小さなWeb制作会社が情報発信を継続するために
これまでの小さなWeb制作会社シリーズ
弊社は15名ほどの小さなWeb制作会社です。
これまで中小企業の皆さんへ情報共有で「小さなWeb制作会社」シリーズをnoteに投稿してきました。
以下はこれまでの「小さなWeb制作会社」シリーズです。
上記の投稿は公開後もコンスタントにアクセスいただいており、一定のニーズがあることを実感しております。
弊社noteにもよりアクセスが増えればな…という期待もありますが。
そこで今回は「小さなWeb制作会社の情報発信」がテーマです。
弊社では広報や宣伝の情報発信は兼務で行なっていますが、ここに至るまで数年間は試行錯誤してきました。今では外向けの情報発信が組織内に根付き、成果も実感しています。
Web制作会社も実は苦手な情報発信
Web制作会社はお客様へ最初に
「Webサイトをしっかり更新しないとアクセスも伸びませんよ」
とよくご意見するのではないでしょうか?
しかし肝心のWeb制作会社のコーポレートサイトは「年末年始休暇のご案内」しか発信されていないという事例も散見します。
Web制作会社は顧客向けの制作は得意であっても、自社の情報発信が実は苦手、後回しというのは弊社も実体験としてわかります。
弊社でも過去に持ち回りで記事を投稿するなど取り組みましたが
「Web制作が忙しいのであと回しにさせてください」
「なんのため?役に立ちますか?」
「効果あるんですか?」
とお客様には到底お聞かせできない低いレベルからスタートしています。
誰に向けて、何のために情報発信するのか?からスタート
弊社ではまず
誰に向けて
なんのために
発信するのかを決めるところからスタートしました。
以下の三つの方向性が現在まで続く基礎になっています。
求職者向け
当初、「求職者向け」はリクルート強化の観点からも最も優先度が高い対象者でした。弊社は異業種転職&業界未経験の採用が多いので、情報発信により外から伺えないWeb制作会社のリアルに共感してもらい、求人を増やしたいという目標がありました。
求職者向けを強化することで、面接時にいただく質問の精度が上がり、応募件数、応募者とマッチする可能性も上がったと感じています。
既存顧客向け
情報発信では、新規案件獲得の目的からスタートする場合も多いと思います。ただ、弊社にはWebサイト運営サポートで、すでに数多くの既存の顧客がおられました。
サポートする顧客が増えても、弊社が新しい相談ができるパートナーかどうかを知っていただく機会は、偶然がない限りなかなか作り出せません。また顧客内での異動もあることで、関係が希薄になっていくリスクも感じていました。
そこで、「既存の顧客向け」優先度2番目に既存の顧客向け発信を設定しました。既存の顧客向けだと、各担当者からも「知ってほしいこと」「伝えたいこと」が自然に出てきました。また、発信を続けていると担当者様からも「見たよ」と声をかけていただく機会も増え、手応えを感じることが多くなりました。
新規顧客向け
2019年頃から最後に手がけたのは「新規の顧客向け」情報発信です。全くの新規お客様からご相談を受けることを目標とした情報発信は、コロナ禍期間に一気に優先度が上がりました。
新規顧客向けには発信した情報をどのように届けるか?どのように行動してもらうか?新規顧客像はどんなか?など、決定するべきことが飛躍的に広がります。
以上から、弊社が取った
求職者向け
既存の顧客向け
新規顧客向け
という優先順位での情報発信の拡大は、組織合意を作りながら進めたため、今では良かったと考えています。
どのように発信をしているか?
誰に向けて、何のために発信しているかを決定した後は、どのように発信するかになります。もともと弊社も、自社サイトのニュースだけで不定期に発信をしていました。
しかし「誰に向けて」「何のため」を実現するには、最適化された情報発信が必要だと認識したことで、徐々に発信方法が広がってきた経緯があります。
求職者向け情報発信
既存の顧客向け
新規顧客向け
誰が情報発信をやるのか?問題
では、誰が情報発信をやるのか?という小企業の最難問についてです。
弊社では営業職がおらず顧客との直接取引がほとんどで、ほぼ全員が担当顧客を持ち、日々制作や改善提案も行っています。そのため制作担当者を情報発信の兼任担当にすることに違和感はありませんでした。
そこで「広報宣伝チーム」とし数名を選抜し、月次で情報発信を計画・実行することにしました。
メンバーは社歴が浅いスタッフを中心とし、新鮮な目で情報発信に取り組みつつ、自社についても学ぶ機会としました。会議には代表も同席し、発信内容の可否も即決できるように、負担軽減を図っています。また社内には、「広報宣伝チーム」は全社課題に取り組んでいるため、サポートするよう周知しました。
「広報宣伝チーム」には新規採用があるごとに入れ替えをしながら、情報発信が得意なメンバーも見えてきたため、半固定メンバーになりつつあります。
また弊社では半期ごとに全スタッフ、全チームの振り返り報告の会があり、「広報宣伝チーム」も半期で発信したニュース件数や反響を全スタッフに報告します。ここでチームに参加していない人も全社課題として情報発信への理解を深める機会になっています。
月例会議で発信ネタを選択
「広報宣伝チーム」は月1回の会議で情報発信内容や運営サイトの改修なども検討します。
月1回の会議は、チームにとってもアイデアと活気の場。15名ほどの小企業で起こる出来事を、各メンバーの視点で集めます。
メンバー一人一人が必ずアイデアを持ち寄り、新サービスの開発、社内研修、魅力的な制作事例などなど。それらを情報発信に繋げていきます。
発信内容が決まれば、次は記事の作成に入ります。記事作成は「広報宣伝チーム」中心ですが、必要に応じて社内の最適な人へ依頼も行います。
こうして、3ヶ月先までの情報発信内容が徐々に形になっていきました。
こうした経験から小企業でも発信できる情報は多数あると自信がつきました。
1〜2年回すと年間計画ができる
こうして1〜2年間の情報発信を継続すると、季節ごとの固定の発信内容などが見えてきて、大まかな年間計画が立てられるようになってきました。
年間計画を軸にすることで、運営が楽になり、アイデア検討に時間を割くことができるようになりました。今後、新しいメンバーが入った時もチームに参加しやすい土台を作ることができます。
とはいえ、自社の事業活動はどんどん変わっていくので、やはり月1回の会議でアイデアの持ち寄りは継続が必要だと考えています。
情報発信から生まれる、新たなアイデア
情報発信に力を入れ始めてから、さまざまなアイデアが生まれてくるようになりました。特に、コロナ禍の行動制限が緩和された2023年には、「なかなかお会いできないお客様に喜んでもらいたい!」という思いから、双方向の情報発信企画「プランユーケーWEBまつり」を開催いたしました。
初めてチラシDMを発送したり、抽選でAmazonギフト券をプレゼントしたりと、お客様に喜んでいただけるよう、さまざまな企画を実施いたしました。その結果、多くのお客様にご好評いただきました。
好評につき、「第2回プランユーケーWEBまつり」の開催も準備中!
情報発信は、お客様との繋がりを深め、新たなアイデアを生み出す力を持っていると確信してます。
小さな会社ほど情報発信をやった方がいい
以上が、15名ほどの小さなWeb制作会社の情報発信のはじまりから現在までです。
誰向けにやるのか?
どのようにやるのか?
誰がやるのか?
などつまづくポイントは企業の代償に関わらず同じかも?とも思います。
とはいえ、営業スタッフがいない、広報担当がいない小企業だからこそ、業務に精通したスタッフによる情報発信はよりリアルに顧客、求職者の両方に届くと弊社では考えています。