思わないんですけど・・、2拠点生活がしたいですね。日本とタイとか。冬は暖かいタイに住む、みたいな。そのためのコストカットで、引越しして家賃を下げる予定です。タイは物価が安いからゲストハウス滞在とかで暮らしていけるかもしれません。
フリーランスでい続けるかどうかも全く決めてないです。
就職したくなったらするでしょうし。
ニシグチ:そうなんですね。
じゃあこれからこんなデザイナーになりたいとか、何か目標みたいなものはありますか?
シズさん:なんというか・・クリエイターはプライドが高い人も多いと思うんですね。デザインとはこういうものだ!みたいなこだわりを押し付ける人もいて。でも自分が良いと思うもの=クライアントが良いと思うものじゃないじゃないですか。だからこだわりはあってもいいけど、柔軟性はもっていたいな、と。
ニシグチ:あぁ~、スキルだけが高くても・・って感じですよね。
シズさん:はい。たまにtwitterでも「デザイナーはこうあるべきだ」みたいなつぶやきを見るけど、スキルの低い人がそれを見ちゃうとハードルが上がってしまうんですよ。私はやりたいと思う人がやればいいし、どんな人でも目指して良いと思っています。
デザインの学校を出てないし、全然違う仕事してたし・・という人にも「大丈夫。なれるよ!」と言ってあげられるデザイナーになりたいです。私も全然デザインに関わっていなかったのに、30代後半でデザイナーになれたので。あと、デザイナーでもデザイン以外の仕事をしたっていいし、いろいろな形があっていいと思っています。私は誰もしていないものになりたいです。
最近は「シズさんのブログを見て職業訓練校に行きました」と言ってくれる人もいます。そんな風に自分でもできると思って欲しい。そういうきっかけを与えられる人になりたいです。
ニシグチ:それは素晴らしいですね。
シズさんならなれる・・というかもうなってると思いますよ。
面白いお話、ありがとうございました!!
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話を聞いた人:上司ニシグチ
撮影&ライティング:UNO
バナーデザイン&記事編集:秋山楓
撮影場所:ひらば
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〈取材を終えて〉
シズさんとは何度かお会いしたことがあったので、とても和やかな雰囲気の中、インタビューをすることができました。シズさんのキャリアの中で、度々出てきたターニングポイントにおいて、思い切りのいい判断を随所でされていたのがとても印象的でした。ダメだと思ったら辞める、そして次に進むという前向きな姿勢は、話を聞いていてとても勉強になりました。新たな気付きを与えてくれたシズさんに感謝です。今回はありがとうございました。