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手術後の鼻づまり:手術第1段階

手術後の鼻づまりの症状の2番目の投稿です
何より一番気になる「治療」です。
治療は手術で行いますが、3段階に分けることができます。

手術1段階:解ぐし及び構造把握
手術2段階:軟骨の再配置と形作り
手術3段階:支持構造の復元による維持

● Hwee’s Review
= 正常解剖―生理学的構造への復元手術

簡単に一行で答えになります。
しかし、混乱してはいけない必ず考えなければならないことも一つあります。

● Hwee’s Review
= 単純除去では足りない可能性がかなり高いです。
私が公式的にはこう言いますが···
本音は、単純除去すると結局再手術しなければならない可能性が高いがその状態になると手術がもっと難しいです。
単純除去後に復元するには···


私が治療の基本が「復元」だと申し上げたのは、移植された「軟骨」そのものが問題だけだからです。
軟骨だけが問題なら「除去」が答えです。
これ以上必要なものはありません。

● Hwee’s Review
= 「3D三脚構造」から「2D作用-反作用構造」に変化し、その物理的ベクトル、軟骨結びによる変形、
静的なand/or 動的なバルブ力学、そして瘢痕まで多くの要因が複合的に作用しているからです。

実際に単純除去と軟骨縛り手術を受けた方が言われたことが···
「異物感や痛みはよくなったようですが、今は鼻が重たいです··· 膨らんで息が出来ない生地のようです。 鼻づまりは··· ちょっと違う感じで鼻づまりがほとんどそのままです…」

このように除去だけしていた方もいれば、鼻づまりをなくすために 軟骨移植(spreader graft)を追加でまたしても、鼻づまりの症状で苦しんでいる方もいます···

● Hwee’s Review
= 軟骨移植(spreader graft)は、内側バルブの原因の鼻づまりを矯正する代表的な方法であるにもかかわらず、改善されていない理由については
「 軟骨移植(spreader graft) を厚くしたことが果たして正常な解剖-生理構造なのか?」という概念でアプローチしてみると、すぐに答えが出てきます。

抽象的だと思われる方もいらっしゃるでしょう。
...
正常解剖-生理学的構造
...
多分に抽象的な用語ですが、私がこの用語を使う理由は···
それ以外はどうにもうまく表現できないからです。

● Hwee’s Review
= 手術は住宅のインテリアを変えるのではなく
建て替えの概念です。

# 手術の内容
1. 鼻骨、鼻中隔軟骨、上外側軟骨、鼻先軟骨を除くすべての移植物と人工物質を除去
2. 瘢痕除去
3. 鼻骨と軟骨が変形してくっついている状態を確認し、いかなる緊張もかからないようにほぐす
4. 鼻中隔軟骨の状態(曲がり、弱くなった状態など)の把握及び必要な矯正
5. 内側バルブの確認及び既存の移植、 軟骨移植(spreader graft)の確認、必要であれば除去(再度行うことになっても)
6. 上外側軟骨の生理-機能的状態の確認及び必要な矯正
7. 鼻先軟骨の形態学的構造確認、生理学的機能的構造確認および矯正
8. 各軟骨の個別構造だけでなく、軟骨と軟骨が一緒に成る解剖-生理学的構造の確認および矯正

他のセッションの文章で説明しますが、
ここまで行うことが、 私がいつも重要だという······

軟骨を解す
鼻先軟骨再配置準備
です。

ここまで行った後
患者さんに手術前に写真で見せていただいた、希望する鼻の形への矯正手術を始めます。
'もう私の手術をすれば良いのだ...'と言います..
形作りの始まりです。 この辺の段階になると···

鼻の状態により変わってきますが、
ここまで進むのに1.5時間、場合によっては2時間を要することも少なくありません。


図1. 手術記録の例

図1は手術後に記録した手術記録紙の一部だけが見える状態ですが、様々な状態を記録したことが分かります。このような状態把握は骨と軟骨それぞれに対するものですが、ほぐす過程を通じてこそ隠された状態まで全て把握できるようになります。発見できなかった問題点が残っていると、文字通り「問題点」が残っていることになります。

● Hwee’s Review
= 手術第1段階は、正常に鼻の骨、鼻中隔軟骨、上外側軟骨、鼻先軟骨を除いた他の各種移植物、瘢痕などを除去し構造物の変形した状態を把握した後、変形した構造物を正常解剖-生理学的構造に復元する基礎を作ることになります。 

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