食料自給率、植物工場、イネ栽培、食の安全保障?
自民党総裁選、盛り上がってますかね。
高市早苗さんは、高市早苗チャンネルで、食料自給率、完全閉鎖型植物工場、食の安全保障、などのキーワードで15分の動画を公開されています。
社名こそ出ないですが、プランテックスさん推しでしょうか。
植物工場といえば、レタス(、に加えて最近だとイチゴ)、というイメージ
がありますが、イネも昔から栽培研究はされております。
最近ですと、ムコライス、あるいはワクチン米というキーワードで、朝日工業社さんがイネの栽培研究をされています。
医療用のイネは、遺伝子組み換えとなることが多く、遺伝資源の流出を防ぐために、屋内型の植物工場と相性が良いとされています。
こういう植物工場の使い方は、どんどん広まってほしいです。
イネといっても、主食のイネを育てるのは大変です
イネ栽培の実績報告書から、植物工場で「自給率を充たす為の」イネを育てると、具体的にどのあたりが大変か試算してましょう。
https://medals.jp/archives/syokubutsu/2009_shokubutsu_project-report_chukan.pdf
繰り返しですが、「国民の自給率を充たす為」の雑な試算ですので、その点をご理解ください。
まずは面積の観点
先の実績報告書から、おおざっぱに値を抜き出します。
「収量 1000 g/㎡」
「1年で3毛作」
人が1日に食べる米を、2合(300g)としましょう。
1年で1人110 kgのお米を食べることになります。
お米屋さんに積んである大きな米袋は30kgなので、あれが4袋です。結構な量ですね。
栽培面積1㎡で年間3kg(3毛作合算)のお米が収穫できます。
一人分の110kgのお米を取るには、約37㎡の栽培面積が必要です。
さて、日本国人口の掛け算していきます。
1.2億人分を栽培すると、約4,400㎢です。
山梨県や京都府ぐらいの栽培面積ですね。
思ったより狭いと思った方、広いと思った方、様々でしょうか。
ご参考ですが、令和4年の主食用イネの作付面積は12,500㎢だったそうです。
植物工場だったら、多段システムでしょう!と、5段ぐらい積み上げて、無理やり栽培面積を1/5にすると、880㎢です。東京23区ぐらいのサイズ感になってきました。
東京23区の面積で日本国民の米が栽培できるって、すごいなー!
(計算あってるかな・・)
つぎに電力の観点
最初に申し上げますが、こっちは大変なことになります。
関係各所からクレームが届きそうで怖いです。
先の実績報告書から、電力にかかる、光強度の情報を取得できます。
「光 1200 μmol/㎡/s」
「12時間明期」
LEDの効率がわかれば、おおよその電力量が算出できます。
1Wで、何μmolの光量子を出力するかという、μmol/Jという単位が知られています。いわゆる効率です。
ちょっと効率が良い白色LEDと仮定して、2.5 μmol/Jとしましょうか。
あとはゴリゴリ計算するだけですね。
1200 / 2.5で、LEDが480 W/㎡の栽培システムになります。
1日12時間照明をつけるので、1日の電力量は、5.76 kWh/㎡です。
恐る恐る、4,400 ㎢をかけましょうか・・・。
約25TWh。。。。。
日本の大型の原子力発電所の定格出力は1GW程度のようなので、
え、1000基必要???
滝汗
この電力量の試算は、LEDの電力量だけなので、空調だったり、ポンプだったり、なんやかんやで、実際はこの2倍ぐらいかかってきたりします。
ということで、、
植物工場で主食のイネをガンガン育てるぜー、と言っている方は、要注意です。
もちろん、高市さんはそのようなことは決しておっしゃっていません。
でも、無農薬セレブ米はニーズあるかも?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?