PLATEAU AWARD2023に参加しました
都市オープンデータ「PLATEAU」の有効活用を目指す開発コンテスト、PLATEAU AWARDに今年も参加しました。
PLATEAU Window'sとしては昨年に続くファイナリスト出場です。
作品はいずれもハイクオリティで個性に溢れ、とても刺激的な時間でした。
バラエティあふれる作品群を下支えするものとして、昨年大幅な拡充がなされたPLATEAU SDKの存在があると思います。Unity開発ではPLATEAU-SDK-Toolkitsも強力な制作支援ツールとして働き、クリエイターの想像力を最短で実現する環境が整備されつつあります。
詳しくはPLATEAU公式の記事を待ちたいところですが、この貴重な場に参加させて頂いたことに、改めて感謝の念を抱いています。
私達のプロダクトについて
私達のプロダクトPLATEAU Window:Horizonは、主にBtoBの現場における実用性・可用性にフォーカスしてプロダクトを作りました。
PLATEAUコミュニティでは、昨年ビジネス展開に向けたプランニングを学ぶ「Accelerator Program」が開催され、私達も参加しています。プログラムでは、このプロダクトがいかに実際の現場で有用たりうるかをじっくりと考える機会をいただきました。
ヒアリング等のご機会もいただき、不動産営業・プレゼンでのインタラクティブなツールとして、不動産への付加価値を向上するアプリとして有用であると確信を深め、改めて実用性と映像クオリティを両立するための大幅なアップデートを行いました。
■まず、景観ビューアに必要な要素として、
美しいグラフィック
日照シミュレーション
近隣建物の情報
があると考えます。美しいグラフィックはBtoBのプレゼンで当然に求められる要素です。また、日照シミュレーション・近隣の建物の正確な情報も、価値決定の尺度となります。
■さらに求められる要素として、
家具什器シミュレーションを行いたい
既存のCADやBIMデータ、既存建物についても活用したい
アプリを動かす環境を作れない(パソコン性能やインストール制限等)
景観を見るだけではなく、建物内の家具什器のデザイン・配置効率も付加価値になります。また、新築物件のみならず既存テナント・建物の再販における需要もあると分かりました。さらに、プレゼンする側の環境や利便性も配慮する必要があります。
→以上からアプリの再構成を行いました。
独自モデル+PLATEAUデータ+Cesiumの組み合わせによるグラフィックと信頼性の両立
ゲームエンジンはCAD/BIMと親和性の高いUnreal Engine(DataSmith)
家具什器などのクラフト機能を提供
サーバー上のアプリ動作に対応、webブラウザ経由でスマホ等からも体験
グラフィックの信頼度および構築方針については、過去記事1(日照検証) 記事2(構築方針)を参照いただければと思います。既存建物に対しては新しくmatterportをテスト導入しました。360度のデジタルスキャンにより、既存物件を精度の高いデジタルツインとして活用できます。
PLATEAU Windowの活用例として、以下のようなケースを考えています。
1️⃣営業、プレゼン
実際に操作しながら顧客に映像を表示する、インタラクティブなプレゼンテーションが可能になります。
2️⃣チーム内での利用、計画
実際に入居を考慮するチームで什器の配置を検討できます。Fortniteのような操作感で家具を再配置するほか、Webブラウザからの配置も可能です。将来的には、webブラウザ上で引いた簡易図面をゲーム上に反映するアップデートを考えています。
提供形態
アプリの提供形態も、現場の必要性に応じた形態をとります。
コスト面では、制作の大部分は「中心となるビル」一棟の作業で、周囲や遠景において従来の景観ビューアに比べ大幅なコストダウンが見込まれます。
今後の課題と展望
技術的にはC)のクラウドサーバ(オンライン)配信の安定化を課題としています。ローカルネットワーク(同じwifi内)でのチーム作業やアプリ自体の利用は安定してご提供いただけます。ご興味のある方はデモプレイも頂けますので、ご一報いただければと存じます。
PLATEAUをはじめとするオープンデータの状況は刻々変化しています。昨年話題になったバーチャル新宿のような、従来と違ったアプローチのバーチャル都市構築システムも生まれています。私達はこれらの変化を柔軟に取り入れながら、実際に「使える」ハイクオリティな3D都市ビューアとして進化していければと思います。
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