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#13Plat Fukuoka cargobike style2カーゴバイクブームに沸くEUカーゴバイクマーケット報告@“元”自転車移動喫茶「Hand anything」

 Plat Fukuoka cyclingは福岡がbicycle friendlyな都市(まち)となるための様々な提案を行っていきます。
bicycle frendlyというと「自転車にやさしい都市」となると思いますが、私は「自転車がやさしい都市」になってほしいと考えています。それは歩行者に対しても、バイクやバス、自家用車…つまりは都市に対して自転車がやさしくできる都市でありたいと思うのです。

Plat Fukuoka cyclingの目次は下記よりリンクしていますので、ご覧ください。(随時更新)

0.Plat Fukuoka cyclingの描く未来
1.Copenhagenize Index2019を読む
2.Plat Fukuoka books&cycling guide
3.Plat Fukuoka cargobike style
4.Fecebook ページ

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 「Plat Fukuoka cargobike style」は自転車のなかでも,カーゴバイクをテーマに、日常風景としてカーゴバイクがある街・福岡を目指して,その魅力と可能性を紹介していきます。その2回目として,欧州でのカーゴバイク市場が,今年のCOVID-19による経済の停滞にも関わらず,その市場規模の拡大を伝える記事の紹介になります。

〇コロナでも堅調に伸びるヨーロッパのカーゴバイク市場『CARGO BIKE BOOM IN EUROPE: INDUSTRY SURVEY EXPECTS OVER 50 PERCENT MARKET GROWTH IN 2020』(Cycling Industries Europe News、2010.7)
 本記事は,欧州連合(EU)関連事業として,欧州で初めてのカーゴバイク市場に関する報告になります。すでに欧州ではカーゴバイクブランドが38も存在し,その市場規模の拡大に,期待を持たずにいられないような記事となっています。
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(以下はリンクサイト:https://cyclingindustries.com/news/details/cargo-bike-boom-in-europe-industry-survey-expects-over-50-percent-market-growth-in-2020の内容を知人で国際経験豊富な横田美香さんの協力の上で意訳しております。転載等する場合は本サイトのプライポリシーを参照ください)

 本日、EUが出資するCityChangerCargoBikeプロジェクトは、ヨーロッパ初のカーゴバイク業界調査の結果を発表しました。 この調査は、38のカーゴバイクブランドから提供された匿名の売上データに基づいています。

 2018年に17,800台、2019年に28,500台カーゴバイクを販売した後、調査に参加した38ブランド(メーカー)は、2020年はヨーロッパ全体で43,600台ものカーゴバイクを販売するだろうと予想されています。この匿名ブランド群が欧州カーゴバイク市場全体の何割程度を占めるのかは定かではありませんが,カーゴバイク市場のトレンドと印象的な成長の大きさは明確に示されています。

 2019年、調査参加ブランドの売上は約60%増加しました。 そして、5月のコロナウイルスでロックダウン中のタイミングでの調査にもかかわらず、2020年も引き続き急速な53%もの売上増を見込んでいます。

 38ブランドのうち7ブランドは新規参入で、2018年には販売実績がありませんでした。また2018年度時点では38ブランドいずれも5,000台を超えるカーゴバイクの販売達成していない中、うち3ブランドが2020年には達成する見込みです。これは、 多くの小規模な新規参入ブランドとますます増加する大手プレーヤーなどが入り混じるカーゴバイク業界の多様性と活気を示しています。

 調査では、各ブランドに、カーゴバイクの種類別販売シェアとヨーロッパにおける主要消費国(国別シェア)についても聞きました。
 そこでわかったのは下記の通りです。
・個人使用・商用カーゴバイクのいずれも急激に売上が伸びており, 両社の市場シェアはほぼ同等。
・販売されているカーゴバイクの大半を占めているのは電動アシスト付きのもので,その市場シェアは拡大している。 一方で電気アシストのないカーゴバイクのシェアは、2018年の約31%から2019年の約25%に減少しました。
・三輪カーゴバイクの売上は,二輪カーゴバイクよりやや先行しているが、両者の2020年販売シェア予測はほぼ同じです。4輪カーゴバイクは販売シェアの中で存在感を示す段階には至っていません。
・調査に参加した38ブランドのうち16ブランドにとってヨーロッパで最も重要な市場はドイツです。ちなみにデンマーク(ドイツの1/14の人口)は4回、イギリスとオランダは3回選ばれました。 しかし、ヨーロッパのカーゴバイク市場は、いくつかのトップ市場に限定されていません。調査に参加した各ブランド(少なくとも1以上のブランド)の上位3市場として17カ国が選ばれています。

 調査結果の詳細についてはこちら,調査方法や指揮者に関する情報についてはこちらのリンクからご覧いただけます。

 Cycling Industries EuropeのCEOであり、CityChangerCargoBikeプロジェクトの共同出資者であるKevin Mayne氏は次のようにコメントしています。

「我々は何年にもわたって、カーゴバイクや配達用自転車市場がヨーロッパのサイクリング業界に本当に高いポテンシャルを秘めていることを認識しておりましたが,この調査でカーゴバイク分野が順調に伸びており,様々な種類の自転車が欧州全体の市場ニーズを満たしているという我々の見解が正しかったことを確信しました。」

 ベルリンを拠点とするカーゴバイクの専門家でありcargobike.jetzt編集者で,かつ本調査のコーディネーターであるArne Behrensen氏はこう付け加えました。
「年50から60%の市場成長率は、ヨーロッパ全体でカーゴバイク推進中のCityChangerCargoBikeの調査結果と一致しています。しかし、多くの地域で、カーゴバイク革命はまだ非常に初期の段階に過ぎません。 交通手段の脱炭素化、空気の質の改善,公道スペースの回復には,カーゴバイク等の持続可能な車両に対する更なる政治的サポートが必要です。」

 CityChangerCargoBikeプロジェクトリーダーであるFGM-AMORが2013年にに行った調査は、既にカーゴバイクの大きな可能性を示しており、2015年の自転車に関するEU運輸大臣の声明「EUの都市におけるすべてのモーターを備えた貨物輸送の半分以上が自転車に代わる可能性がある」で引用されています。

このヨーロッパのカーゴバイク市場調査は2021年春にまた実施される予定です。
メディアに関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。
→Arne Behrensen、cargobike.jetzt:arne.behrensen(at)cargobike.jetzt
→Ayse Sumer、Cycling Industries Europe:a.sumer(at)cyclingindustries.com

(背景)CityChangerCargoBikeプロジェクトの使命は、ヨーロッパでのカーゴバイクの可能性を最大限に活用することです。 これには、ポルトガルのリスボンからポーランドのグディニアまで16のパートナー都市が含まれます。 このプロジェクトは,EUのHorizon2020プログラム(2018年~2021年)によってサポートされています。www.cyclelogistics.eu

Cycling Industries Europe(欧州自転車産業連盟)は、CityChangerCargoBikeプロジェクトの一環として、ヨーロッパのカーゴバイク専門家グループを設立しています。 専門家グループは、カーゴバイクセクターの利害関係を持つすべての企業、機関、専門家を対象とした開かれたグループです。
www.cyclingindustries.com

Cargobike.jetztはベルリンを拠点とするコンサルタント会社によるカーゴバイク推進に特化したブログです。 編集者のArne Behrensen氏は、ヨーロッパのカーゴバイク業界調査を調整しました。
www.cargobike.jetzt
(意訳はここまで)
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 筆者使用のBULLITTが製品化されたのが,2008年4月で既に十数年が経過しています。カーゴバイクの広域での調査が今回が初めてであるということは,カーゴバイクが欧州を中心に普及に向けた新たなステップを向かえたことを示している,その象徴と思います。

 また,カーゴバイクの電動化も普及に向けた重要な要素で,BULLITTも2015年3月に電動アシスト付きを製品化しています。カーゴバイクは運ぶものが人や荷物であることから,車体が大きく頑丈のため重くなります。車体の軽量化と同時に,電動アシスト機能は必須の機能といえるでしょう。
 初期のネーデルランドにて,カーゴバイクが普及したのは,自転車道などのインフラ整備に加え,電動アシストがなくとも,土地が平たんであり,上りがないことが普及の抵抗感がなかったのではと思います。

 ベルリンのcargobike.jetzt編集者Arne Behrensen氏のコメントのとおり,カーゴバイクはネーデルランドなどの一部の国を除いて,まだまだ特殊な自転車という認識で,日常の乗り物にはなれていません。しかし,欧州ではCityChangerCargoBikeプロジェクトなどで各都市で連携した動きが活発になってきているようです。

 Plat Fukuoka cyclingでは今後も、Plat Fukuoka cargobike styleの連載を通して、日本におけるカーゴバイクの可能性を追求していきたいと考えています。

○Plat Fukuoka cargobike style@カフェ&バー「Hand anything」
「Hand anything」は写真の明治末建築の旧日本生命福岡支店(現:福岡赤レンガ文化館)にできた喫茶店です。

 この場所にお店ができる前は,自転車移動喫茶「Hand anything」として営業されていました。
 普通の自転車では載せることができないカフェスタンドを積むことを可能にしたのは,自転車の後ろが延長されたロングテールのカーゴバイクでした。

 インタビュー記事(1)では,開業時の初期投資を少なるする手段として,自転車を選ばれた経緯も話されています。自転車は初期投資も抑えられ,街のあらゆるところを巡ることができマーケティングも行え,新規事業の立ち上げに最適なツールといえるでしょう。

◆ホームページ:https://www.handanything.com/

 カーゴバイクでの移動販売から始まった喫茶店がある赤レンガ文化館は,エンジニアカフェなる技術者・プログラマーの拠点施設となっています。ここで生み出されるテクノロジーに期待と,歴史的な建築物や景観をきちんと維持されるような都市となることを願いつつ,カーゴバイクが福岡の新しい日常風景になればと思います。

 次回のPlat Fukuoka cargobike styleは,CityChangerCargoBikeプロジェクトについて,World Cargobike Festival2020のニュースレターより紹介いたします。なおPlat Fukuoka cargobike styleは毎月月末週に掲載予定です。

 そして次回はCopenhagenize Index2019を読むとして,今回紹介のとおり,欧州で最もカーゴバイク市場が期待されているドイツの都市について,ベルリンなどのTOP20に掲載された都市を紹介と,前回Plat Fukuoka books&cycling guideで紹介しきれなかったドイツの自転車政策に関して紹介いたします。

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〈参考文献等〉
(1)『一台の自転車から始まった「元」自転車移動喫茶Hand anything』(自転車と暮らしてみる,2020.7.17)https://bicycle.hoshikatta-kurashi-lab.com/column/003/。マンション開発を手がける株式会社 フージャース ホールディングスの生活研究所「欲しかった暮らしラボ」から生まれたプロジェクトの記事になります。郊外でのマンション開発を中心から,都心居住型の賃貸住宅プロジェクトを始めるにあたり,自転車をテーマとしたプロジェクトを立ち上げられています。欧州の都市では,中心市街地の集合住宅のほとんどが賃貸住宅として供給されていることから,日本においても,良質な都市居住のための賃貸マンションが増えることを期待します。

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