小道具◇ランタン
ランタンです。
割といろんなお芝居で出てきそうといえば出てきそう。四角いものを作るのは基本的には簡単ですが、光る、とか、動く、とか電気仕掛けのものを作ると色々考えなきゃいけないことが多くて大変です。
ただのランタンといえばただのランタンなのですが、今回はお芝居の都合上色々と制約があったのでちょっと色々考えました。
今回のランタンに求めるもの。
①可動式のパネルに掛ける為、出来るだけ軽く。
②役者が壁から外して持ち歩く為、電池式。
③持ち歩いたまま動きのある芝居をするので出来るだけ丈夫に。
④繰り返し使うので電池交換可能。
⑤外側から簡単に点灯、消灯が可能。
というわけで、以上を念頭に置いて、がんばっていきたいと思います。
材料
デコパネです。スチロールの板に、両面紙が貼ったものです。ただのスチロールだけの板も売っていて、そっちの方が安いのですが、色を塗るには紙が貼ってる方が便利なので今回はこっちを使っています。
が、ちょっとお高いところが難点でしょうか。仕上がりに差はあるかもしれませんが、段ボールでも作れます。
ランタンなので、光らねばなりません。
残念ながら私はLEDの配線は自分で組めない。そして、値段の観点からも100円均一のライトを使いました。これはセリアのペンダントライト。紐を引くと電気がつきます。とても便利。
持つところに使う丸い輪。綺麗な輪って作るのが非常に難しいんですよね。金属とかだとホームセンターにもあるのですが、軽くて安いいい感じの丸い輪を捜し歩いて100均の刺繍枠に辿り着きました。今回はこれの内側の輪を使います。
あとは、9mm角の木の棒、厚紙、発泡スチロール(厚さ3cm)、針金、サージカルテープ、クリアハードケース、クリアファイル(半透明)、アクリル塗料、あとは飾り用に少し材料を買い足したかなという感じです。詳しくは作り方の中で説明していきます。
作り方
作り方、なんて偉そうなことを言っていますが、ちょっと複雑なので写真と想像で補ってください……すみません。
作りたい大きさを決め(私は紙で直方体を作ってから決めました)、土台の木の枠を作ります。
四角い枠は上下、棒は横ですね。真ん中につっかえ棒がある方が上側の枠です。
次に側面の窓枠をデコパネから切り出します。
微妙に大きさが違うのがわかるでしょうか。基本は木枠に貼るわけなのでその大きさになるのですが、デコパネは5mmの厚さがあります。この厚さを決して忘れてはいけません。左右、上下、何がどう貼り付くのかをよく考えて、サイズを切り出してください。窓の穴の部分の大きさは好みですが、あんまり端ギリギリにすると木枠がはみでるのでお気をつけて。
次は下側です。ライトが埋め込めるようにデコパネ、発泡スチロールを切り抜いていきます。ライトの大きさにスチロールを削るのがちょっと難しいかもしれませんが、がんばって調整しながら削ります。
右側が一番下、左側が一番上になります。
右端の底になるデコパネは、紐だけが通るサイズの穴を開けてください。
組み上げるとこうなります。
更に安定感をアップさせる為、スチロールを削って筒を作りました。あとから色を塗るので塗りやすいようにスチロールに厚紙貼ってます。底面のスチロールの側面にも厚紙を貼ってます。
ちなみに、角の四か所は木材がくるのをすっかり忘れていたので、あとから切り抜きました。
次は上側を作りましょう。
持ち手です。刺繍枠の内側の輪に、サージカルテープ(色が塗れそうなテープなら何でもいいと思うし、なんなら思い通りの色のテープがあればそれでいいと思う)を巻いて、着色します。私はラッカースプレーで塗りました。
取っ手は動くようにしたいので、厚紙で筒を作り、太めの針金をぐるんと巻きます。黒が良かったけど緑しか持ってなかった。どうせ後から塗るのでいいか。
で、上側のデコパネに差し込む。
裏から見るとこんな感じ。木の枠で固定しているので、多少引っ張っても大丈夫なはず。ちなみに木の枠よりもデコパネの方がちょっと大きいのは、その部分に窓枠のデコパネがくるからです。厚さ5mmはいつでも忘れてはいけないのです。
次に取っ手部分の装飾?を作ります。
ただの飾りなので何でもいいと思う。発泡スチロール削って、厚紙貼りました。
パカッとはめて、両面テープで貼るだけ。取っ手は針金で保持されているので、ただの装飾用カバーです。
説明が上手じゃなくて申し訳ない。ここまでに作ったデコパネ、発泡スチロール、木の主なパーツをまとめるとこういう感じ(既に組んじゃってるやつもあるけど)。
窓枠に装飾をしていきます。これも好みでしかありませんが、出来る限り凸凹を省略しないで作る方が、それっぽく仕上がります。面倒だけどね。がんばってください。
デコパネや、細い木の棒などを使って装飾しました。
ここまで出来たら、いったん全部のパーツにアクリル系絵の具で色を塗ります。
写真はランタン二個分のパーツですね。ややこしくてすみません。組み上げたら見えなくなる部分もあるのですが、面倒なので全部塗りました。どうせ組み上げてからもう一回塗るので、多少の塗り残しは大丈夫です。
次は、窓にガラスを貼ります。
本物のガラスを貼るわけにはいかないので、硬質カードケースです。私は人生で、カードケースを使った数より切った数の方が多いと思う。これをザクザク切って、窓に貼ります。
両面テープで貼っただけだと裏側が汚かったので、ビニールテープで上から目張りしてます。ボンドで貼った方が綺麗だったのかもしれないけど私は乾くのを待てない。貼れて剥がれなきゃ何でもいいです。
全部の窓を貼ったら、やっと組み立てです。組み立てるのが嬉しすぎて写真を撮るのを忘れました。下から順番に、両面テープやらボンドやらで組み立ててください。パーツ同士を貼るだけです。
が。全部ガッチリ貼るわけにはいきません。あとから電池交換を出来るようにする必要がある。つまり、窓の一つは開け閉めが出来るようにしておきたい。
みえるかな。ちょっと見にくいんですが、窓の一か所の四隅にマジックテープを貼っています。これで、必要な時は開け閉め出来るようになりました。
さあ、サクサク仕上げていきましょう。持ったり、釣ったりすることを考えて少し補強していきます。
コピー用紙の裏に両面テープを貼って紙テープを作ります(こうすると色が塗りやすい)。で、上下の接合部に貼って補強します。補強が完了したら二度目の塗装をします。窓の透明部分に絵の具がつかないよう気を付けてくださいね。
さあ、これで本体は完成。電球の細工をしていきましょう。
ちなみに、分解をするときは自己責任で。熱くなったり危なくないか、十分確認して行ってくださいね。
ネジを緩めて、丸い部分を取り外しました。本物の電球ではなくて、電球風のLEDライトなのでカバーを取っただけです。
上の部分はビニールテープで黒にします(そんなに目立たないんだけど、電気をつけた時に緑が反射してちょっと気になるので)。
ラッカースプレーで紐を黒に塗りまして(紐の端っこで試し塗りしたらラッカーでもいけそうだった)。
本体に装着します。紐は、本体に差し込める時に不都合がない程度の長さに切り、先端は差し込みやすいようにビニールテープやガムテープなどを巻いておくといいです。
紐を引ける分の余裕を残して(指が差し込める程度)、あとは裏側にくるんと貼ります。
電池交換時に貼ったり剥がしたりするので、ガムテープの上からガムテープ貼ってます。底面があんまり安定しないので、ランタンを置いて使う場合は四隅に数ミリの足を貼るといいかもです。
クリアファイルを必要な高さに切って、くるんと巻いて養生テープで貼りました。着脱が簡単なようにマジックテープにしようかとも思ったのですが、真っ白で目立つので結局養生テープが一番目立たないという結論に辿り着きました。
完成です。
できました。
結構時間かかりました。とにかく手数と工程が多かった。でも、光るものって出来上がった時に結構嬉しいよ。
今回はセットとの兼ね合いで直方体型のランタンですが、上が細かったり、下が細かったりする台形型も可愛いですよね。自分で作ると好きな形に作れるので良いですよ。
ではでは!