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手術後の鼻詰まり: 過折骨、再折骨、鼻骨の問題

この部分を説明する前に、まず用語について明確に理解しておく必要があります。

ほとんどの方が、「鼻骨切骨術(幅寄せ)」は鼻骨を削って狭める手術だと理解しているようですが、実際にはそうではありません。

「折骨(절골)」とは、文字通り「骨を折る」という意味です。この単語には「骨を狭める」という意味は含まれていません。

なぜ骨を折るのか?

軟骨や皮膚などは、手術用のメスで剥離して変化させることができますが、骨は硬いため、それができません。そのため、まず「骨を折る」ことで動かせるようにするのです。

骨を折って動かせるようにした後は、必要に応じて、
• 鼻骨が広ければ狭める
• 鼻骨が狭ければ広げる
• 歪んでいる場合は矯正する

といった処置を行います。

そのため、一般的に使用される「過折骨(과절골)」という用語は、不適切な表現です。

多くの方が、鼻骨切骨術後に鼻骨が過剰に狭まり、呼吸がしにくくなったと感じるようですが、原因が鼻骨だけであることはほとんどありません。

たとえば、「過剰に骨切されて鼻詰まりが起きたようなので、鼻骨だけ広げてください」とおっしゃる方も時々いらっしゃいます。

他の病院で鼻骨切骨術や鼻中隔軟骨で鼻尖形成術を受けた後に、インターネットで「鼻骨切骨術後6週間以内であれば、鼻孔から器具を挿入して鼻骨を広げられる(非切開手整復術)」という情報を見て、骨折による鼻道を広げれば良いと考えて来院される方もいます。この方法を「再骨折」と表現する方もいらっしゃいます。

念のため申し上げますが、「再折骨(재절골)」という用語は存在しません。「過折骨」という用語がないのと同じです。用語通りに解釈すると、再手術で骨をさらに狭めるという意味になりますが、実際はそうではなく、広げることを指しているのです。

Hwee's Review
呼吸時に空気が通る道筋を見ると、鼻骨自体がある方向に空気が流れる量は、思ったほど多くありません。
それよりも、鼻骨切骨術後に鼻骨が過剰に狭まった場合、
内側バルブへの影響が鼻詰まりの原因と関連している可能性が高いです。

図1. 鼻骨と上外側軟骨

図1を見ると、上外側軟骨が鼻骨の基部に8〜10mmほど入り込んでいることが分かります。

図2. 鼻骨切骨術に関連する軟骨の動き


図2では、中央の赤い柱が鼻中隔軟骨を表し、広がった赤色と青色の翼は上外側軟骨を示しています。

鼻骨切骨術前に赤い状態だった上外側軟骨が、骨切り後に鼻骨を狭めると、それに伴い軟骨も狭まります。

Hwee's Review
ここまで読んでいただくと、
もしかすると「鼻骨を切断して狭める術式は絶対に行うべきではない」と誤解されるかもしれません。

しかし、それは違います。幸いにも、鼻骨切骨術という術式が初めて始まった西洋白人の鼻整形においては、現在でも必須の術式である場合が多いです。では、何十年もの間、そして現在でも行われているこの術式の問題点を認識しながら実施しているのか? あるいは、膨大な数の鼻詰まり患者が生まれているのか? といった矛盾した結果に行き着くことになります。

結論:鼻詰まりに関連して
1. 鼻骨切骨術および上外側軟骨の関連原因の認識と診断
2. 鼻骨切骨術による直接的な骨の移動と上外側軟骨の移動に関連する内側バルブの問題だけでなく、他の原因がさらに大きく影響している可能性があるという推論

手術、特に鼻骨切骨術後の鼻詰まりについては、2つの原因に分けて診断し、矯正する必要があります。

●1つ目
鼻骨切骨術が適応される状態かどうか、適応症を慎重に診断し、手術の要否を決定することが必要です。この基本的な部分を強調する理由は、鼻骨が非常に小さく短い状態でも鼻骨切骨術を受けた方がいらっしゃるためです。
時には、コーディネーター(室長)が鼻骨切骨術を勧めたという話も耳にします。手術内容の決定は、専門医が詳細に診察して判断すべきです。説明したメカニズムによって骨折術および関連する上外側軟骨の問題であれば、それに応じた矯正手術(鼻骨を広げる手術やバルブ手術)を行います。

●2つ目
他の病院で1回目、2回目、3回目と鼻骨切骨術の鼻骨を広げる手術や内側バルブ手術を受けたにもかかわらず、鼻詰まりが改善せず、最終的に当院を訪れる方もいらっしゃいます。

私の経験では、鼻先を高くするための力がすべて鼻中隔軟骨に集中する術式で手術を受けた方の場合、骨折術やバルブ手術だけでは鼻詰まりが改善しないケースも見られます。そのため、鼻全体を再診察し、鼻骨から鼻先までを正常な解剖学的構造に復元する必要があります。

非常に複雑な内容を簡潔にまとめました。混乱されるかもしれませんが、その混乱こそが正常です。医学はもともと複雑なものです。医師たちは、その複雑さに慣れるために勉強し、訓練を受け、さらに学び続けて診断を行っています。

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