夫婦別姓について、アメリカで考える

カリフォルニアから、こんにちは!

2021年に入り、何か新しいことを始めようと「ESL Conversation Club」に入った、めいです。アメリカ出身の人だけでなく、色々な国からアメリカに移り住んだ人たちと、毎週オンラインで様々な時事問題について語れてとっても楽しいですし、毎回本当に勉強になります。

先週は、ひょんなことから、今日本でも話題になっている「夫婦別姓」の話になりました。ある参加者が「アメリカでは夫婦別姓に寛大だけれど、他の国ではそうではない国もあるよね。私の出身国の韓国は、もともと夫婦別姓が伝統的なの。結婚しても姓は変わらないけれど、子どもは父親の姓をもらうことが一般的。みんなの国ではどう?」と質問したことがきっかけで、私も日本の制度について考えていたことを話しました。


1.不公平な日本の夫婦別姓制度

恥ずかしながら、私自身が結婚をするまで日本の制度についてよく知りませんでした。てっきり、「希望するなら、結婚をしても自分の姓を変更する必要はない(夫婦別姓の選択ができる)」ものだとばっかり思っていました。

しかし、実際に蓋を開けてみると「希望するなら、姓を変更する必要はない(夫婦別姓の選択ができる)」ことに変わりはなかったのですが、それは私が外国人と結婚したから。もし日本人と結婚するのなら、1家庭に1つの姓を選ばなければいけないと書類に書かれていました。私の頭に浮かんだ第一声は、

「なんで?それっておかしくない?」

でした。なぜ外国人と結婚すると選択できて、日本人との結婚では選べないのでしょう。どう考えても、「2人の人間が家族になるという書類を提出する」同じ結婚ではないでしょうか。納得できる答えを得られないまま、私はその事実を知ってから、ずっとモヤモヤしていました。もとの姓のままでいるか、夫の姓+私の姓を名乗るか、夫の姓に変えるか。私たちの場合は、

①たまたま別の国に引っ越し、私の職場も変わるタイミングだったこと

②将来、子どもが生まれた時に日本で名乗る名前(私の姓)と外国で名乗る名前(夫の姓)が違うのは混乱を生んでしまうかもしれないこと

③合併すると姓が長いため、手続きなども毎回大変かもしれないこと

という主な理由で、結局夫の姓に変更することにしました。



2.アメリカでの夫婦別姓は?

アメリカでは、1970年代から結婚しても選択的夫婦別姓は認められています。調べてみると、州によっても異なりますが結婚後の姓については、いくつかの選択肢があるようです。

(夫:スミスさん、妻:ウィリアムさんの場合)

1.自身の姓を維持 (夫スミス、妻ウィリアム)
2.相手の姓に変更 (夫婦共にスミス、夫婦共にウィリアム)
3.姓をハイフンで結ぶ (ウィリアム-スミス、スミスーウィリアム)
4.夫婦どちらかの姓をミドルネームにする(ブラウン・スミス)


3のように、最近はハリウッドスターのアンジェリーナ・ジョリーとブラット・ピットが、2人の姓をハイフンでつないだ姓「Jolie-Pitt」を子どもたちに名付けていたように、2つの姓を名乗るカップルが増えてきたそうです。

確かに、例えば普段は Joe Smith(ジョー・スミス) と名乗っていても、学校に提出される正式書類には Joseph Liam Smith-William (ジョセフ リアㇺ スミスーウィリアム)だったりするのです。特にミドルネームは、ほとんど呼ぶことがないので、本人から教えてもらった「え?!あなた、そんなミドルネームだったのね!」とびっくりすることも多いです。

2014年の調査では、アメリカでも約7割の女性が夫の姓を名乗ることが分かったそうですが、アメリカで出会った友人は自分の旧姓を子どものミドルネームに付けていて、そういう旧姓の残し方もあるんだなと、自由な発想に驚いたことがあります。

またハイフンでつないだ姓を名乗ったり、子どもに名付けることで、カップル両方のアイデンティティーを大切にしているということを示せると感じている人も多いようです。

アメリカでは保護者から、メールの連絡をもらうときには子どもたちの苗字と保護者の苗字が異なることもありますが、それを見ても「どうして違うのか?」「家族・親子の絆が薄まるのではないか?」などど日本で話題になっいるような意見や、それ自体を気にする声も聞いたことがありません。

むしろ、様々なバックグラウンドの人が暮らす”人種のるつぼ”アメリカで暮らす保護者たちが意識的に家でアイデンティティーについて話しているからこそ、子どもたちも自分のルーツを大切にしているし、名前に込められた意味や家族(祖先)がアメリカに渡ってきたバックグラウンドを知っている人が多いなと感じます。


3.人の数だけ幸せの形があるはず

私たちの友人たちは、お互いの名前をそのまま名乗って事実婚している子もいれば、結婚を機に夫の姓に変えた子、妻の姓に変えた子もいます。どの場合も、パートナーと話し合って納得した結果=二人にとって幸せの形だから、素敵だと思っています。しかし、中には結婚しても色んな理由によって別姓を名乗りたい人けれど、望み通りにできていない人もたくさんいるはずです。公式な書類上は姓を変更しても、職場では旧姓を名乗る方も増えてきているようですが、そもそも姓を選ぶことができるという選択肢が増えることで、迷惑がかかる人なんているのでしょうか。

私はその人の幸せの形は、その人が選べるように「一人ひとりが、姓をそのままにするか、変更するか自分で選択できるようになる」のが1番いいと思っています。そして単純に「外国人と結婚する人は夫婦別姓を選べるのならば、国民全員が選べるようにするのが公平ではないか?」と思います。


最後まで読んで下さって、ありがとうございました。今日も素敵な1日をお過ごしください!









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