アオモリトドマツ/オオシラビソ/青森県など北東北
【オオシラビソ】大白檜曽
別名:アオモリトドマツ、青森椴松
学名:Abies mariesii
マツ科モミ属の常緑針葉樹
英名: Maries’ fir(マリーズ・モミ)
分布:本州の中部以北、亜高山帯
その他別名:モロビ(秋田県)、トガ(石川県、マツ科ツガ属ツガに似ているから?)、他にはオオリュウセン、オオシラベなど(地域等は不明)
<基本情報>
日本固有種。緩やかな傾斜地では高さ25〜30mになるが、森林限界(高山などの環境条件で森林生育が不可能になる限界線)以上では低木になる。
東北地方の樹氷を形成する樹木。
球果の長さは約10cm前後と大きく上向きにつき、秋頃に紫藍色になる。種子は1cmほどで翼があり、熟したのち上部で散らばる。
「オオシラビソ」の名の由来は、「シラビソ」(白檜曽、Abies veitchii)よりも球果が大きいからという説が多い模様。「アオモリトドマツ」基準標本産地である青森の名と、同属種「トドマツ」(Abies sachalinensis 、北海道に見られる)からといわれる。
▼トドマツと思われる。
世界での近縁種は、ウツクシモミ(アマビリス、Abies amabilis) のみ。
学名「mariesii」、英名「Maries’ fir」は、1878年に八甲田山で発見した英国のプラントハンターCharles Maries(チャールズ・マリー)の名にちなむ。
<主なフィトケミカル>
香気成分は、多くの針葉樹に含まれるα-ピネン、リモネン(柑橘類に多く含まれる)、モミ属に多いボルニルアセテートなど。葉部抽出物にはマルトール(樹木のカツラや松葉にも含まれ、カラメル等の甘い香りの食品添加物にも使用される)が確認されている。(森林総合研究所1994)
<青森県では>
青森市制定の樹木。
命名の由来と発見地でもある八甲田山(大岳を主とする連峰の総称)がある。樹氷を形成する代表格は八甲田を含む東北地方にあり、八幡平(秋田県・岩手県)、蔵王(山形県・宮城県の連峰)などが知られている。
▼蔵王
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