見出し画像

EURO BIKE JAPAN石田博敏さん 日本におけるカーゴバイク市場開拓と今後の展開について@自転車100人カイギvol11

福岡をベースとして、自転車に関わるあらゆる人びとが集まるトークイベント自転車100人カイギ。1回で5名の登壇、計20回開催し、解散というイベントです。その折り返しである第11回を、カーゴバイクをテーマとして、Plat Fukuoka cyclingがお手伝いして、開催いたしました。今回はそのレポートになります。レポートはおひとりづつアップいたします。最初の登壇は、筆者もカーゴバイクBullitt購入でもお世話になった大阪のEURO BIKE JAPANの石田博敏さんです。

当日のインタライブ動画もありますので、気になった方はご視聴ください◎
https://www.instagram.com/tv/CXm3fZGlSd8/?utm_source=ig_web_copy_link

日本のカーゴバイク市場の開拓者-大阪のEURO BIKE JAPANの石田さん

石田さんは、デンマーク王国のカーゴバイクBullittとChristiania bikeを早くから販売されている日本のカーゴバイク市場の開拓者とも言える方です。販売を始めるきっかけから、これからの展望などをお伺いしました。

EURO BIKE JAPAN石田さん

大阪のお店より、bullittのフレームを背景に参加いただきました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

トークセッションでは、EURO BIKE JAPAN石田さん(以下「石田」)、Plat Fukuoka cycling安樂(以下「安樂」)で記載。掲載写真(fig.1のIKEAのものを除く)は、EURO BIKE JAPANのSNSより転載)

安樂:私も購入して、使っているBullittなどのカーゴバイクの販売は、どれくらいになるのでしょうか。またそのきっかけはどんなものだったのでしょうか。

石田:販売は2008年からで、今年で13年くらいになります。きっかけは、2000年から2007年にかけて、当時、嫁がスノーボードのワールドカップに出場していて、スイスやドイツなどに遠征で住む機会がありました。その時、現地でカーゴバイクを使っている人との交流があって、引退した後に、そういった文化を日本に広めたいという思いで始めました。
 はじめは、やはり見慣れないものなので、苦労をしました。また販売にあたり、日本のマーケットを理解してもらうために、ヨーロッパの自転車見本市EURO-BIKEで話す機会なども得ながら、開拓をしていきました。そこで明らかになったのは、欧州での自動車と自転車の明確なすみわけといいますか、デンマークであれば、自動車に対する税金が非常に高く、移動に対する政策がカーゴバイクなどの自転車に誘導されていることがわかってきた。

画像1

 では、日本でどうように浸透させていくかという課題に対しては、人の目に触れるため、IKEAの店内ポスター(fig.1)であったり、お店のある大阪で、まずは自分たちが使うことで、知ってもらうことから始めていきました。私はBullittで子どもを乗せて走ったり、嫁さんは、商店街を3輪のカーゴバイクChristiania bikeで日常的に走りまわっていました(fig.2-3)

 最初は、デカイので邪魔だの、危ないだのどお声もありましたが、大阪という場所柄か、皆さん温かく受け入れてくれ、いつのまにか名物になっていました。

画像2

 購入された方からの発信もあり、写真のように広島のユーザさんは、Bullittのパンフレットにも採用された方で唐傘スタイルであったり(fig.4)、ユーチューバのけんたさんは、結婚式にカーゴバイクを使っていただたり(fig.5)、他にも移動販売などで使われる方も多く(fig6※(1)-7)、走る広告的な要素もあって、広まっていった実感があります。

 息子は、昔はカーゴバイクの荷台に収まっていたのが、成長してしまい足がはみ出るようになるくらいになりました。でも、カーゴバイクのほうが便利であることがわかっているようで、これからカーゴバイクに乗せられて育った子ども達が大きくなることで、彼らの移動の価値観は、変わっていくのだと思います。

安樂:販売を始めて十数年となり、徐々にユーザーも増え、社会的に浸透していく局面がみえてきているように感じます。いま石田さんが思うカーゴバイクのポテンシャルを改めてお聞かせください。

石田:カーゴバイクは、やはり普通の自転車では想像できなくらいの積載が可能ということだと思います。自転車で人や物を運べるということは、それだけで持続可能なスタイルであると思うし、よりモビリティーのひとつとして、位置付けられていく必要があると思います。

安樂:最後にモビリティー・自転車としての位置づけに関して、最初の導入時にかなり苦労があったかと思います。そのエピソードをお伺いしてもよろしいでしょうか。

石田:社会的、法律的にも理解を得る必要がありました。そこで、デンマーク大使館に相談し、当時COP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議、2009年12月デンマーク、コペンハーゲンで開催)があり、当時法務大臣だった谷垣禎一氏(自転車活用推進議員連盟や日本サイクリング協会の会長も歴任)に乗っていただくなど、プロモーションでのバクアップをいただくなど、苦労をしました※2。でも、誰かがやらないといけないし、乗り越えなければならないだという思いでやってきました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最後の「誰かがやらないといけないし、乗り越えなけれなならない」という言葉が、カーゴバイクの開拓者である石田さんを印象付けるトークセッションでした。

Plat Fukuoka cyclingは、福岡からカーゴバイクのあるライフスタイルや、取組みを今後も続けてまいります。

引き続きPlat Fukuoka cargobike styleのマガジンにて、自転車100人カイギvol.11の様子をレポートいたします。

-------------------------------------------------------------------------------
〈参考文献等〉

(1)fig.6のカーゴバイクbullittは、京都の中西寿道さんの「コミュニティガジェットな自転車屋台」(note,2020.9.22)のものです。中西さんには、Plat Fukuoka cyclingで企画した自転車100人カイギvol.5にて、トークさせていただいています。この時のレポートもお送り予定です。

(2)デンマーク大使館では、この度、ブリッツがツールドフランスのデンマークオフィシャルバイクとなり、デンマーク大使館にて、展示されることになるそうです。展示が楽しみです◎

いいなと思ったら応援しよう!