見出し画像

手術後の鼻詰まり:団子鼻の矯正に関連する内側鼻バルブの問題

丸みを帯びた鼻先よりも、細くシャープな鼻先が美しい鼻先とされています。このような細い鼻先は、鼻先軟骨の外側角の広がり具合、軟骨自体の形状、そして鼻先の輪郭によって決まります。

以前の記事で述べた「鼻先軟骨と上外側軟骨が交わる部分」とも関連する話題です。

図1: 上外側軟骨末端と鼻先軟骨外側角の巻き構造

図1は簡略化された図で、実際には2つの軟骨の末端は端と端で接しているわけではなく、一定部分が重なり合い、互いに巻き込まれています。この部分を「スクロールエリア(巻き構造)」と呼びます。

Hwee's Review
= このように互いに巻き込まれているのには理由があります。呼吸時に鼻先軟骨が過度に狭くなったり広がりすぎたりしないように支えているのです。

図2: 不適切な鼻先軟骨の結紮で狭くなった鼻孔内の鼻腔

図2は、私が描いた簡略的なイラストで、左側は鼻先軟骨外側角の正常な状態を示しています。一方で、鼻先をシャープにしようとして過度に変形させた結果、右側のように軟骨が鼻孔内に落ち込み、鼻詰まりの原因となる場合があります。

注意点
この図は概念を説明するためのものであり、実際の手術でこれほど単純な変化だけで鼻詰まりが生じるわけではありません。より複雑で大きな変化が起きた場合に、鼻詰まりの症状が現れます。

Hwee's Review
= 内側バルブについては、鼻中隔軟骨と上外側軟骨が形成するTゾーン部分だけに注目し、スプレッドグラフト(展開移植)のみを考える方が多いですが、実際にはそれだけではありません。また、細い鼻先と尖った鼻先は異なります。

「鼻先は丸くなく、かつ単に尖っているだけではいけません。」

美しい鼻先の輪郭が必要です。この詳細については、クリニックのウェブサイトの鼻整形セクションに記載しています。

鼻詰まりの原因となる鼻先軟骨の問題
上記のように、鼻先軟骨外側角が鼻腔内に過度に沈む場合があります。その原因は単純に「鼻先をシャープで細く、尖らせたい」という意図によるものです。

その結果、鼻先が狭く尖るだけで、細く美しい鼻先にはならず、「つままれた鼻」になってしまいます。

つままれた鼻の状態は、鼻先軟骨を縛る方法や使用した軟骨移植法によって異なります。このような状態の診断は、専門知識を持った形成外科医が行う必要があります。

Hwee's Review
= 修正には、まず不適切な鼻先軟骨の結紮(縛る)や癒着をすべて解き、軟骨自体に緊張や引っ張り、ずれが生じないようにする「鼻先軟骨の緩和」を慎重に行う必要があります。

実際の手術では単純ではありません。軟骨が瘢痕組織と絡まっているため、図のように軟骨が簡単に見えるわけではありません。さらに、軟骨が裂けていたり欠けていたりする場合もあり、まるで考古学の遺跡を発掘するかのように瘢痕の中から軟骨を探し出すような作業になることがあります。

Hwee's Review
= 次に行うのが「鼻先軟骨の再配置」です。

2010年に鼻先軟骨の結紮(縛る)に関する研究発表を行い、その際に「再配置」という用語とその概念を提唱しました。
しかし、最近では患者の方々がインターネットで「勉強」されたと言いながら話される「再配置」は、少し異なる意味で使われているように感じます。

結局、誤って処置された鼻先軟骨をしっかりと見つけ出し、癒着を解消して緊張やずれ、引っ張りがない状態に整え、快適に再配置し、その状態を維持することが矯正の方法になります。

維持するためには、単に軟骨を結紮(縛る)するだけでは不十分で、自家軟骨を使用する必要があります。この際、正常な支持構造があった部位に軟骨移植材を使用する必要があるというのが私の考えです。これにより、異物感、歪み、鼻詰まり、痛みなどの問題を引き起こすことを防ぐことができます。

いいなと思ったら応援しよう!