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鼻先が上に引き上げられるメカニズム、軟骨の再配置、軟骨の緩め方
鼻の手術後に鼻先が上がる理由として、
「鼻先軟骨縛り」を行う際に、ベクトルを考慮せず軟骨の再配置や軟骨を緩める処置をしなければ、鼻先が上がると何度か述べてきました。
説明が難解ですが、今日はなぜそうなるのか、そのメカニズムについて説明してみます。
휘’s Review
•鼻先軟骨外側角で長さを補充しないと、鼻先軟骨は上がってしまいます。簡単に言えば、正面から鼻の穴が見えるようになるということです。
この症状は鼻先の角度が大きくなったもので、鼻孔の一部が三角形のように突き出して別々に上がる現象とは全く異なるメカニズムです。
メカニズムの説明
1. 両手の親指と人差し指で一定の長さの糸を掴み、糸を伸ばして持ちます。
2. 左手は机の上に置き、右手で糸の反対側の端を掴んで垂直方向に持ち上げてみます。
휘’s Review
•絶対に完全な垂直にはなりません。最初は少しだけ持ち上げるとその変化に気付かないかもしれませんが、糸を切らないようにしながら右手を上げ続けると、糸が円の半径のように作用して、ある瞬間に右手は垂直ではなく円を描くことがわかります。
この例を理解できたところで、これがどのように「鼻先軟骨結び」と関連しているのか見ていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1735001493-dJ7lxR9EQWg2ISaAKik3bqO8.jpg?width=1200)
図1では、紫色の線が鼻先軟骨外側角部分を示しています。
紫色の線の左端は鼻先軟骨外側角の最も端の部分を表し、
右端は鼻先を形成する部分までを示しています。
この紫色の線を両手の親指と人差し指で掴んだ糸だと仮定し、紫色の糸の鼻先に該当する点を垂直方向に持ち上げてみることを想像してください。
휘’s Review
• 鼻先の高さを上げるのは、図の右方向に鼻先の高さを上げることを目的として行うものですが、予期せぬ上方へのカーブ現象が発生します。
ベクトルを理解するための補足
「ベクトル」という表現を難しく感じる方も多いかもしれませんが、難しい言葉を全て省いて、図と内容で理解していただいても構いません。
正確に言えば、この説明はかなり単純化されています。
数学や物理を学んだ方にとっては、私が「ベクトル」と表現している内容が正確ではないと感じられるかもしれませんが、分かりやすく説明するためです。
解決方法
どうすればこういった問題を防ぐことができるのでしょうか?
휘’s Review
• 糸を最初から長く持ち、右手を上げながら糸を少しずつ緩めて長さを伸ばすと、円弧を描かずに右手を垂直方向に持ち上げることができます。
これを手術中に適用することで問題を解決できます。
図1を見ると、鼻先軟骨外側角部分とその上の外側上軟骨の下端が交わる部分が赤い楕円形で示されています。
• この部分は外側上軟骨の下端と鼻先軟骨外側角の上端が交わる部分で、密着しているわけでもなく、断面同士が接しているわけでもありません。
• 巻物のようにお互いが巻き込まれている状態です。
これを「スクロールエリア(scroll area)」と呼びます。
휘’s Review
• 糸の長さを延長するのと同じ概念で、スクロールエリアの巻き込まれた余剰軟骨を緩めると、軟骨の長さを延長することができます。
以上がベクトルの概念を手術に取り入れる理由であり、そのためには軟骨の再配置が必要になります。そして、正確に再配置を行うためには軟骨を緩める処置が必要なのです。このメカニズムが理解できたなら、手術の基本的な仕組みを理解したことになります。
ただし、手術中に軟骨を緩めずに力で押し込む方法は逆効果を生みます。
反作用の問題
• 軟骨に力を加えれば加えるほど、その力に比例した反作用が発生します。
• その結果、手術直後には問題がないように見えても、しばらく経つと鼻先が上がる症状が現れます。
鼻先軟骨の再配置の重要性
軟骨を緩め、緊張のない状態で希望する位置と角度に再配置することが重要です。このプロセスを「鼻先軟骨再配置」と呼びます。
患者の多くは、過去の手術で軟骨が弱くなっており、それを補強するために自家肋軟骨が用いられます。
軟骨が弱いままだと、新しい鼻先軟骨複合体の形状や高さが維持できないため、補強が必要なのです。
例えば、普通の紙を使って形を作れば維持されますが、柔らかいティッシュを使えば崩れてしまうように、材料の選定も重要です。