三角形の鼻孔と鼻孔を下げる軟骨移植法(2)
前回の記事では、三角形の鼻孔が生じる原因について説明しました。
本日は、その矯正方法について記述します。
前回の記事で、三角形の鼻孔が生じる最も大きな原因は、図1に示されるように、鼻先軟骨外側角(脚)の広がり角度が狭くなることであると説明しました。
●Hwee's Review
= 鼻先が上向いている角度の問題とは異なります。
多くの方が、鼻先の角度が上向いていることと三角形の鼻孔を混同されていますが、これは全く別の問題です。
そのため、一般的に言われる「上向き鼻」の矯正とは異なり、根本的な原因である鼻先軟骨外側角(脚)の広がり角度を矯正する必要があります。
私のグラフィック技術が未熟で文字がぼやけていますが、これは「外側角ベクター補強移植物」です。
鼻先整形において、私が最も重要だと考えるポイントは以下の3つです。
1. 軟骨の緩和
2. 軟骨の再配置と形状作り
3. 支持構造の復元を通じたベクター補強
●Hwee's Review
= 図2に示されるような移植物を調整することで、鼻先軟骨外側角(脚)の広がり角度を調整することができます。
簡単に言えば、この移植物の幅を広げることで、鼻先軟骨外側角(脚)の広がり角度を正常な角度に広げることが可能です。
この方法は、Dr. Tebbetts が提唱した「外側角広がり移植術(Lateral Crural Strut Graft)」と同じ考え方です。
前回の記事で、鼻先軟骨外側角(脚)の広がり角度が過度に狭くなることで三角形の鼻孔が生じるのが根本的な原因だと述べました。この広がり角度を正常に復元することが、根本的な矯正治療となります。
治療中に起こり得る課題
ただし、鼻先軟骨外側角(脚)の軟骨が大きく損傷している、または非常に弱いといった理由で、症状が再発する場合もあります。過去の手術例を振り返ると、次のようなケースがありました。
1. 鼻先軟骨外側角の半分が欠けていたケース
2. 鼻先軟骨外側角の軟骨が極端に弱化していたケース
これらの場合、手術後しばらくは良好な状態でし経過観察中に症状が少し再発しました。軟骨が非常に弱い場合は、自家軟骨で補強し新たな軟骨を作ることも行いましたが、元の軟骨が非常に弱いと効果が制限されることもあります。
矯正時の課題
このような場合は非常に残念で、私自身も悩むところです。手術終了時や術後の治療期間中には問題がなく、最初の経過観察でも異常がなかったにもかかわらず、時間が経つと再矯正が必要になることがあります。
その後、鼻先軟骨外側角(脚)の弱い部分をさらに補強し再矯正を行いました。最初から非常に強く補強すれば良いのではと考えるかもしれませんが、過剰に強化すると、以下のような問題が発生する可能性があります。
• 弱い軟骨に接着させることが困難になる
• 移植した軟骨が裂けたり、鼻孔内側や皮膚に膨らんで目立つことがある
そのため、可能な限り正常な軟骨の厚さと大きさに合わせて復元することが基本となります。
再手術の難しさ
手術はレゴブロックを組み立てるように単純なものではありません。特に再手術では、軟骨や周囲の状態に応じて予期しない変化が生じる場合があります。さらに、瘢痕組織の反応によって結果が異なることもあります。
そのため、手術は機械的に行うのではなく、術中に繰り返し確認・診断しながら進める必要があります。