名優列伝
先日の深夜に歌舞伎。
うむ、確かに古典に忠実な梅幸より、歌右衛門のほうが現代的だ。世評とは逆に。
カクカクした動きは、のちに蛇と化す清姫の執念を表している。だから却って手の優美な動きが際立つ。
◆娘道成寺より
梅幸より年長の六世歌右衛門は〝近代の人〝よね。個人・己を信じている点で。
名優、加藤武さん@文学座が生前おっしゃっていたのは、「とりわけ関の戸なんて、ロードオブザリングやハリーポッター状態ですよ」。
◆歌右衛門じゃないけれど、団十郎・玉三郎・宗十郎による『積恋雪関扉』(積もる恋、雪の関の戸)
ことほど左様に伝統芸はポップなのであります。
さて。
人間と馬はもちろん違うが、相馬と役者を観るのは同断。
俺は元々パドック派。今はテレビがないからパドック見られないので、調教や参考レースのみ。そこで問われるのは見巧者か否か。
『ところで明日のレースですが』
明日のメイン3つを考えてはみたけれど。。。 時間早い順から。まずは 1、金鯱賞G2。勝つのは三冠牝馬 かグローリーヴェイズでしょうね。しかし最終追い切りを見…
ameblo.jp
https://ameblo.jp/darshaan/entry-12662061599.html
明日のレースがどうなるかは分かりませんがね。しかし今年の通算回収率が100%超えというのは、悪くはないんじゃないでしょうか。
競馬はさておき、今は見巧者が少ない。なう。
例えば今、巧い役者は誰か。仲代さんはパチーノみたく、決して巧くはないけれど「良い」。
永瀬君も巧くはないが、良い。大竹しのぶは舞台じゃなくて、映像の役者。
役所広司はさすがよね。仲代さんの無名塾出身。
※同じ無名塾じゃ若村麻由美も良いけれど、ご無沙汰ですね。しかし彼女は何であんないかがわしい教祖と結婚したのかなあ。元々西東京のイイ感じの嬢ちゃんで、あんな生活をする人じゃないのに。やっぱ渡辺謙が悪かったのでしょうか。。。
プライベートはどうでもよろしい。
諸人は米倉涼子や綾瀬はるかを「上手い」とか言うけれど、俺に言わせりゃ全然ダメダメ。
ましてや松坂桃李・・・このクソつまんねぇCM連中は。
要は結局、アンちゃんネーちゃんという。学芸会。
馬や舞台をじっくり観ると、良し悪しがわかるようになる。
歌舞伎に劇団四季、あるいは宝塚。ジャニーズ系じゃなく、マトモな舞台な。
見巧者が減ると、あら不思議。比例して役者もダメになってゆく。これが現今。
往年の人で凄いのは、杉村春子(芝居しなくて芝居する)、宇野重吉、滝沢修、小沢榮太郎、水戸のご老公@テレビの初代、加藤武に山田五十鈴、太地貴和子に沢村貞子。
ここまでは文学座・俳優座・民藝の新劇シリーズ。
ほか舞台なら辰巳柳太郎に島田正吾の両御大。いずれも緒形拳さんの師匠です。
前進座なら梅之助。
※昔の人が、誰でも良いってわけじゃありません。初代水戸黄門の月形のおっさんなんか、ターヘーよね。
映画なら三船さんや勝新、若山先生、藤原釜足に三木のり平さん。もちろん高峯秀子さん、森繁さん。そして錦之助兄ィ。
フランキー堺や植木さんもなかなかのもの。
※ナレーターなら佐藤慶氏に石坂浩二さん。音の高低使い方を、バッチリわかっているという。
概ね劇団や映画で徹底的に鍛えられ、勉強をした人々。
今はアレでしょ、テレビ中心なんでしょ?
テレビが悪いってわけじゃないけど、どうしても・・・
なかなかに俳優を鍛え育てる余裕がない。映画だって同じだけれど。
そして往年の役者は、やっぱ時代が大きく影響したのでした。戦争を経て貧しいなかで、精進した人は迫力・存在感が違う。
意識するとせざるとを問わず、「人生とは何か」を突きつけられたから。
俺は役者じゃないけれど、含めて戦後生まれはそこそこだ。
ではいったい、どうすれば立派な役者になれるのか。
1に哲学、2に相馬。3・4がなくて、結局勉強。
物事を感じ、じっくり観察し、考えを深めることが、せいぜい精進の道と思う。
これは競馬も作家も同じよね。