夏至2019


なぜ、こんなトコロへたどり着いてしまったのだろう?

あんなに、頑張ってきたのに、どうして満たされていないんだろう?

みんなと楽しく笑っていたのに、孤独だと感じるのはなぜだろう?

本当に求めていることとズレているのか?

もしかして、夢を見ていただけで1歩も進んでないのか?


ふとした瞬間、押しつぶされそうになることもある。

一体、どこへ向えばいいのだろう?



大海原の彼方を指示すコンパスを握りしめ、
夢に向かって進んできたはずなのに、

捕らえようのないザワザワとした感覚と
足元から信頼が崩れていくような不安がよぎる。

グレーな空じゃ、見上げても音楽は鳴り出さない。

それは、陽極まって隠となる夏至のいたずら。
忘れかけていた扉をノックする音で、僕らの意識にアクセスしている。

大丈夫!
半自動的になっている歩みを止めて、呼びかけている足元を見て。

今の自分を支えている大地に思いを馳せよう。

すべての鎧を脱いで素顔を見せる場所。
たとえすべてを失っても、そこにあるもの。

もっとも身近で、切り離せないものとの関係性。

好きとか嫌いとか、そんなこと考えてもみなかったよ。
だって、ずっと前から当たり前にあったんだもの。


人類の歴史が始まろうとしている時、
誰もが縁ある家族だったのかもしれない。

太陽が眠ると月なるものが目覚め、
新たな夢の時間が始まる。

彼女の向けるまなざしは、
すべてを包み込む母なるもの。

闇を受け入れ、光に歓喜するもの。

新しい風とともに昇ってきた朝の光が、
ぷくっとした水滴に反射し、輝いている。

葉っぱの先端に現れ、
今まさに地上に落ちようとしているひと雫の生命。

ミクロの中に、マクロを反転して抱くもの。

壮大で美しいヴィジョンを内側に抱え、
全生命をかけて、この地に楽園をもたらそうとする小さな意志。

その純粋な精霊こそ、母なる大地にとっての僕らの存在。
大いなる生命を潤す夢を育てている純粋な魂。

母なる大地へ還ろうとする姿を、
絶対的な愛で見守るものが、そこにいる。


魂に嘘をついてないだろうか?
結果に惑わされ、プロセスを切り離していないだろうか?

真っ暗な闇からしか生まれない隠れた光にこそ、
未来を彩るパワーが宿っている。

どんなに小さな熱意に見えても、それがないと始まらない。


龍脈から燃え移った情熱に、身体は無条件に反応する。

内側から電流が走り、意志とは無関係に本能がうごめきだす。

脳内のノイズが消え去り、
魂のリズムが内側から波打ち、
理性では止められない激しいチカラを感じる。

共鳴した波が、さらなる大きなうねりを創り、
喜びに満ち溢れ、弾けるように外側に溢れ出る時、

見えない世界からビックウェーブが押し寄せる。
心の中を乱し、停滞しているものを一掃していく。

嵐の後、東の空から昇る太陽が、
湖面のように透き通った神聖な静けさを照らし出す。


不安定になった土台にポカンと開いた空間。
無の状態になることでつながる時空。

「アンカーを降ろす場所を、もう一度確認しなさい」

それが、夏至の扉をノックしている母なる声。

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