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【大学探訪シリーズ】千葉大学工学部 総合工学科 デザインコース“意匠展”

こんにちは。Kです。
今回は【大学探訪シリーズ】と題しまして、3月8日~10日に行われた千葉大学工学部 総合工学科 デザインコースの卒業研究・制作展“意匠展”のレポートをお送りいたします。


千葉大学工学部 総合工学科 デザインコースとは?

千葉大学 工学部 総合工学科 デザインコース/オリジナルサイト

千葉大学工学部 総合工学科 デザインコースは、1921年開学した東京高等工芸学校にルーツ持つ、長い歴史と伝統を持つコース(学科)です。ちなみに私が学生の頃は「工業意匠学科」(大学内では「意匠科」と呼ばれていました)という学科名でしたが、その後「デザイン工学科意匠系」などの名称変更を経て、現在のコース名となっております。
本コースでは幅広くデザイン教育・研究に取り組んでおり、車や電気製品などのプロダクトデザイン、広告などのグラフィックデザイン、インテリア、展示などの空間・環境デザイン、その他企画・設計・開発などのデザイン関連分野など多くの業界に卒業生を輩出しています。
「意匠展」は、本コースの卒業研究・制作展として毎年開催されており、本年は千葉大学墨田サテライトキャンパスおいて、4学科合同卒業研究・制作展として開催されました。(なお、墨田サテライトキャンパスは新設されましたが、本コースの研究室は今も昔と変わらず、千葉大学の本部のある西千葉にあるそうです)
千葉大学4学科合同卒業研究・制作展

千葉大学墨田サテライトキャンパスのエントランス 合同卒業研究・制作展の案内サイン

建築学科の卒展はJOYさんのレポートで紹介しています。ぜひこちらもご覧下さい。

いざ意匠展へ

千葉大学工学部 総合工学科 デザインコース卒業研究・制作展

今年の意匠展のコンセプトは「ほどく」。
エントランスもコンセプトにちなみ、紐をイメージしたデザインとなっているようです。


エントランス


会場マップ 総合プロジェクトと個人研究に分けて展示されていました

総合プロジェクト

1階、入ってすぐのエリアでは総合プロジェクトが紹介されていました。

会場の様子 なかなかの盛況ぶりでした

総合プロジェクトは、本コースが大学以外の団体、行政等と共同で課題解決に取り組んでいるもので、地域を対象としたプロジェクト(「商店街」「下町」「こども」「観光」)と企業との共同研究があり、その中で卒業研究に取り組んだものが展示されていました。

  • 観光プロジェクト

墨田区の観光活性化及び回遊性向上の仕掛けとして、ピクニックを企画・実践した成果が紹介されていました。
学生さんに話をうかがったところ、2021年に墨田サテライトキャンパスができたことで、墨田区の方から観光案内板の作成協力依頼のお声がかかり、それが発展して、このような観光プロジェクトに広がっていったとのことです。

観光プロジェクト 紹介パネル
企画したピクニックの様子を示した紹介パネル
写真右下の観光案内板もこのプロジェクトで作成したものとのこと
  • こどもプロジェクト

町工場と子どものコミュニケーションを促すことを目的とした、町工場の出す廃材を使った工作遊び・カードゲームの提案で、子どもたちに町工場への理解を深めてもらうことを目的としているそうです。カードを使った遊びだけてなく、子どもから町工場への質問カードも提案し、それによるコミュニケーションも提案するなど、提案内容が大変興味深かったです。

こどもプロジェクト 紹介パネル
子供から工場への質問カード
町工場の廃材を題材として作成したカード

総合プロジェクトでは、様々な取り組みが行われておりましたが、墨田サテライトキャンパスができたことで、地域とのつながりが増え、実践的な活動に携われる機会が広がっているそうです。

個人研究

続きまして個人研究の展示フロアです。こちらもなかなか盛況でした。

手前は雲の魅力の再現を意図したインスタレーション展示

害獣や自然災害伝承など、地域課題を強く意識して取り組んでいるものなどは興味深かったです。

獣害(キョン)について考えてもらうためのワークショップ・パンフレットの提案
自然災害伝承のためのパンフレットの提案

調査やアンケートなどでデザイン分析を行った研究、分析や調査の上でデザインを形にして提案している研究(制作)など、様々なものがあり、それぞれの視点とも興味深く、見ていて楽しかったです。

味わいをより伝えやすいコーヒーパッケージの提案
見せ方を工夫した新しい動物園コンテンツの提案(動物園と共同研究)

おわりに

今回の卒展のコンセプトは「ほどく」ですが、そのコンセプト通り、地域や社会の課題を強く意識し、それを解決するためのデザイン提案、研究が多くみられました。
また、それぞれの研究で、こんなモノを作りたい、こんなコトをやりたい、社会をこう変えたい、といった気持ちが強く感じられ、自分も大学時代に持っていた初心を思い出す良い機会となりました。
大変興味深く、また楽しく見学させてもらいました。興味のある方は来年、ぜひ訪れてみて下さい!

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