ミュージカル『ジャニス・ジョプリン』の前振りは・・・
ミュージカル『ジャニス・ジョプリン』を近所のミニシアターで観てきました。
本作については後日書くとして、ジャニスの映画で直ちに想起さるるはマイク・ライデル監督『ローズ』(1979年)。
高校生の頃、ツェッペリン『狂熱のライブ(永遠の詩)』やバンドの『ラスト・ワルツ』、ジミー・クリフ『ハーダー・ゼイ・カム』などとともに博多は中洲大洋で観ました。
オープニングはWhose Side are You On。あなたは誰の味方なの?
ベトナム戦争や公民権運動で揺れる1969年。ロックスターのローズ(ベット・ミドラー)は全く休みを貰えず擦り切れている。
マネージャー、ラッジ(アラン・ベイツ)に頼んでも、いっかな聞かず。全米ツアー・公演公演の日々。
却ってラッジは「今日は権威ある批評家がいるから、頼むから今夜だけは“マザーファッカー“言うてくれるな」。
ところが。
◆Midnight in Memphis
ラッジにも作曲家ビリー・レイ(ハリー・ディーン・スタントン。『パリ・テキサス』のあの人)にも冷たい言葉を投げかけられたローズは、夜の街に飛び出す。
ハイヤーに乗り込み雨のなか、訪ねたレストラン。些細な喧嘩に巻き込まれたローズは、ハイヤー運転手ダイヤー(フレデリック・フォレスト)の男気に守られ、惚れる。
実はダイアーは、ベトナムへ送られる軍隊から脱走した兵士だった。
「朝方4時に男が帰ってくる。他の女の匂いを体につけて」
「彼は言うの。ハニー、愛してるよって。女子たちこれをどう思う?」
「〝死ねやクソ野郎!〝だよね」
◆映画の白眉は『男が女を愛する時』
ローズの奔放さに、そして寂しさのあまり昔の恋人セーラ(サンドラ・マッケーブ)とレズビアンする彼女を目撃したダイアーは、だんだん引いてゆく。
しかしそれでも公演は続く。舞台に穴を開けるわけにはない。
◆Sold My Soul to Rock'n Roll
ローズは壊れていく。
◆ヘリコプターで来場の場面
◆ぼろぼろになって、Stay with Me。どうか行かないで。
生き急ぐジャニスの生と死を描いた本作は、稀代のボードビリアンでありコメディエンヌであり、歌手であるベット・ミドラーが迫真の演技。
中洲大洋で観た2年後、東京の大学に受かり来日した俺は、同じく大学に受かった高校からの友人ニシダと東京見物。渋谷で集合し、ファイヤー通りから表参道、246を歩き六本木へ。
あれに見えるは東京タワーかと飯倉へ。霞ヶ関までもう少し、警視庁だの文部省だの見物し、ふと気づけば皇居。
斯くして渋谷から東京駅まで歩いたワタクシどもは、祖師谷大蔵のニシダの下宿まで電車で。スペースシャトルの打ち上げに時計を合わせ、ふたりで飲みました。
後日ニシダを誘い、銀座は晴海通りのあのあたり。道路の下にあった穴蔵みたいな映画館で『ローズ』を再び観ました。
◆クソ有名な主題曲
ローズことジャニス・ジョプリンは酒とドラッグで早世したが、俺は未だに生きている。ニシダもたぶん、生きている。
生きているからこんな映画を見らるるし、和央さんに、ジャニスやローズをプレゼントすることも出来た。20年以上も前のことだが。
生き急ぎ、血は熱く。なので私は真冬でも、冷たいお茶を飲みます。