榊原伸予さんニューヨーク個展記念インタビュー ~第一部~
第39回
NFTを始めてみたいなと思われる方は、まずこちらをご覧ください。
榊原伸予さん(@Nobuyo_Art)をインタビューしたことがあるのですが、かねてからおっしゃっていた、ニューヨークでの個展が開催されるとのことで、改めてインタビューさせていただきました。
個展開催期間、会場はこちらになります。
2022/8/23〜8/27 Noho M55 Gallery W28th NY
ニューヨーク、マンハッタンにある、まさに誰もが憧れる場所で個展を行うという榊原さんに、実際に朝(日本は夜中)のニューヨークにzoomをつなぎ、会話しました。
気軽に海外と会話ができるという奇跡に感動しながらのインタビューとなりました。
状況としましては、榊原さんが現地ニューヨークに前日到着、ニューヨークを散策され、一晩ホテルで泊まった次の朝(2022/8/22)にインタビューしています。
それではどうぞ。
構想中(以下:構)おはようございます。榊原さん。
榊原伸予さん(以下:榊)そちらはこんばんはですかね。ニューヨークにいるのですが、日本にいても夜中にも製作したりする生活なので、時差があるとはいえ、なんだかあんまり違和感がない状態です。
構:到着してどうされていましたか?
榊:MoMA(ニューヨーク近代美術館)に見に行ってきました。アンディ・ウォーホル、ジャクソン・ポロックなどの作品を観てきました。作品が囲いなどなく目の前に飾ってありました。日本の展示とはずいぶんと違います。
モダンアートというカテゴリーで日本では見たことがないような規模の作品が飾ってあり、大きすぎて、MoMAに買い取ってもらえなかったらどこに保管するのだろうという作品がいっぱいありました。
車のスクラップをいくつも溶接してかざってある作品とか。そういったことを考えずに作っちゃったんだと思った。アイデアをそのまま形にして大きさを考えるそういったストッパーがないのを感じました。圧倒されました。
階ごとに年代やテーマにわけて展示されていました。学校の教室みたいになっててブロックを回遊するような感じがしました。日本みたいにぎゅうぎゅうではなくスペースがゆったりして飾られています。
構:榊原さんもそこに飾るのが目標なのですよね。
榊:もちろん、それを目指しています。美術館に来場している人は、モデルさんみたいな人や、アフリカ系一家の団体さんがみんな原色の服を着ていたり、すごくふとっている黒人の方など、人種が多様です。
構:さすがアメリカという感じですね。こちらの方々の中にはセレブの方もおられるのでしょうね。そういったセレブに認めてもらえたら、榊原さんの作品を買ってもらえて、こちらに飾れるようになるかもしれないですね!
榊:頑張って売り込みしますね。
あと、スターバックスに行ってきたのですが、とんでもなく高かったです。アイスコーヒーとクロワッサン2個で21ドル(約2800円!)でした。
構:めちゃくちゃ高いですね。3倍?!今が一番高いときだと思います。アメリカがインフレかつ、円安ですので。
榊:500mlの水が5ドル(約700円)しています。日本から水を持っていけばよかった。
構:日本から持っていくにしても数には限りがあるからもう、しようがないですね。それだけすごいと、インフレ押さえようといろいろ政策が打たれるのも納得ですね。
今そちらは朝ですよね、これからどうしますか?
榊:昨日までは散策でしたが、今日はいよいよ展示会場での作品飾りつけ作業です。
構:JCAT(日本人現代アーティストチーム(Japanese Contemporary Artists Team)@jcat_nyc)さんでグループ展が行われていた場所ですね。
※JCATについてはこちらをどうぞ
榊:そうです、写真など事前に展開されていたので、それを参考にして現地で作品をどのようにおけばいいかとシミュレーションしています。
構:ニューヨークは治安的にはどうですか?
榊:東京と同じようなものかな?日中は子供もお年寄りも歩いていて東京にいるような雰囲気です。マンハッタン島は銃規制が厳しくって比較的安全な場所とお聞きしています。夜は出歩かないとかはありますけれどね。
ヤンキースタジアムもすぐだし、自由の女神像も近くにあります。メッツとヤンキースの試合があるので、野球好きの人は盛り上がっていると思います!
まだまだふわふわした感じです。ほんとにニューヨークにいるのかなって。
構:たしかにホテルの窓の外を見ても東京だといってもわからないですよね(zoomなので、榊原さんが泊まっているホテルの雰囲気がわかります)。
榊:現地の方とお話をしたら実感わくかな?けれど、ネイティブの方々は話すのが早すぎてなかなかなじめません。頑張って英語は勉強しているのですが。
また、自分の言いたいことだけは暗記しているので大丈夫だと思います。
構:そうか、オープニングパーティーでスピーチするんでしたよね。
榊:そうです、緊張しますが、ギャラリーや、アートのことは受け答えできるように勉強しています。身についているかどうかはわからないですが。
JCATのスタッフさんが現地にいてくれるので何とかなると思います。
構:そうなんですね、サポートが手厚くていいですね。グループ展のときの写真見ましたけれど、お客さんがおおいですね。日本の画家さんってニューヨーカーさんには人気なのかな。
榊:毎年展覧会しているので固定のお客様がおられるのですよ。またちゃんとJCATが事前のお知らせしてくれるのですよ。メールや手紙などで。
構:JCATが設営からプロモーションまで全部してくれるのですね。個展は初めてですか?
榊:ニューヨークでのグループ展は今まで4回あります。そのうち、2019年1月と12月に現地に行っています。日本画のワークショップしたり、スピーチしたりしました。
構:そうなんですね、じゃぁ、今回のスピーチも慣れたものですね。
榊:2019年から2年以上やり取りしている方もおられるので、今回もお越しくださるそうです。そうやってお越しいただける方がいるというのは心強いです。
2019年の後にコロナがなかったら2020年8月にグループ展、2021年1月に個展する予定だったのですが、影響を受けて延期になってしまいました。のびのびになってやっと開催できる、そういった気持ちが強いです。
私以外にも個展をしたいとおっしゃる方はたくさんおられますので、もうここを逃したら次延期することもできません。
アメリカではコロナが落ち着いてきて、ギャラリーの予約もいっぱいでJCATさんがグループ展を含め、この7週間を押さえてくれたので開催できます。本当にありがたいことです。
構:コロナの影響で1年半も延びているんですね。でも、2021年時点の制作作品に加えてまた新たな作品も展示することができたのではないですか?
榊:そうですね、そこから新たに制作した作品もあります。
構:写真で見たのですが現地の方々はマスクしてないですね。
榊:全然してないですよ。マスクしてると日本人ってまるわかりです。絶対にコロナをうつされたくないですね、日本に帰れなくなっちゃいますから。
現地では、コロナはなくなっているわけではないのですが、日本みたいに大きく取り上げることはもはやないですね。テレビでも取り上げるときはあるけれど、もう通常営業です。
構:お越しいただける方に顔を見て話ができるようになっていいですね。日本でも早くマスクを外して生活したいです。
アメリカに行くまでにツイッターでカウントダウンしてましたね、1週間くらいの間。出発の日時が近づくにつれて寝れなくなったのではないですか?
榊:出発直前までバタバタしていましたよ。まずは作品を仕上げるのに頑張ってました。
そのあとに、作品をすべて梱包して発送する作業でした。作品は全部で51点。5箱にわけて梱包して送りました。発送する上限あったので、箱を減らす努力しましたが、最終的に5箱にもなりました。
7月の終わりにアメリカに着くように手配しました。最長1か月かかるかもしれないと言われて早めに手配しました。もし何かあって届かなかったらいけないし。結局うまくいったようで、3日で届いていました。
終わったと思ったら、私自身が出発するのに、以前まではパスポートと渡航証明書だけだったのがワクチン証明書、マイナンバーなどいろんな種類の書類準備がありました。不備があると飛行機に乗れないので、それはさすがに悔やみきれないので頑張って準備しました。
構:コロナ前とちがい書類の準備が大変そうですね。現地のお仕事もぎりぎりまでされていましたか?
榊:やってました。日本画教室の振り替えも手配したりしてましたね。
構:そうなんですね、生徒さんの反応はいかがでしたか?
榊:たくさん応援してもらいましたよ。
構:現地に飾るとおっしゃいましたが、作品構成もご自分で考えられるのですか?
榊:今日考えようと思っています。平面図のようなものはもらいましたが、立面図はなかったので、グループ展の写真を見てどういう風に設置しようか想像しています。後はスタッフさんもいるので現地で考えます。
構:飾るときからして時間をかけ、一日仕事になりそうですね!以前着物を着る予定をお聴きしましたが、ご準備されていますか?
榊:ありますよ。着物には展覧会に飾っている作品と同じ絵がプリントされています。
構:とてもキレイですね、この着物くださいって言われそうですね!
榊:着物着て展示会場にいたら日本人であることがとてもよくわかり、目立つのでお客様に覚えてもらえます。さらに自分の作品が着物にプリントされていれば、いい宣伝になります。
構:アメリカ人にとって日本画の認識はどのようなものですか?
榊:とても珍しい位置づけだと思います。西洋はオイルペインティング(油絵)が主流ですが、日本画はナチュラルな材料をつか合うので自然派のニューヨーカーにとても受け入れられます。膠や岩絵具は基本的に自然由来のものを使っていますからね。
構:なるほど、画材と榊原さんの作品画風があれば惹かれますね。
榊:以前の展覧会では日本画のワークショップもしました。人気がありましたが、少人数のお客様につきっきりになってしまうので、たくさんの方とお話しできるように今回は”伸予と一緒に絵を描こう”っていうイベントを計画しています。
QRコード入りの絵ハガキを用意して、下書きとして華の輪郭を描いてもらって私が色を塗る。合作を作るような感じですね。それをオープニングパーティーのときにしようと思っています。
構:いいですね!
榊:オープニングパーティーをプロのカメラマンさんに撮ってもらうのでその打ち合わせもします。プロモーションビデオを作ってもらう予定です。ビデをや個展をしたことを実績として、どんどんアピールしていきたいと思っています。
構:大きな目的がありますね。ただ個展をニューヨークで開いて売るだけではない。
榊:売りたいのももちろんあるけれど、個展をやれた、やった、だけではなく、一回こっきりにせず次につなげることを目的にしています。JCAT主体の個展は何度もお願いできないので、自分がまた個展するためには自分で個展ができる場所を探さないといけないです。今回実績を作って次の場所に売り込んでいきます。
構:しっかり現地で売り込むんですね。
榊:JCATも応援してくれていて、もっとステップアップしていく人を応援してくれています。ギャラリーに度胸試しで飛び込んでこようと思います。
構:さすが榊原さんですね。
榊:ニューヨークってどんなジャンルであれど、ここで勝負する人が山ほどいて、ここでしのぎを削ってその結果、活躍している方ばかりです。私もそうなりたいと思っています。
構:目標がとても高いですね。大きな野望を持っていないとここではやっていけないですよね。いずれ榊原さん移住するって言いだしそう。
榊:こっちからぐいぐいいく姿勢を見せないとダメで、それで普通というかまだ足りない。
構:日本に帰ったら押せ押せの性格になってそうですね。先日インタビューさせていただいた、Harukoさんもおっしゃっておられましたが、アメリカ行くと考えが変わる、その話がピッタリきますね。
榊:作品を今ここにいる状態で、作ろうかなって思います。感じたことを描いてみたいです。今までの作品とは違う感性が出てくると思います。
実は、来年7月にグループ展することが決まっていて、安くアメリカに行けるようになっていればいいけれど、今回の経費でグループ展で来るのは難しいなぁと思っています。
構:今回売り込んで、個展を新たにできる環境ができたらいいですね。ツイートされていましたが、キレイな名刺を駆使してアピールしてきてくださいね。
榊:これからのことを考えて、思い出で終わらせないように次につながるように頑張ってきます。いつかエコノミーでない席で飛行機に乗ってきたいです。
構:その思い聴けてほんとによかったです。具体的なモチベーションがあるのはいいことですね。現地売りもするのですよね。売れてほしいな。
榊:現地では、作品の横にQRコードで買えるようになっているとのことです。今どきのアート販売も進んできていますね。スマホをかざして作品ページに行ってもらって勢いで買ってもらいたいです。
メタバースの世界と似たような世界がアナログアートの世界でも来ています。
構:今回のことで成功したらNFTにもいい影響がありそうですね。
榊:ニューヨークで活躍できるなら、いつかHEXAのQRコードを書いた名刺を配りたいと思っています。アメリカにおられる方々はNFTについての認識がある方が多いと思います。
構:HEXAも海外の方々が気軽に買えるようなインターフェイスを早急に構築していただき、そういった方に世界のHEXAとしてアピールできる将来になってほしいですね!
アナログアートのファンの方がNFTに流れてきたら、原画の価値を知っている方ばかりになるので、どんどんNFTの価値も上がっていくと思います。
これから本格的に展示会が始まりますね、展示会の成功をお祈りいたしております。
榊:ありがとうございます、楽しんできます。
いかがだったでしょうか。
榊原さんはこれからの展開も考えられているようで、数年後のご活躍に期待ができますね。
HEXAの海外展開にも期待しています。
次回、実際に展示をされた後のお話もお伺いします。
今回は以上となります。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
@HEXANFT:NFTマーケットプレイス
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