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鼻筋の輪郭にできる逆V字型の影の修正

前回の記事でも述べたように、逆V字の影は鼻骨よりも下、つまり外側上部軟骨と鼻骨が接する部分で見られます。

手術直後は腫れているため、はっきりとは見えませんが、手術による急性の腫れが引いていく過程で現れることがあります。そして再び、1年程度の時間が経過することで消えていきます。

●なぜ途中で現れるのか?
手術を受けた鼻の軟部組織に細胞と組織が大幅に増加した状態になるためです。
骨から軟骨へ移行する部分は、骨と軟骨の特性が異なるため、それを覆っている軟部組織の安定化過程が少し異なると考えられます。

簡単に言うと、いわゆる「急性の腫れ」は水が溜まっているような状態です。そして1か月程度経過すると、手術部位を回復させるために細胞が非常に増殖します。この細胞増殖によって、鼻の皮膚が厚くなった状態になります。

厚くなった皮膚は、骨を覆っている部分と軟骨を覆っている部分で大きな違いはありませんが、骨から軟骨へ移行する境目の部分では差が強調されて見えるのです。

1年程度の時間が経過することで軟部組織、つまり皮膚の厚みが減少し、最終的には鼻背の輪郭が逆V字なしで現れるようになります。もしそうならない場合、矯正手術が行われます。

●矯正手術の一般的な方法
通常、この矯正手術は簡単な脂肪移植で対応可能です。
鼻孔内部に約3mmの切開を加え、顔のくぼみに脂肪を移植する要領で、脂肪移植により輪郭ラインを整えます。

この場合は、鼻骨や鼻中隔軟骨、外側上部軟骨に特に問題がないケースが該当します。しかし、以前の手術によって鼻骨や外側上部軟骨に問題がある場合は、再手術を行いこの部分を先に矯正する必要があります。基本的な骨格構造に問題がない場合でも、逆V字の影が現れるケースでは脂肪移植による矯正が適用されます。

脂肪移植といっても、単に問題を覆うための処置ではなく、脂肪移植によって鼻を覆う皮膚、つまり軟部組織を矯正するものです。

●鼻を覆う皮膚(軟部組織)の厚みについて
詳細に見ると、鼻を覆う皮膚の厚みは一様ではありません。
• 両目の間の部分は厚く、
• 鼻骨から軟骨へ移行する部分は非常に薄く、
• 鼻先の直前部分が再び厚くなる…
このように部分によって異なります。

そのため、鼻骨から軟骨へ移行する部分の皮膚が比較的薄い人の場合、逆V字の影が目立つことが多く、脂肪移植は単なるカバーではなく、原因を矯正する方法となります。

●骨切り術後の注意点
骨を矯正する必要がある場合もありますし、拡張移植が必要になることもあります。ただし、見た目だけを考慮して拡張移植が不要な場合にも施行したり、過度に厚くすると「空鼻症候群」を引き起こす可能性があるため、慎重に判断して矯正する必要があります。

上述の通り、骨や軟骨に特に問題がない場合、最終的には皮膚の軟部組織の厚みが原因となるため、脂肪移植で効果が期待できます。

●矯正のタイミング
重要なのは、このような矯正が必要かどうかの診断や判断は、軟部組織の増殖した細胞や組織が安定した後に十分に行うべきだという点です。
手術後、十分な時間をかけて変化する様子を見守り、急いで矯正を行わないようにする必要があります。
急いで対応すると、最終的に必要のない部分の皮膚軟部組織が厚い状態のまま残ってしまうからです。

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