夢に見る色【テーマ:青】#イカ変態同好会
くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡💦ピューン
ふと目を開くと、隣に流星が立っていた。
流星は、名前の通りまぶしい奴だ。
オーラというか、滲み出るカリスマ性というか、ともかくも輝くような笑顔で、馴染みの相手に人懐っこく笑う。
「よう、散歩か?」
「そうだよ」
全身を包む蒸し暑さの中、ふっと風がそよいでいく。夏らしからぬひんやりとした風。
「じゃあな、お前は落ちるなよ。」
そういって、流星の声が、姿が、尾を引いて眼下へと落ちていく。
そう、あいつは星なのだ。
まぶしい輝きを背負うからこそ、奴は美しく消えてゆく。
「うん、わかった」
返す言葉は、果てのない場所でこだまする。
目をつむって、再び微睡みの中へと戻ろう。
涼やかな風達が、耳元で小さなおしゃべりをして去ってゆく。
まぶたの裏は、まだ見たことのない海の中のように、かすかに鼓動した。
それは幻想か、それとも夢のいたずらか、闇の海に一筋、白くなびく柱を映し出す。
まるで、彼が残していった尾のように。
かつて流星が嬉々として語ってくれた、いつか彼が眠り沈みゆくその景色。
その色を、私は一生見ることはないだろう。
なぜならば私は、永遠に空に在る事を定められた色なのだから。
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最近、note離れしていたせいか、素敵な企画を見逃しがち……。
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