宝塚星組『柳生忍法帖』でスプリンターズSを予想
昨日観てきました。以下、秋のG1緒戦スプリンターズSの予想とマゼマゼでお伝えします。
その方が宝塚ファンと競馬ファン、互いに楽しめるでしょ。ね?
「ね?」じゃないっつーに。
・・・
三代家光の頃。会津藩主・加藤明成(耀咲玲央)は傍若無人、領内の娘という娘を拐わせては嬲りものにしている。
家老・堀主水(美稀千種)の諫言にも耳を貸さず、やむなく主水は主人を見限り退転。
藩主の命を受けた芦名銅伯(愛月ひかる)の配下、会津七本槍(漣レイラ、ひろ香祐、瀬央ゆりあ、綺城ひか理、天華えま、極美慎、碧海さりお)が、これを追う。
堀一族の女性たち(音波みのり、紫月音寧、夢妃杏瑠、紫りらなど7名)は、北鎌倉の東慶寺に逃げ込む。追手は門前を冒し、堀の女性たちを引き渡せと住持天秀尼(有沙瞳)に迫るが、同寺は女人駆け込みの縁切り寺。天秀尼はきっぱり断る。
それでも食い下がる七本槍。そこへ天樹院(千姫が髪を下ろしたのちの姿。白妙なつ)が現れ、連中を一喝。畏れ多くも将軍家の姉上、追手はしぶしぶ引き下がる。
調教良かったのはジャンダルム(日刊スポーツA評価)、レシステンシア(A)、ダノンスマッシュ(A)、モズスーパーフレア(S)。
次点はクリノガウディー(A)ってとこですかね。鞭入れられて一杯だったけど。
天樹院は沢庵和尚(天寿光希)に相談し、堀主水の仇を討ち(※)会津七本槍を打倒するため、女たちの指南役に柳生十兵衛(礼真琴)を充てる。当初「これは女の戦いだ。女だけで仇を討つ」としていた堀の女性たちも、十兵衛の実力に舌を巻き、師事することに。
会津では芦名銅伯が、七本槍の武力と娘ゆら(舞空瞳)の籠絡 ー ゆらは加藤明成の妾である ー を以て、藩の実権を握ろうとしていた。斯くして会津と江戸で、銅伯と十兵衛たちとの死闘が繰り広げられる。
では参考レース。
なんつーのかなあ。。。
山田風太郎といえば奇想天外。俺は何も本作に、「愛」だの「哲学」だのを求めちゃいない。
山田風太郎の時代小説にそれを求めることは、スプリンターのレシステンシアに春の天皇賞3,200mを走れというようなもの。位相が違うしナンセンスである。
にしても、先日観、かつ書いた宙組『シャーロック・ホームズ』みたく、宝塚ってどんどんどんどん幼稚化してないか?
加藤明成が娘を拐って、村々には1人も若い娘がいなくなる。ホロコーストかよ。
いくら色きちがいつったって、労働力=生産力が落ち込めば、年貢も取り立てられないでしょうに。そもそも何でそこまで娘をアレするの?
堀主水の消息も相しれない(上記※)。いつどこで捕まり処刑された?
城に囚われのお姉ちゃん。それを慕う弟が「お姉ちゃん、えーんえーん」。全然泣けない。
また、ゆらは突然十兵衛を好きになる。「あなたが城に忍んできたときから、ずっとお慕いしていました」。えっ?
そしてゆらは、鉄砲隊に十兵衛が撃たれるとき、システム的に身を挺してバーン! お察し。
安っぽいラブロマンス。いや、ラブロマンスですらない。こんなんで感情移入できるか?
表層的に原作をなぞっているだけだが、大野拓史も今どきのアンちゃんなのかね。薄っぺらいラノベとか、マンガばっかり読んでるからこういうことになる。
山田風太郎、特にその小説はエンタメである。なので「重厚に作れ」などと言っているわけではない。しかしエンタメならエンタメとして成立させねばならない。
直ちに想起さるるは黒澤明『椿三十郎』。キアヌ・リーヴスの『スピード』も真っ青のジェットコースター・ムービー。
◆『用心棒』付きで予告編
テンポのことを言っているのではない。赤い椿か白い椿か、山門か。明日はメンバーを見たらハイペース、ことメイケイエールがガーッと行っちゃったら、昨年みたくモズスーパーフレアには厳しくなるだろう。
せっかく山田風太郎が銅伯と天海大僧正が一卵性双生児だったとしているのだから ー あたかもポー『ウィリアム・ウィルソン』のようである ー そこに至る顛末を、もっと丁寧に描くべきではなかったか。例えば堀の女性たちと、その対向たる芦名一族のルサンチマンであるとか。
本作の肝は、〝女だけの戦い=女性の権利〝というより、このような、いわば「鏡」だったのではなかろうか。そして会津が七本槍なら、堀一族の女性も七人だったりする。
結論。
◎礼真琴はハイペースの方がむしろ良い先行馬。台詞といい歌といい、安定感抜群。←レシステンシア
○ダノンファンタジー(白妙なつ@天樹院)。休み明けが良い馬だし、だって宮杯の優勝馬、神君家康公の孫にして豊臣秀頼の奥さんだぜ?
▲沢庵和尚の天寿光希(モズスーパーフレア)。往時はまん丸いボクちゃんだったが、すっかり老け役がハマるようになりました。メイケイエールやビアンフェに絡まれなければ逃げ残りもあるでしょう、昔っからいる人だし。
△ゆらの舞空瞳=ジャンダルム。お歌が上手いし前走出遅れも、上がり32秒6で差してきた。先行激化なら頭まであるけど、浜中騎手の追い込みって、何かイメージ湧かないんだよなあ。
△ピクシーナイトの都優奈(村娘役)。シンザン記念組は概ねレベルが高く、セントウルSでもレシステンシアに迫り2着。ただ、鞍上福永騎手は都優奈を「これからの馬」と控えめ。
△クリノガウディーこと、愛月ひかる(芦名銅伯)。まずまず好位で好走も、決め手に欠ける印象。
大穴: タイセイビジョン(瀬央ゆりあ)。CBC賞では「初の千二で戸惑った」。なので前走セントウルSで穴指名。舞空瞳に次ぐ上がり32秒7で追い込んで来たし中山の急坂は良さそうだが、さてどうでしょうか。
礼真琴と白妙なっちゃん二頭軸の三連複って感じスかね。
ショーについては、明日の「結果編」にて。
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