Googleの個人・小規模サイト冷遇は、インターネット全体にとって問題である理由
Googleが個人・小規模サイトを冷遇する方針を打ち出してから半年以上経過している。
果たして大手サイトや有名サイトのほうが、個人サイトや小規模サイトより優れているのだろうか。個人サイトの運営者という立場であることを考えても、それはどう考えてもNOだろう。理由としてはシンプルに、規模が大きくなればなるほど責任が増す。責任が増えれば、フットワークは重くなる。より自由に発信できる個人・小規模サイトのほうが言えること、言いやすいことがあるのは当然だろう。
どちらも良いところがあり、どちらもインターネットに必要な存在だ。その絶妙なバランスを見極めながら、悪意をもって検索結果を争うとする者を排除する役目を持つのがGoogleだ。
しかし最近のGoogleは、個人・小規模サイトを冷遇し、大手・有名サイトを優遇している。これは僕自身が個人サイト運営者であることを抜きにしても、インターネット全体にとって大問題だ。
本記事ではその理由について解説したい。
Googleは「ユーザー第一のコンテンツの作成」を推奨している
先に前置きとして、Googleの考えるコンテンツの在り方について話したい。
Google検索セントラルに書いてある、「SEOの基礎」として書かれている項目に「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」がある。
重要なのは「ユーザーにメリットをもたらすことを主な目的として作成された、有用で信頼できる情報を検索結果の上位に掲載できるように設計されています」と書かれていることだ。つまり、Google自身も「コンテンツが重要だ」と言っている。
これを踏まえて読み進めてもらいたい。
ニュースプラットフォームの大手・有名サイト優遇
「コンテンツが需要だ」と言っているのにもかかわらず、コンテンツの内容を無視した検索結果が並ぶ。これが昨今のGoogle検索だ。
しかし実は個人・小規模サイトを冷遇する方針は、今に始まったことではない。国内のニュースプラットフォームでは、今でも当たり前のように行われてきたことだ。
例えば、スマートニュースは実際にその光景を目の当たりにして絶望したので紹介する。開設して間もない、実績が一切ないニュースサイトが、テクノロジータブなどに当たり前のように表示される。サイトとしては実績は正真正銘の「ゼロ」であるにも関わらず、当たり前のように配信されるのだ。
記事を書いているライターが、フェイクニュースを見分けられないような人でも、記事は掲載される。メディアとして実績はなくても、ライターに信用がなくても、メディアの責任者や立ち上げた人が業界で実績や知名度のある人間であれば、「メディアとして実績がある、信頼できる」となるわけだ。
表向きは「アルゴリズム」と謳っているが、ニュースキュレーションは恣意的かつコネの要素が強いと感じることがあまりにも多い。より正確な情報をより早く発信しても、一瞬たりとも掲載されることはない。
(「おや?この記事はスマニュー批判か?」と思うかもしれないが、読み進めてもらいたい)
このような大手が優先される状況には大いに不満だが、一定の理解はしているつもりだ。というのも、スマートニュースなどニュースプラットフォームは営利企業。収益を上げなければならないと同時に、プラットフォーマとしての責任が生じる。
特に個人サイトを掲載することは、一定のリスクを伴う。自分を棚に上げるわけではないが、ニュース配信者として一定の責任感をもって記事作成に取り組む個人サイトは限られている。リスクヘッジとして個人サイトを冷遇せざるを得ない事情は、不満ではあるが理解はできる。
しかしこれはあくまでもニュースプラットフォームの話。対象がGoogleとなると、話は変わってくる。
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