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鼻尖軟骨縫合:鼻翼軟骨内側脚と鼻中隔軟骨の縫合

鼻尖軟骨縫合が簡単なものではないとお伝えしたように、まだ終わっていません。今日は鼻柱にある鼻尖軟骨の内側脚部分と、鼻孔内側にある鼻中隔軟骨を縫合する方法についてお話しします。


1、鼻翼軟骨内側脚と鼻中隔軟骨の縫合方法

この2つの軟骨を縫合することは、構造を変形させるものではありません。鼻尖軟骨は鼻柱で垂直に存在するのではなく、内側に曲がりながら鼻中隔軟骨に接続されています。これは正常な鼻尖軟骨の支持構造の一つです。

図1.鼻先軟骨支持構造 

図1をご覧になると、「①弾性繊維で付着」と記載されている部分があります。元々、鼻尖軟骨は鼻柱でただ垂直に配置されているのではなく、内側に曲がりながら鼻中隔軟骨に接続されています。これは正常な鼻尖軟骨の支持構造4つのうちの一つです。


鼻尖軟骨縫合にはさまざまな種類があり、同じ軟骨縫合でも数mmの違いでその効果が全く逆になることがあるとお伝えしましたが、この方法も同様です。


図2 鼻先を上げるための方法

図2は、鼻尖軟骨縫合の効果を示すための図で、内側脚の下部が鼻中隔軟骨に曲がって図1の「④弾性繊維で付着」となっている構造は表現されていません。

図2は、鼻尖軟骨縫合を行いながら鼻尖を高くする目的で実施する際の効果を示しています。縫合する位置が数mm変わるだけで、鼻尖軟骨を低くする効果などが現れることもあります。また、鼻尖の突出には影響を与えず、下がった鼻柱の症状を矯正することもできます。

2、鼻翼軟骨内側脚と鼻中隔軟骨の縫合の目的


1. 鼻尖の突出
2. 鼻尖の下降
3. 垂れた鼻柱の矯正

3、鼻翼軟骨内側脚と鼻中隔軟骨の縫合のベクトル(力と方向)

鼻尖の突出を目的としたこの方法は、容易に鼻尖の突出度を増加させることができますが、縫合糸によって軟骨が裂け、効果の維持に失敗する場合もあります。また、鼻翼軟骨が非常に小さく弱い場合、実施が困難です。術者によっては2回の施術が必要とされることもあり、鼻柱の後退を引き起こす可能性もあるため、注意深く行う必要があります。この方法は鼻柱軟骨移植法の代替には不十分であり、さまざまな縫合矯正法のベクトルを支える固定点として鼻翼軟骨内側脚全体を強化するという概念で実施されるべきです。また、東アジア人のように鼻尖を突出させながら下方に回転させる必要がある場合、この方法では鼻尖が上向きになる可能性があるため、注意が必要です。したがって、鼻尖の位置を適切に調整するためのベクトルを考慮した他の方法を併用することを忘れてはなりません。


4、鼻翼軟骨内側脚と鼻中隔軟骨の縫合の効果


1. 鼻尖の突出
2. 鼻尖の上方回転
3. 鼻翼ドーム間の距離の増加
4. 鼻柱の後退

5、まとめ

鼻尖軟骨縫合は単純なものではなく、施術中に生じるベクトル(力と方向)を考慮する必要があります。鼻尖軟骨は完全に自由に浮いているわけではないため、反対のベクトルが生じます。これらのベクトルは手術中には目立たない場合もありますが、すべての鼻尖軟骨縫合において注意が必要です。

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