見出し画像

三角形の鼻孔、鼻孔下げ術における軟骨移植法(2)

前回の記事では、三角形の鼻孔が形成される原因についてお話しいたしました。

本日は、その矯正方法について詳しくご説明いたします。

図1. 正常な鼻先軟骨外側角(脚)の開き角度

前回の記事では、三角形の鼻孔が形成される根本的な原因として最も大きなものは、図1に示されているように鼻先軟骨外側角(脚)の開き角度が小さくなることであると説明いたしました。

휘’s Review
鼻先が上向きになった角度とは異なります。

多くの方が、鼻先の角度が上向きになった状態と三角形の鼻孔を混同されることがありますが、これらは全く別の問題です。そのため、一般的に言われる「上向き鼻(豚鼻)」の矯正とは異なり、根本的な原因である鼻先軟骨外側角(脚)の開き角度を矯正する必要があります。


図2. 外側角ベクター補強用移植材

図2は、外側角ベクター補強用移植材を示しています。グラフィックが初歩的なため文字が見づらいかもしれませんが、これは補強のために使用する移植材です。

鼻先形成において重要なポイントとして、私は次の3つを挙げています。
1. 軟骨の開放
2. 軟骨の再配置と形状の整え
3. 支持構造の復元によるベクター補強

휘’s Review
図2の移植材を調整することで、鼻先軟骨外側角(脚)の開き角度を調整することが可能です。

簡単に申し上げますと、移植材の幅を広げることで、鼻先軟骨外側角(脚)の開き角度を正常な角度に広げることができます。これは、Dr. Tebbettsという医師が提唱した「外側角開放移植術」と同様の技術です。

前回の記事で、鼻先軟骨外側角(脚)の開き角度が過度に狭まることで三角形の鼻孔が形成されるのが最も根本的な原因であるとお話ししました。この開き角度を正常に復元することが、根本的な矯正・修復治療となります。

ただし、鼻先軟骨外側角(脚)の軟骨自体が大きく損傷している場合や非常に弱い場合、症状が再発するケースもあります。

これまでの経験では、いくつかの症例を記憶しています。ある方は鼻先軟骨外側角が半分程度失われている状態でした。また、別の方は鼻先軟骨外側角(脚)が理由は不明ですが非常に弱化している状態でした。

手術が終わった時点ではきれいに矯正された状態でしたが、経過観察中に再び症状が少し現れるケースがありました。

軟骨がほとんどない、もしくは弱い場合、自家軟骨を使用して補強し、新たに軟骨を形成する処置を行いましたが、元の軟骨が非常に弱いと結果に影響を及ぼすことがあります。

このようなケースでは、私自身も非常に歯がゆく感じます。手術が終わり、縫合をしてテーピングをする段階では問題がないように見えても、時間が経つと再矯正が必要になることがあるからです。このような場合、再び鼻先軟骨外側角(脚)の弱い部分をさらに補強する必要があります。

最初から非常に強く補強すれば良いように思われますが、過剰に強化すると、わずかに残った軟骨に負荷がかかり、接続が難しくなったり、裂けたり、鼻孔の内側や皮膚側に膨らんで見える可能性があります。そのため、正常な軟骨の厚みや大きさに合わせて復元することが基本となります。

手術はレゴブロックを組み立てるようなものとは異なります。特に再手術の場合は、状態によって予想外の変化が生じることもあり、瘢痕反応によって結果が異なることもあります。そのため、手術は機械的に行うのではなく、手術中に繰り返し確認・診断しながら進めていく必要があります。

いいなと思ったら応援しよう!