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光と闇の輪舞

今から遡ること2008年。
夏至を目前にした時期に、光との関連があるエッセンスを立て続けに飲んでいました。

最初はロック・ローズです。
ロック・ローズは生命の危機につながるほどの深刻な状況に置かれたときに、恐怖から解き放ってくれるエッセンスで、ファイブフラワー(レスキュー)レメディを構成する5種のエッセンスのひとつになっています。

ロック・ローズ(Rock Rose)

科属/ハンニチバナ科ヘリアンテムム属
学名/Helianthemum nummularium
和名/ヘリアンテムム・ヌンムラリウム
花期/5月末〜8月

12-7-9選択法/12ヒーラーズ:あなたがもともと持っている基本的な性格や気質を表すエッセンス
7グループ選択法/恐れや心配のある時に
製造法/太陽法:元気よく繁茂している場所の複数の茂みから花を一輪ずつ摘む

救急用のレメディー。希望も全くないような、緊急時のためのレメディーです。事故、突然の病気、あるいは患者が非常に怯えている時に。また、深刻な状況では、周囲の人まで怯えさせてしまうような時に。患者が気を失っている場合には、唇をレメディーで湿らせて与えることができます。また、他のレメディーを加えることが必要な場合もあります。例えば、気絶していて深いこん睡状態にあれば、クレマチスを、ひどい苦痛を伴う時にはアグリモニーを与える、というように。

エドワード・バッチ著作集収載「12ヒーラーズとその他のレメディー」BABジャパン)

このエッセンスを必要とするときは、自分が非常事態にあることを意味するのですが、ロック・ローズを選んだときは自分の状況がまったく理解できず、いろんな資料を読み比べて、そして落ち込んだものでした。
だって、ほとんどの資料には「突然の出来事に遭遇したときのパニック状態」と書かれているのです。
……ということは、自分の身に何か災いが降り掛かるってこと?
どうしても、イメージは良からぬ方向へとばかり膨らんでしまって、ロック・ローズを飲むことが、かえって恐怖を煽り立てるような気になっていたのです。

そして、ロック・ローズを飲み続ける中で起きたのが、四川の大地震。
次第に状況が明らかになるにつれて被災地の破壊的な様子が伝わってきましたが、私はその中で震災を免れた人の姿が目に留まりました。
家は壊れ、家族も失い、山間部の小さな町は土砂崩れの恐怖と隣り合わせ。
ほとんどの人は町を捨てて逃げ出したけれど、私にはほかに行く場所がないから、この町で運命をともにするつもり。
……そんなことを気丈に語った女性の姿に、ロック・ローズのポジティブな状態をふと垣間見た気がしたのです。
どんな逆境下でも決してあきらめることなく、希望を失わずに生命力を燃やし続ける。
その不屈の精神力は、ロック・ローズの黄金色の輝きに通じるのでは……と思って。

ハンニチバナ科のロック・ローズは、1日の中で太陽の光がもっとも強い時間に花を咲かせます。
そして、太陽の光に陰りが見られると、すぐにしぼんでしまうのです。
その様子は、陰や闇に敏感であると言うこともできるけれど、常に光だけと向き合うといった意志の強さにも通じるのではないでしょうか。

太陽の圧倒的な光を浴びる中で、薄く柔らかな花びらをおずおずと開き、黄金色の強い輝きを放つロック・ローズ。
降り注ぐ太陽光に、花の光でもって呼応する姿は、潜在的な生命力というか、根底に潜んでいる魂の輝きが目覚める様子を体現しているように思えてきました。
そして、被災者が普段通りの日常を必死に取り戻そうとする姿からも、希望の光だけを見続ける、生きる意欲がまっすぐに伝わってきたのです。
それは「かわいそう」といった哀れみの気持ちではなく、「頑張って」「大丈夫よ」と励ましの気持ちが自然にわいて出てくるような、そんな前向きな心の化学反応をもたらしてくれました。

火事場のバカヂカラなんて言葉があるけれど、土壇場で思ってもみないような力を発揮するような状態って、ロック・ローズのポジティブな状態なのかもしれません。
恐怖に関連したエッセンスと考えてしまうと、飲むことにためらいを感じてしまうけれど、いざというときに生命力の強さでもって対応できる力を備えていると考えれば、ロック・ローズを飲むことも悪くはないな、と思えるようになりました。

事実、ロック・ローズ期間は、生命の危機とまでは至らなかったですが、いろんな締切に追われて精神的に追い詰められていたのは確か。
きっとプレッシャーで押しつぶされそうな状態を、ロック・ローズのエッセンスによって随分救われたのに違いありません。

そして、新月の切り替え時に合わせて飲み始めたのが、アラスカの環境エッセンスでした。

ソルスティス・サン(Solstice Sun)

夏至の日の「真夜中」に、アラスカ極北のブルックス山脈で作られました。白夜なので、太陽光は山脈のピーク(山脈)付近でダンスをしています。
このエッセンスは、人間が新しいエネルギーを体に受け入れ流していく力を強めてくれます。人生の中でピークの(極めて重要な)体験をする準備に。またそのような経験をしたあとでそれを体の中にしみ込ませる助けをしてくれます。

(ネイチャーワールド株式会社/商品カタログ『大自然からの贈り物』より)

夏至の日の真夜中(といっても、白夜だから太陽が落ちることはないのです)に作られたこのエッセンスは、新しいエネルギーを身体に受け入れ流すためのサポートとなります。
折しも、夏至を間近に控えて太陽のエネルギーが最も強まっていた時期なので、エッセンスだけではなく、空からも太陽のエネルギーを取り込んでいるような感じ。

ロック・ローズを飲み終えて、ソルスティス・サンを飲み始めたからこそ、点と点がつながったような感じがしました。
ロック・ローズの学名は、ギリシャ語の「太陽の花」に由来しています。
太陽との結びつきが強い花のエッセンスから、太陽そのもののエッセンスへと、より一枚奥の層へとテーマが深まっているのです。
それはきっと、内なる太陽、生命の輝きを放て、という根源的な成長を促すメッセージなのかもしれません。 
それだけに、太陽光のエッセンスはとても重要なもののような気がして、厳粛な気持ちで飲み続けたものです。

光と闇は表裏一体。
つまり光が強まるということは、闇もいっそう濃くなるわけで。
光のエッセンスと取り組みながら、同時にその気配を感じとっていたのは、自分の中にある、見ることを避けていた闇の部分です。
その場のノリで、無意識のうちにネガティブな言葉が口をついて出てきたことがあって、そんな自分にとてもショックを受けて傷ついたことがありました。

自尊心に由来する、人を見下したような発言だったり、嫉妬や恨み、そして同情を誘うために自らを卑下する言葉。
それらが口から出るたびに、自分がドロドロしたオーラに包まれているような気がして、とてもいたたまれなくなってしまいます。
でも、そういう気持ちが自分の中にあることを捨ておくわけにもいかないから、どうしてそんな感情を抱くのか、そのつど自問自答を繰り返すのです。

闇のあるところには、必ず光があります。
フラワーエッセンスにも、ネガティブとポジティブの指針があります。
闇のある部分にひっかかりを感じるということは、その闇に光を向ける必要があるということなのです。
どんな短所であっても、見方を変えれば長所になりうる可能性を秘めているのだから、もっと自分の善いところが拡大していくように、意識を転換していかないと。

フラワーエッセンスというエネルギーを扱っていくためには、自分自身や、取り巻く環境のエネルギーを常に整える必要があります。
その重要性を改めて認識し直して、日々実践することを教えられていたのでしょう。
ミクロコスモス、つまり自分自身を整えることが、マクロコスモスである社会や地球、宇宙全体の調和につながっていくのですから。

身を浄める……なんて意識は全然ないのですが、何となくこのところ、浄化や光というテーマがずっと心の中で波打っています。
それは、自分自身の身を闇から守るという手段であったり、自分自身の光を強めるための自己研磨であったりするのだけれど、自分が置かれている状況や、社会そして地球規模で起きていることを考えたとき、何かとてつもなく大きな促しがもたらされているような気がして。
地球が揺れ動いたり、社会が混迷したり、多くの人々の意識にゆがみやひずみが生じたりしているからこそ、自分の軸がぶれないように、個々人がしっかり調整しなければいけないときなのです。
じわじわと侵食する闇に足元を救われてしまわぬよう、自分自身の内なる宇宙にもっと光を注いでいくべきなのでしょう。

いただいたサポートは、人々や地球の癒しと成長に貢献する人やモノ・グループへと循環させてゆきます。ひとしずくの水が大海へと繋がっていくように、豊かさのエネルギーをここから世界のすみずみにめぐりめぐらせていくためのファースト・ステップに選んでくださるのだとしたら、大変光栄です💫