おいしい の先にあるもの
新大久保駅ビルにできたk,d,c,,,という食の共創施設。東京のちょっと未来の暮らしを、食の視点で創り出すユニークな施設である。その3階にあるシェアキッチンの一画にfamという名前のスイーツ店を期間限定で6月にオープンさせた。
https://www.instagram.com/fam_m2021/?hl=ja
famは、もともとは、なかなかコロナ禍で息苦しい日々の暮らしに、「おいしい」ちょっとほっとする時間を提供できないかなと思って、やってみようかなとつくった店。MENDIが目指すローカルとローカルをつなぐことで生まれる可能性を、絵に描くだけではなく実践しようと思うタイミングだったことと、このシェアキッチンが店舗を開設を挑戦する人向けに設備が整っていることもあって、気軽な感覚でつくった。
地域のこだわり、生産者の想いから作られているジャムが各地の道の駅にたくさん並んでいるのに、そのおいしさが消費者に届いていない。なかなか東京に出回らないジャムを食べ比べてもらい、「おいしい」と思ってもらえれば。という願いで始め、「おいしいでつながる」をキャッチコピーにした。
おかげさまで、おいしいね!という言葉をたくさんいただく。でも私自身が何か、もやもやすることがオープン段階ではあった。なんだろ?
新潟出身の店舗スタッフが、新潟以外でなかなか知られていない越後姫という苺、ル レクチエという洋梨のジャムをお客さんに説明しながら、やっぱり果物そのものも食べて欲しい!という感情が生まれてくる。このことが大事だと気づいた。
生産者にしてみれば丹精こめた果物・野菜を美味しく食べて欲しい。それがちょっと傷がつき、ハネものとして商品価値が下がってしまう。佐渡から仕入れた黒イチジクのジャム、黒イチジクそのものが一粒五百円でより貴重で高価なもの。ジャムはやすくなっている。それでもなんとか消費者に届けたくて、加工品としてつくって提供しているものが、ここで味くらべをしてもらっているジャム。
「果物 ー ジャム」 この間にある生産者の思い。そこにはたくさんの可能性がある。それを価値化して、それを届けたい。大量流通、安定供給が確保されないと東京の暮らしには届けづらい地域のおいしいもの。それを東京の暮らしのなかに取り入れて欲しい。そして生産者の想いとつながって欲しい。さらにそれぞれの地域の暮らしが培ってきたこだわりに関心を持つ芽が生まれて欲しい。
改めて、このジャムの「おいしい」の先にあるもの。それを消費者に届けることがfamが目指すところなんだろう!。
この写真は福島の果物へのこだわりを感じるセット
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?